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【新商品情報】ブリヂストン「ECOPIA NH100シリーズ」

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ECOPIA EX20(イーエックスニーマル)シリーズの後継モデルのスタンダードタイヤです。
因みにNHとは製品コンセプトであるウェット性能とその持続性や低燃費性能の高次元な調和ということでNew Harmony(ニューハーモニー)の略だそうです。ネーミングセンスについては( ^ω^)・・・ですがバランスを重視した低燃費スタンダードタイヤがコンセプトだということが分かります。

 

1.NH100シリーズの特徴

1-1.シリーズ全般の特徴

1-1-1.ウェット性能とその低下抑制

ウェット制動試験をベースグレードであるNEXTRY(ネクストリー)と比較
※50プリウスで時速80kmからABS作動での制動試験

 

➀新品時
NEXTRYが36.4mに対しECOPIA NH100は35.1mと車体2/3台分ほどNEXTRYより早く停車

 

➁20,000km走行後
NEXTRYが43.0mに対しECOPIA NH100は39.3mと車体1.5台分ほどNEXTRYより早く停車

 

新品時でも大きな差ですが、ある程度摩耗が進んだ場合の制動距離の差は更に顕著です。こんなときを想像してください。見通しの悪い雨の日、「子供が飛び出してきた」とか「前の車が急停止した」といった場合です。「はねてしまった」、「追突してしまった」なんて結末は想像するだけでゾッとします。僅か数メートルの差のように思えますが、その数メートルが止まれるかぶつかってしまうかの大きな差となるのです。

 

1-1-2.耐摩耗性能の向上

ベースモデルNEXTRYと比べて耐摩耗性能30%向上
前身となるECOPIA EX20からも向上

 

それに加えてコンパウンドの経年劣化もゆっくりなのでベースグレードタイヤより1年余分に走れるかも知れません。購入先にもよりますが1年あたりのコストで考えるとベースグレードタイヤと大差ないケースもあります。しかも安全性はNH100の方が断然上なんです。

 

1-1-3.燃費性能の向上

ベースモデルNEXTRYと比べて転がり抵抗係数5~16%向上
前身となるECOPIA EX20からはわずかに向上

 

低燃費性能を無視できない昨今の自動車事情から、新車装着タイヤもかなり低燃費性能の高いタイヤが装着されているケースが多くあります。新車装着タイヤについては転がり抵抗係数が公表されていませんが、例えばプリウスに装着されている新車装着タイヤはグレーディング’AA’程度だと言われています。NH100も’AA’と新車装着タイヤ程度の低燃費性能を有しており、タイヤ交換で燃費を落とす心配をしなくて済みます

 

1-2.NH100の特徴

1-2-1.直進安定性と操縦安定性

セダン・クーペ専用設計されたプロファイルで骨格構造を最適化し、剛性コントロールシートによってトレッド剛性を最適化することで直進安定性と操縦安定性を高めています。これによりセダン・クーペに求められる走りを楽しむ快適な走行性能が実現されています。

 

1-3.NH100RVの特徴

1-3-1.

ミニバン特有の偏摩耗を抑制しフラつきを抑えるのは勿論、車体が大きく下方視界が悪いミニバンの弱点をフォローするためサイドプロテクターが採用されています。これにより少しくらいなら路肩や縁石に擦っても大丈夫なように強化されています。当然、強い力がかかったり当たり方が悪かったりすれば破れないわけではないので注意は必要です。

 

1-4.NH100Cの特徴

1-4-1.

ショルダーブロックに高剛性素材を採用することで、コンパクトカーの特性である小回りがしやすく、停車したままでハンドルを切る所謂「据え切り」による偏摩耗に対しても強くなっています。
ベースグレードであるNEXTRYと比較して41%もの大幅な摩耗耐性が実験データとして示されていますが、ブリヂストンのこの手のデータには何度か騙されているのでウォッチしていきます。







2.価格

ECOPIA EX20シリーズより定価ベースでも2%ほど値上げされました。販売価格もわずかながら上がりそうです。

 

3.まとめ

・バランスの良い低燃費スタンダードタイヤです。
・摩耗しても雨の日の安心感が高いタイヤです。
・価格は僅かに高くなりそう。

 

4.タイヤサイズ

2017年2月発売予定サイズ

 

4-1.NH100

21サイズ
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4-2.NH100RV

19サイズ
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4-3.NH100C

27サイズ
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【新商品情報】ダンロップ「LE MANS V(ルマンファイブ)」

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ついに出ます。やっと出ます。ダンロップのミドルクラスコンフォートタイヤであるルマンの最新モデルLE MANS V(ルマンファイブ)です。ナビゲーター的には2年くらい前から、そろそろモデルチェンジしてもいいんじゃないの?って思っていたタイヤだったので本当に「やっと」かぁという感じです。2017年2月発売となっています。今のところまだ発注はできないのではっきりしませんが、一応現時点で発表されている全サイズが2月1日にヨーイドンで一斉に購入できる予定のようです。

 

LE MANS 4(ルマンフォー)からの改善

ルマン4の不満点

ルマン4はバランスのとれた良いタイヤだったと思いますがナビゲーターとしては明確な不満もありました。

 

