「高速走行時は空気圧をあげるべき」のウソとホント

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お盆休み直前ですね。規制やレジャーなど長距離の高速走行をする方が多い時期です。お出掛けの3日前までにはタイヤの点検を済ませてしまいましょう。簡単点検はコチラ

 

今回は高速走行時の空気圧のお話しです。「高速走行するときは空気圧を上げるべきだ」と聞いたことがないでしょうか?
どうして、そんなことをするんでしょう?そもそも正しいのでしょうか?

なんとなく「言われているので、そうしておこう」ってなってないですか?本当のところを見ていきましょう

 

高速走行時の空気圧は通常より上げるべきか?

「いいえ」必要ありません
理由は後述しますが、現在のラジアル構造タイヤで日本国内の法定速度程度なら上げる必要はありません。




なぜ高速走行時は空気圧を高くすべきと言われることがあるのか

そもそも「なぜ」の部分なく空気圧を高くと言われている方が多いように感じます。高めというとカッコいいのでしょうか?安全に関わることですしラーメン屋でとりあえず「麺硬め」というのとはわけが違います。

 

では「なぜ」高速時は高めなんでしょう。それにはスタンディングウェーブ(波打ち)現象と呼ばれる現象が関わっています。まず動画を見てください。

 

 

簡単に言えば、タイヤのたわみが1回転する間に完全に戻り切れないために起こる現象です。高速になればなるほどタイヤは元に戻るために与えられる時間が短くなります。一方で空気圧が低いとたわみは大きくなり、元に戻す力も弱くなります。
よって、この現象は変形を戻す猶予時間の短い「高速走行時」で、大きな変形をしてしまう「空気圧の低い状態」でよく起こります

この現象を防ぐため空気圧を上げ変形を小さくし、より早く変形が戻ることを狙ったわけです。

 

空気圧を上げる必要がない理由

ここまで聞くと「高速走行時はやっぱり空気圧を上げる必要があるんだな」と考えられると思います。しかし、冒頭に「空気圧を上げる必要はない」と申し上げました。どういうことでしょう?

 

確かに過去には確かに上げた方がいい時代がありました。それは規格の違いによるところが大きいのですが、昔主流であった「バイアス」構造のタイヤではこの現象が起きやすかったのです。現在は「ラジアル」構造に変わり剛性も増したため自動車メーカー指定空気圧で安全に高速走行ができます。

 

余談ですが、昔は自動車教習所でも「スタンディングウェーブ現象」とその対策として「高速利用時は空気圧高め」を教えていました(今は分かりませんが)。「高め」とおっしゃる方に年配の方が多いのはその印象が残っているのかもしれませんね。

 

そもそも高速走行をすればタイヤホイールは温まり、タイヤ内の空気も膨張してタイヤ内の圧力が上がります。20℃で空気圧を調整したタイヤが真夏に高速走行すると50℃になることなどザラで、30℃の差でも1割も空気圧が上昇します。ラジアル構造のタイヤであれば、十分な圧力上昇で先に高圧にする必要などないでしょう。

セパレーション逆に空気圧過多はタイヤの中心部分を膨らませる変形を招き、更に高速走行時は遠心力で拍車がかかります。結果グリップの低下や乗り心地の悪化を招くのです。特に注意すべきはハイエースなどのバンやトラックで、積載を想定した高い自動車メーカー指定空気圧から下手に空気圧を上げ過ぎると、セパレーションと呼ばれるトレッド剥がれを引き起こしやすくなります。最悪の場合、高速走行中に「バースト」という危険性も高まります。

圧力を上げる必要のある場合

超高速での走行

160km/hを超えて長時間高速走行をする場合などは1割ほど圧力を上げても良いと考えられますが、それほどの速度を出す場合はその他の問題にも注意する必要がありますし、法定速度を大きく超えての走行なので自己責任ということになります。輸入車には超高速時の空気圧が記載されていることがありますので、それに従ってください。

 

多人数乗車や積載重量が重い場合

国産乗用車の場合、それも加味した上で自動車メーカー指定空気圧が記載されているので空気圧を上げる必要はありません。商用車は積載空気圧が記載されているのでそれに従ってください。また輸入車では乗用車でも高積載時の空気圧が記載されていることがありますので、それに従ってください。




まとめ

「高速走行時は空気圧をあげるべき」のウソとホント

 

➀日本の法定速度内で走行するならウソ
➁160km/h超で走行するならホント
➂トラックなどで、もしバイアスタイヤを履いているような稀なケースがあればホント

 

長期休暇中は慣れない人が多く走っていることも多く、グリップを落とすと普段以上に危険です。むやみに空気圧を上げないことをお勧めします。

 

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