➀期待ほどではなかった静粛性

静粛性をセールスポイントのひとつにしている割には期待するほどではありませんでした。確かに継ぎ目を乗り越す際のパカンというダンピング音は非常に効果的に消してくれますが、定常的に発生するロードノイズやパターンノイズが結構気になるレベルでした。
実際、購入されたお客様でも不満を口にされる方が一定の割合存在していたので「期待を下回ってしまっていた」と言えるでしょう。

 

➁突き上げ感が気になった

サイズラインナップが豊富であり、価格帯も値ごろ感があることからロープロファイルタイヤで選択されることが多いルマンですが、ロープロにありがちな突き上げ感の緩和が十分でなく不満を感じていました。ロープロではある程度は仕方がないと思いますが、それにしても少々不満に感じていました。

 

ルマンVでの改善点等

先項で述べた不満は解消されているでしょうか?それ以外の特徴についても見ていきます。

 

➀大幅に改善された静粛性能


 

 

このデータが示す通りロードノイズ、パターンノイズともに大幅に改善されています。
下図をちょっと見て頂きましょう。左が従来モデルであるルマン4、右が今回発売されるルマンVです。

まず左右対称だったパターンがインサイドアウトサイドのあるパターンに変更されていることでコーナリング時のグリップ力などを高めています。しかし、ここで注目したいのはパターンの複雑化です。パターンノイズはタイヤが路面に接地したり、横溝の部分で地面から瞬間的に離れたりすることで発生します。
 

接地⇒離れる⇒接地⇒離れるを繰り返すと地面をゴムで叩いているようなものなのです。つまり横溝が広くブロックが大きいとパターンノイズは大きくなりがちです。そこをいくとルマンVはブロックも細かく、横溝も完全に横方向でなく斜めにすることで瞬間的に路面から離れることも少なくすることでパターンノイズを減らしています。

 

更にしなやかさを増したコンパウンドへ変更をすることで路面から拾う振動や音を最小限にし、ダンロップのコンフォートタイヤの特徴である特殊吸音スポンジで発生した音を吸収することでロードノイズの大幅な低減に成功しています。

➁やや緩和された突き上げ感


タイヤの骨格構造を最適化し、サイドウォールとトレッドのクッション性を向上させることでルマン4で不満だった突き上げ感やゴロゴロ感がある程度緩和されています。但し、単純に柔らかくなったわけではなくルマン特有のスポーティーさをしっかり残しています。

 

➂耐偏摩耗


スクエアショルダーからラウンドショルダーへ変更されたためか耐偏摩耗性が向上しています。キャンバーつけて片側使ったら裏返していた方はインアウトパターンになったので、それがかなわなくなってしまいました。







価格

若干上がりそうです。まだはっきりしませんが5%程の値上げがありそうです。

 

まとめ

ルマンと言えばコンフォートタイヤながら、走行性も高さも併せ持つバランス型のタイヤとして評価されています。今回のモデルチェンジによって、やや不満だった快適性能がしっかり向上し、スポーツコンフォートと言える素晴らしいタイヤになったと考えます。

 

発売サイズ

2017年2月発売予定サイズ
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ダンロップ DIREZZA ZIII 新発売

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ダンロップよりリアルスポーツタイヤ「ディレッツァ ズィースリー(DIREZZA ZIII)」が2017年2月より順次発売予定です。

 

1.コンパウンド

新グリップ向上剤とハイスチレンポリマーの採用で早い周回から効率的に発熱しグリップします。他方で高分子ポリマーを採用し耐摩耗性能を向上させています。
ZⅡスタースペック(以下Z2SS)でも早期から効率よくタイヤが温まり早い周回からタイムが出やすいタイヤでしたが、その傾向が更に向上しています。一方でZ2SSにあった少々熱ダレしやすい傾向は、ZⅢでも残ってしまっています。

 

2.パターン

2-1.最適化

一見代わり映えのしないパターンですが実は負荷が集中しないよう最適化されています。またZ2SSで一部分断されていたパターンが改良され連続的なパターンになり、剛性が増したと同時に路面を離さず食いつき続けるようになりました。

 

2-2.シーランド比

シー(SEA)とは溝、ランド(LAND)とは接地面のことで、一般にランドが増えれば接地面積が上がるのでグリップが良くなります。また負荷が分散するためコンパウンドの破壊が起きにくくなり摩耗に強くなります。反面、排水性能にとっては一般に不利に働くためハイドロプレーニング性能は若干ながら落ちていますが、コンパウンドの改良でウェットグリップはやや上がっています。
ZⅢではランド比を5%増やすことで負荷を分散し、接地圧を均一化することで安定したドライグリップと耐摩耗性を強化しています。

 

3.ショルダー形状


ZⅡSSは機敏な応答性を重視して肩の張ったスクエアショルダーを採用していました。ZⅢでは肩の丸いラウンドショルダーに変更され、旋回時の接地圧を均一化することでコーナリングの安定性を重視しています。形状通りZⅡSSと比べてややダルいハンドリングになった感がありますが、その分許容範囲が広くなりラインをとりやすくなったように感じられます。リカバリーの連続となるサーキット走行では取れるラインの幅が広いことは走りやすさに繋がり概ねタイムに繋がります。よりシビアなライン取りが出来る方にはクイックさが損なわれたと感じるかも知れません。

 

4.ラップタイム


この手のタイヤを履く一番の理由は何よりサーキットで誰よりも速く走るためです。グリップ性能とコントロール性能のアップによりラップタイムも短縮されています。







5.発売予定サイズ

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しかしまぁ似ているよね。

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来シーズンなくなるスタッドレスタイヤ、型落ちになるスタッドレスタイヤ

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来年のことを言うと鬼が笑うなんて言いますね。某人気CMなんかでもやってます。でもあえて言っちゃいます。
だって!あなたが買うものなんだから、あなたには知る権利があるはずです。

 

oniwarau

 

あくまでも現状判明している情報なので100%ではないですが、かなり確度の高い情報です。

 

2017年ニューモデル発売が予測されているメーカー

1.ブリヂストン

VRX
ほぼ100%ニューモデルが投入されるでしょう。

 

根拠

➀2016年-2017年シーズンのスタンダードモデルである「REVO GZ」の今季終了情報がある。
➁実は2016年にモデルチェンジする話が出ていたが見送られた。
➂現行の最新モデルVRXが発売されてから来年で5年。(REVO GZとVRX発売間隔も5年)
➃テスト条件を酷似させたヨコハマのアイスガード5プラスに氷上制動で負けた。
➄入荷したREVO GZは全面的にメーカー返品不可である。

 

見送られる懸念要素

懸念要素が見当たりません。敢えて言うならヨコハマのモデルチェンジの確実性が高いため、発売年をずらしてくる可能性でしょうか?
生産計画の失敗などで余程多くのGZを売り残したりしない限りは・・・いや売り残したとしてもニューモデル投入すると思われますが・・・

 

2.ヨコハマ

iG50plus
ブリヂストンに次いで高い確率でニューモデルが投入されるでしょう。

根拠

➀2016年-2017年シーズンのスタンダードモデルである「iceGUARD TRIPLE PLUS(iG30+)」の今季終了情報がある。
➁2015年-2016年シーズンにiG50のコンパウンドチェンジでお茶を濁した。
➂入荷した「iceGUARD TRIPLE PLUS」は全面的にメーカー返品不可である。

 

見送られる懸念要素

担当営業からのかなり確実な情報としてモデルチェンジされるようですが・・・
ヨコハマはブリヂストンのスタッドレスタイヤが発売された翌年くらいに新商品を投入したい。後出しジャンケンだろうが何だろうがなりふり構わずブリザックを超えたというデータを出したいようなのです。そこのところを考えると2018年?なんて話もありますがいくら何でも新商品の発売周期が長くなり過ぎるように感じられます。いざとなれば伝家の宝刀の「プラス」でマイナーチェンジすれば良いですし、順当に見て来年ニューモデル発売となるでしょう。







ニューモデルが発売されると変わること

現行の最新モデルが安くなる

最新モデルが型落ちになることで大幅に安くなります。
ブリヂストンはVRXが、ヨコハマはiG50+がスタンダードモデルに格下げされ大幅に安くなるでしょう。
当然性能はそのままで値段だけが下がるのでお得です。更に効きの良い上位モデルが発売するというのが気になるあなたはそこを検討するのも手です。

 

現行のスタンダードモデルがなくなる

極一部のサイズを残してカタログから消えてしまいます。
ブリヂストンはREVO GZが、ヨコハマはiG30+がモデルとしてなくなるでしょう。
具体的に困る場合としては、パンクなどで1本交換しなければならないなんて時に同じものが手に入らない可能性があります。メーカーも一部は売り残すでしょうが年々手に入りにくくなります。メーカーからなくなった場合は卸などが運営するネット通販なら手に入る可能性はあります。

 

まとめ

➀ブリヂストンやヨコハマのスタッドレスタイヤの購入を検討されている場合はモデルチェンジの可能性があることを考慮してください。
➁但し、最新モデルの購入予定であれば市場からなくなるわけではないので大きな懸念はありません。
➂REVO GZやiG30+の購入を検討しているあなたはカタログ落ちする懸念を加味してください。
➃来季VRXやiG50+の購入を検討している方は、2017年はおそらく大幅に安くなるのでチャンスです。

 

以上を考慮しても現状のスタッドレスタイヤに不安があったり、必要があるなら当然購入するべきですけどね。

 

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225/55R18のインチダウンの新たな流れ

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デリカD:5、アウトランダーなど三菱車専用サイズのようだったこのサイズ。インチダウンと言えば一気に16インチまで落として215/70R16が一般的です。というのも純正採用されているサイズが225/55R18と215/70R16と17インチ設定がないのが主な理由です。
(デリカローデストで215/55R17の設定がありますが外径も小さくインチダウンで使うのに理想的なサイズではありません。)
しかし、このインチダウンは妥当なのでしょうか?より妥当と考えられるインチダウンがあるので妥当性とともに解説していきます。

 

最近ではエルグランドやエクストレイル、フォレスターなどにも採用されるなど増えつつあるサイズです。それらの車種にも参考になるインチダウンの方法です。

 

16インチにインチダウンするのが良いのか?

そもそもインチダウンは走行性能を落とす為、可能ならば避けたい方法です。しかし、225/55R18のタイヤは高く、予算を抑えたい場合はインチダウンもやむを得ない方法です。そこでインチダウンをしようとした場合は通常1インチダウンから考えて、それでも予算が合わないなら2インチダウンを考慮するといった順番が妥当です。

 

2インチ以上のインチダウンが必ずしも悪いわけではないですが、走行性能を一段飛ばしで落とすことになります。つまり可能ならばインチダウンは1インチ程度に留めるのが妥当と言えます。

 

ではなぜ16インチが一般的なのか

純正採用サイズである

冒頭で述べたように純正採用サイズとして18インチ16インチの設定しかないのが、ひとつの大きな理由です。

 

良い変換サイズがなかった

正確にはなかったこともないのですが、SUV用が一般的で普通乗用車用はあまり一般的ではありませんでした。それ故、スタッドレスタイヤとしてはあまり採用されることがありませんでした。近いサイズで一般に多く流通しているのは215/60R17でしたが、外径で17mmほども小さいので変換サイズとしては小さ過ぎて妥当ではありませんでした。







妥当な17インチサイズは?

では妥当なインチダウンサイズはというと、こんだけもったいつけておいてズバリもないもんですが
ズバリ!225/60R17です。
三菱自動車以外のSUVに採用され始めただけでなく、2015年に発売された30系アルファード/ヴェルファイアに採用されたことなども影響し一般化されてきました。その結果、SUV用スタッドレスタイヤだけでなく普通乗用車用スタッドレスタイヤでもラインナップが増えてきて使いやすくなりました。

 

225/60R17を使うメリット

外径が同等である

225/55R18:約705mm
225/60R17:約702mm
速度メーターも狂いませんし車検も問題ないでしょう。
 

タイヤ幅が変わらない

扁平によって僅かに差がありますが基本的には225は225mm幅を意味していますから同等です。
一般に太い方が接地圧を分散することが出来るので氷上性能が高くなる傾向にあるので、最も怖い氷の上での制動力を落とさずに済みます。

 

ラインナップ

これらより225/55R18のインチダウンとして225/60R17が妥当なプランのひとつと分かって頂けたのではないでしょうか?そんなひとつの解答に賛同して頂けた方にはこちらのラインナップをどうぞ。

 

SUV用

高荷重設計で摩耗にも強いが効きは普通乗用車用には負ける。四駆なら車の性能にある程度任せてしまえるので問題ない。普通乗用車用より安い。

ブリヂストン BLIZAKK DM-V2:最高クラスの氷上性能、柔らかめ
ヨコハマ GEOLANDER I/T-S G073:高い氷上性能、少々腰砕け
ダンロップ WINTER MAXX SJ8:氷上は並、しっかりとした走行性能
コンチネンタル ContiVikingContact6 SUV:氷上は並、高い高速性能

 

普通乗用車用

氷上性能はSUVより上だが骨格もトレッドも柔らかめなので、重い車には大なり小なり不安定なのとSUV用より摩耗が早い。

ブリヂストン BLIZAKK VRX:最高クラスの氷上性能、効きの持続性も高い
ヨコハマ iceGUARD 5 PLUS:最高クラスの氷上性能、効きの持続性も高い
ダンロップ WINTER MAXX 02 WM02:高い氷上性能、効きの持続性も比較的高い、高い走行性能
ダンロップ WINTER MAXX WM01:氷上性能は並、効きの寿命も並、走行性は良い
ミシュラン X-ICE XI3:高い氷上性能、効きの持続性は並、走行性能は非常に高い、静か、摩耗に強い
グッドイヤー ICE NAVI6:氷上性能はいまひとつ、効きの持続性は低め、走行性能は並

 

 

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今年の流行サイズ185/60R15の安い変換サイズ

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いやぁ冬本番ですね。
11月なのに東京でも雪が降ちゃったりしてマジかぁって感じです。
こうなると我々タイヤに携わる者はみんな俄然忙しくなります。
ナビゲーターも御多分に漏れず貧乏暇なし、忙しくしてます。
若いとは言えない年齢なので体ギシギシです。中々記事もアップできなくて申し訳ありません。

さて本題です。
今年のコンパクトカーの流行サイズと言っても良いこのサイズ

185/60R15

しかし、このサイズ大きさの割に意外と高いんです。そんな問題を緩和、解決していきましょう。

 

185/60R15を採用している車種

まずは代表的な車種を列挙してみましょう。
カローラフィールダー
シエンタ
・ヴィッツ
・インサイト
グレイス
シャトル
・フィット
・フィットシャトルハイブリッド
スイフト

ね。発売されて間もない車や流行の車が沢山でしょう?

 

値段を見てみましょう

冬道では絶対的な信頼を獲得しているブリザックの最新モデルVRXのタイヤ1本のみとホイール付き1本の値段を例に見ていきます。

結構、良い値段しますね。ブリザックVRXだから高いってだけじゃないんです。例えばワンサイズ大きい185/65R15だとこんな感じ。

大きいのにこっちの方が安いっておかしいでしょ?でもこれがタイヤ業界の常識なんです。多少なりと大きくても扁平率が大きい方が安い傾向にあります。じゃあこっちのサイズを付ければ良いじゃんて思うかもしれませんがそうはいきません。
185/60R15は理論外径で606mmほど
185/65R15は理論外径で625mmほど
と大きくボディーへの干渉リスクは勿論、速度メーターの誤差や僅かながら車検が通らないリスクも出てきます。




安い適合変換サイズ

インチダウンという方法

175/70R14を装着するのがその方法です。
175/40R14の理論外径は603mmほどと適正なので、185/65R15で挙げたようなリスクはありません。

 

discbrake但し、車種によっては14インチへのインチダウンが不可能な場合があります。主にブレーキの大きさによるものでホイールを小さくしようとしてもブレーキに当たればインチダウンすることが出来ません。主に問題になるのは左図で示した前輪のディスクブレーキですが、プリウスαなど一部車種では後輪のドラムブレーキが干渉してインチダウンが出来ない場合もあります。

 

その他のリスク

物理的な形状の問題がなくインチダウンが可能であっても以下のような問題はあります。

 

➁タイヤが細くなる

理論値で185mmから175mmへ10mmと5%ほど幅が狭くなります。一般に幅が狭くなると氷の上でのブレーキには不利です。

 

➂インチダウンに伴うリスク

inchdown
インチダウンをするということは上図のようにホイールの部分が減りタイヤの部分が増えるということです。これは乗り心地が柔らかくなってハンドル操作をしたときのレスポンスが遅くなります。具体的にどうなるかというとグニャグニャとした乗り心地になり、右左折やカーブ、車線変更などをした際にフラフラしやすくなります。そもそもスタッドレスタイヤは概ね夏タイヤより構成される部材が柔らかい為、それだけで前述のような乗り心地や走行性能の問題が出ます。インチダウンはそれを更に加速する方向なので悪い方向の相乗効果を生み出してしまいます。

 

これらのリスクを理解した上でインチダウンするのは一つの選択肢です。何より安いですからね。同じ条件で比較してこれだけの価格差があります。予算がないときは冬時期だけなのでと我慢するのも手ですかね。

 

インチダウンしない方法

上述のリスクを避けたいけれど185/60R15の価格については何とかならないでしょうか?

インチダウンしない変換サイズ

何とかなります。
ズバリ175/65R15です。
理論外径は608mmほどとほぼ同外径で、実は一部車種では同車種で185/60R15がついてる車と175/65R15がついている車が存在するなど自動車メーカーの純正でも変換されるサイズなのです。

 

先に触れたタイヤが細くなることによるリスクはありますが、それ以外は185/60R15とほぼ同じなわけですから非常に低リスクです。しかも価格は同条件で以下のように大きな差があります。1本でこの差ですから4本で17,000円ほどと大きな金額です。

 

結論

175/65R15なら安く買えてリスクも少ない。

 

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2016-2017年一番止まるスタッドレスタイヤを(勝手に)決めたった 普通乗用車編

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今年追加された普通乗用車用スタッドレスタイヤは主要メーカーではダンロップのみ。そのダンロップの最新スタッドレスタイヤはヨコハマを倒せたのでしょうか?

 

昨年のおさらい

昨年、公表されている氷上制動試験データからナビゲーターが(勝手に)決めた「2015年一番止まるスタッドレスタイヤ」は「ヨコハマ アイスガード5プラスでした。一般にはブリザックの最新モデルが最も信頼を勝ち取っていることを考えると少し変化球な結果でした。しかし、その最新モデルブリヂストン BLIZAKK VRXが2013年に発売されたのに比べ、アイスガード5プラスは2015年にマイナーチェンジとはいえ最も重要なコンパウンドチェンジを行っている。後発で最新技術を盛り込んでいるのだから有利であり、言わば後出しジャンケンなのだから勝って当然とも考えられる。しかし、それでも勝てなかったからブリザックが凄かったわけで(今も十分凄いですけど)、例え後出しでも氷上制動試験で勝ったというのは業界的には大きなことだったのです。

2015年一番止まるスタッドレスタイヤを(勝手に)決めたった

 

ダンロップの最新モデル

今年2016年ダンロップの新世代スタッドレスタイヤであるウインターマックスの「02」が発売された。この最新スタッドレスタイヤが昨年の王者アイスガード5プラスに勝つことが出来たのか否か?今年もデータから見ていきましょう。

 

公表されている氷上試験

タイヤの試験データはタイヤ公正取引協議会という団体に提出され誰でも閲覧できるようになっています。以下は昨年までに公表されていたデータをまとめたものです。

タイヤ公正取引協議会HP


ブリヂストン

タイヤ銘柄ブリザック
ヴイアールエックス
BLIZZAK VRX
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温5.9℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.7m
タイヤ銘柄ブリザック

REVO GZ
車種マークエックス
排気量2,500cc
後輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ215/60R16
タイヤ空気圧230kPa
場所ブリヂストン北海道
プルービンググラウンド
路面状況氷盤
気温−1.2〜−1.1℃
路面温度−1.9℃
試験速度30km/h
制動距離24.4m

ヨコハマ

タイヤ銘柄アイスガード5プラス
ice Guard5 PLUS
iG50+
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温3.9~4.0℃
路面温度-1.6~-1.4℃
試験速度20km/h
制動距離13.0m
タイヤ銘柄アイスガード
トリプル プラス
iG30+
車種マークエックス
排気量2,500cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ215/60R16
タイヤ空気圧230kPa
場所T * MARY
氷上制動試験路
路面状況氷盤
気温-2.4 ~ 2.1℃
路面温度ー1.7 ~ー1.2℃
試験速度40km/h
制動距離69.3m

ダンロップ

タイヤ銘柄ウインターマックス
WM01
車種プレミオ
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧200kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温−6 〜 −11℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離29.6m
タイヤ銘柄DSX2
_
車種プレミオ
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧200kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温−6 〜 −11℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離33.3m

トーヨー

タイヤ銘柄ガリット ギズ
GARIT GIZ
車種カローラアクシオ
排気量1,500cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧210kPa
場所東洋ゴム
サロマ テストコース
路面状況データなし
気温−6℃
路面温度−7.6℃
試験速度40km/h
制動距離42.3m
タイヤ銘柄ガリット G5
GARIT G5
車種カローラアクシオ
排気量1,500cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧210kPa
場所東洋ゴム
サロマ テストコース
路面状況データなし
気温−6℃
路面温度−7.6℃
試験速度40km/h
制動距離46.8m

グッドイヤー

タイヤ銘柄アイスナビ
車種プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧前230kPa 後220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温ー3.7℃~ー5.1℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離42.5m
タイヤ銘柄アイスナビ
ZEAⅡ
車種プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧前230kPa 後220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温ー3.7℃~ー5.1℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離46.9m

ミシュラン

タイヤ銘柄エックスアイス
XI3
車種シビック
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
?名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所士別寒冷地技術研究会
自動車試験場
路面状況氷盤
気温−2.2 〜 −4.9℃
路面温度−2.4 〜 −4.1℃
試験速度20km/h
制動距離9.58m
タイヤ銘柄エックスアイス
XI2
車種シビック
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
?名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所士別寒冷地技術研究会
自動車試験場
路面状況氷盤
気温−2.2 〜 −4.9℃
路面温度−2.4 〜 −4.1℃
試験速度20km/h
制動距離10.45m

ウインターマックスのデータ

さて本題です。ウインターマックス02と01の比較データです。
まずは見て頂きましょう。

タイヤ銘柄ウインターマックス
WM02
車種データなし
排気量1,200cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温データなし
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離11.6m
タイヤ銘柄ウインターマックス
WM01
車種データなし
排気量1,200cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温データなし
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離13.2m

なんというか・・・ごめんなさい。「データなし」多過ぎですよね。今年のダンロップのデータはまだタイヤ公正取引協議会にアップロードされていないので現状はカタログに記載されているデータしかありませんでした。何とも企画倒れのニオイしかしなくなってまいりました。
しかし、そんなことで挫けるナビゲーターでは御座いません!もう少し頑張ってみます。

 

それでもデータを見てみる

どこか何とかなるかも知れないのでまずは見られるところから見ていきましょう。

 

➀ウインターマックス01もデータを取り直しされ初速20km/hでテストされています。
➁ウインターマックス01より12%も早く止まっています。
➂そもそも車種は何でしょうね。排気量1,200ccでタイヤサイズ205/55R16というと思いつくのはフォルクスワーゲンゴルフくらい。車重は1,200~1,300kg程度。この手のテストで輸入車ってあまり見ないので何とも言えませんが1,200ccという低排気量でこのタイヤサイズの車ってナビゲーターが思いつくものが他にありませんでした。
➃➂から比較できそうなのは同程度の車重のシビック、同じタイヤサイズ、初速、タイヤ空気圧でテストしているミシュラン エックスアイス XI3です。
ウインターマックス02は11.6mで止まっています。ウインターマックス01と比べるとやるじゃんと思いきやXI3は9.58mだと?負けてんじゃん・・・と思うでしょ?うん、負けてるね。確かに負けているかも知れない。ナビゲーターの感覚的には勝ってるかなと感じていたんですけどね。
※但し、やっぱりデータが足りない。最も重要と考えられる路面温度データがないのが致命的で信頼性の高い比較は出来ていません。どちらもテストコースは北海道で以下の地図の通りお隣なので気候的には近いはずです。テストを行った時期の問題は残るもののウインターマックス02が負けていると考えるのが妥当なのかもしれない。

hokkaido_testarea

蛇足

非公式のデータ話ではありますがミシュランは様々なテストを毎年繰り返し、当然他社製品も比較テストを行っています。そのテストにおいて「他社に負けていない」そうで、故に2012年に発売したXI3のモデルチェンジの必要がまだないと考えているんだそうです。少なくともWM01との比較テストでは負けていないと考えているのでしょう。ただバランス重視のミシュランの設計思想からすると個々の性能の話ではなく「総合的に見て」ということにはなります。

 

データ以外で見る

掟破りです。完全な反則です。しかし、そんなことはどうでも良いのです。この記事を読んでくれているあなたの役に立てば手段は問題ではない。
ナビゲーターには強い武器があります。この業界にいるからこその役得があったのです。そう試走会に呼ばれて実際に体験してきたのです。
詳しくはコチラ⇒WINTER MAXX 02とBLIZZAK VRX乗り比べてきたので報告
詳細はそちらの記事に任せますが、昨年最も止まったアイスガード5プラスと同程度の性能を持ったブリザックVRXとの比較です。
直進方向の氷上制動性能:VRXよりやや劣る。
氷上コーナリング性能 :限界点はVRXの方がやや高いが、ウインターマックス02は滑り出してからも制御不能になりにくかった。

 

以上より、ブリザックVRXに勝てないということは自動的に昨年の覇者アイスガード5プラスにも及ばなかったということになりました。







まとめ

2015シーズンNo1スタッドレス タイトル

 

ウインターマックス02ブリザックVRXにも勝てなかったため、2016年-2017年シーズンも「2016年-2017年シーズン一番止まるスタッドレスタイヤはアイスガード5プラス」の連覇となった。
ウインターマックス02は直線的な氷上制動性能では昨年の覇者アイスガード5プラスやブリザックVRXには及ばないが、かなり近いところまできており、全体で3番目か4番目に良く止まるタイヤ
・現状の少ないデータでのウインターマックス02とエックスアイス XI3の比較ではXI3に軍配が上がったが、もう少し必要なデータが出てからのお預けとする。
ウインターマックス02は滑り出してからも制御不能になりにくく立て直しやすい。

 

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2016-2017年一番止まるスタッドレスタイヤを(勝手に)決めたった SUV編

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昨年もやりましたスタッドレス勝手に決めたったシリーズの第2弾。今回はSUV編です。

 

スタッドレスタイヤの性能は普段からタイヤを扱っている人間からしても分かりにくいのは昨年も申し上げたところ。長年タイヤに携わっているのでそれぞれの違い、特徴は把握しているのだけれど、本当のところ「どいつが一番止まるんだ?」、「効きの差は?」、「効きの持ちの差は?」などなど疑問がある。今回は「どいつが一番止まるんだ?」に主眼を置いた話をします。

 

氷の温度、氷の状態、気温、車、タイヤサイズ、空気圧、制動速度など全ての要素を揃えて検証するのは難しい。とはいえ転がり抵抗係数のような物理的な数値の算出してくれれば、各社のカタログ値も「何メートルで止まったぞ」という自画自賛に終わらないんですけどね。しかし、どうも他社との比較を良しとしないので(法的な問題もあります)難しいところですが公表値をまとめて考察するので参考にしてもらえたらと思います。
そうそう、こんな状況ですが今年も「あるメーカー」「またやってくれた」ので注目してみましょう。

 

公表されている氷上試験

以前からタイヤナビゲーターのサイトを見て頂いている方にはピンときた方もいるかも知れませんが、「どのメーカー」が何を「またやってくれた」のか見ていただきましょう。

 

ブリヂストン

タイヤ銘柄ブリザック
DMV2
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温7.8℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離12.26m

ヨコハマ

タイヤ銘柄iceGUARD
SUV G075
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温9.1℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離11.9m

ダンロップ

タイヤ銘柄WINTER MAXX
SJ8
車種ヴァンガード
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温-1〜-3℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.3m

グッドイヤー

タイヤ銘柄ICE NAVI
SUV
車種CX5
排気量1,997cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所岡山国際
スケートリンク
路面状況氷盤
気温-2.0℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離13.0m

ミシュラン

タイヤ銘柄LATITUDE
X-Ice XI2
車種プラド
排気量4,000cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ265/65R17 112T
タイヤ空気圧200kPa
場所データなし
路面状況氷盤
気温-2.7〜-3.0℃
路面温度-2.3〜-2.5℃
試験速度20km/h
制動距離9.95m

おわかりいただけただろうか

重要なデータが揃えられていない試験というのは何とも不快ですがSUV用は普通乗用車用に比べればかなりマシですね。制動速度は揃っているしミシュラン以外は中型SUVでタイヤサイズも225/65R17で揃えられている。しかし、ナビゲーターが最も重要と考えている路面温度がそろっていないこと。本来から言えば1℃違うだけでも結果が大きく変わってしまうであろう氷の温度(路面温度)にばらつきがあったり、公表されていないメーカーすらあるのは比較する大きな障害なんですが…

 

しかし、待って下さい。今回は分かりやすいのであなたも既に気付いていることでしょう。スタッドレスタイヤの最高峰といったイメージを持つ方も多く信頼性の高いブリザックと試験方法をガッツリぶつけてきたメーカーがあります。そうまたヨコハマです。

 

※なぜ氷の温度が大切かを簡単に説明すると「水膜」が関係しています。氷の温度が高ければタイヤが触れた瞬間にミクロの水膜が出来これが「滑る」大きな要因となります。故に各社何かしらの方法でスタッドレスタイヤによる水膜除去対策をしているのです。昔アイスガードのTVCMで「乾いた氷は滑らない」というキャッチコピーがありました。イメージしてください。乾いた鉄板の上でブレーキをかけた場合と、鉄板の上に薄く油を塗った場合、どちらが滑るかは今あなたの想像された通りです。氷点下の氷は乾いた鉄板のようなものですが、タイヤが触れた瞬間「溶けて」油を塗った鉄板のようになります。より水膜除去が得意なタイヤは温度の高い氷でも優秀な氷上性能を発揮します。一方、氷上が得意でないタイヤは氷の温度を低くしてあげれば「期待される効き」のデータが取れることになります。

 

それでは一応並べてみましょう(既に並んでいましたね)。

タイヤ銘柄ブリザック
DMV2
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温7.8℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離12.26m
タイヤ銘柄iceGUARD
SUV G075
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温9.1℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離11.9m

アイスガードがブリザックを超えている

車種やタイヤサイズ、制動試験の速度、試験場所など多くの点が共通しているのである。しかも、業界トップでスタッドレスタイヤで最も信頼の厚いブリザックを擁するブリヂストンのDM-V2より、iceGUARD SUV G075の方が1割ほど短い制動距離で止まっているのだ。普通乗用車用スタッドレスタイヤに続いてSUV用タイヤでも試験条件をぶつけてくるとは、ちょっとニヤニヤしちゃうよね。各社このくらい闘争心むき出しで競ってほしいものですね。

 

因みにヨコハマの担当営業に「試験条件ぶつけましたね」と話をしたところ「偶然ですよ(笑)」と確信犯の笑顔でとぼけていました。




その他の比較

縦方向はヨコハマとブリヂストンが強い

ブリヂストン、ヨコハマともに一般的に滑りやすく厳しいと考えられる高めの路面温度であって、20km/hという低速においてでも他メーカーにこれだけの差をつけた短い距離で止まっているのは流石。

 

ウインターマックスSJ8とアイスナビSUV

ここで少し車重を見てみます。排気量とグレードから考えるとCR-Vは約1,550kg、ヴァンガードは約1,600kg、CX-5は約1,500kg(CX-5に2Lの4WD設定がないので排気量基準)と考えられます。一般に軽い方が制動距離は短くなる(今回のケースでは重いとより大きな摩擦熱が発生し滑る要因の水膜が多くできる)ので、そういった意味ではブリヂストンとヨコハマは中程度の条件で試験をしていることになります。そしてグッドイヤーは最も軽い車で試験し、ダンロップは最も不利な条件で試験をしている。100kg(7%)ほどの重量差だがバカにならない。路面温度がないので今回のデータだけでは比較のしようがないが、実際にはデータ通りグッドイヤーの方が効くといった結果にはなりそうにないことだけは言っておきます。

ダンロップ

タイヤ銘柄WINTER MAXX
SJ8
車種ヴァンガード
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温-1〜-3℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.3m

グッドイヤー

タイヤ銘柄ICE NAVI
SUV
車種CX5
排気量1,997cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所岡山国際
スケートリンク
路面状況氷盤
気温-2.0℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離13.0m

 

LATITUDE X-ICE XI-2

今回の趣旨では比較はまことに難しい。

 

まとめ

どいつが一番止まるんだ?

DM-V2は2014年発売なので、後発なので勝って当然と言われるかもしれませんが、2016-2017年シーズンでは最も止まるスタッドレスタイヤの称号ヨコハマ iceGUARD SUV G075に与えて良いでしょう。

 

当サイトでの勝手に氷上性能格付け

iceGUARD SUV G075BLIZAKK DM-V2LATITUDE X-ICE XI2WINTER MAXX SJ8ICE NAVI SUV

※今回の比較だけでは分からないけど、様々なタイヤの試乗、自家用車や社用車などでの使用、お客様からの声など様々な要素からナビゲーターが勝手に付けたものです。

 

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WINTER MAXX 02とBLIZZAK VRX乗り比べてきたので報告

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ダンロップさんに試走会に呼んで頂きまして新ウインターマックス「WINTER MAXX 02」履いてきました!!
素晴らしいスタッドレスタイヤだったのでご報告します。個人的には結構好みだったわけで、その良さだったり使用に向いている方などを書いていきます。

 

ちょっとウィンターマックスのお話が続きますが2016-2017年新商品なので良しとして下さい。
例によって写真NGであってナビゲーターはチキンなので折角招いてくれたメーカー様の顔を立てるため写真はなしでお送りします。(ぶっちゃけお店で使う用にこっそり撮ったんだけども自主規制)
そんなわけで試走会場をタイトル画像で雰囲気を表現しましたが車はシルバーとか白とか画像のようにカラフルではありません。

 

試走条件

使用車種  :
アクア(AT)
試走タイヤ :
WINTER MAXX 02(以下WM02)
比較タイヤ :
WINTER MAXX 01(以下WM01)、BLIZZAK VRX(以下VRX)
タイヤサイズ:
175/65R15
空気圧   :
自動車メーカー標準空気圧(前230kPa 後220kPa)
路面状況  :
氷盤(スケートリンク)
路面温度  :
-2℃~0℃

コース

wm02testrun-course

  :三角コーン

 

コースはざっとこんな感じで、試走順はWM01、VRX、WM02で各タイヤ2周ずつしました。
スケートリンクなのでツルツルだし加速するのも難しい広さしかなく制限された中で上手く試走をする必要があります。尚且つナビゲーターはテストドライバーのように同じ条件で走ることが出来ないので完璧なテストからは程遠いですが、若い頃から毎年何度も雪山に行っているので冬道には慣れています。

 

➀加速テスト

左下からスタートしてエリアAで20km/hまで加速します。
point02タイヤが氷を掴んでいるかを感じつつ20km/hまでの加速感を確かめる。

 

➁制動テスト

ブレーキ地点でフルブレーキ(ABSあり)します。
point02エリアBのどこで止まるか比較します。因みに壁にブレーキ位置からの距離がメートル表示されていました。

 

➂自由走行

短距離ですが自由に走行テスト
point02エリアCでは敢えて目一杯多少ハンドルを切ることで横方向に無理な負荷をかけてみました。

 

➃スラローム

エリアDで蛇行運転テスト(速度は自由)
point02思い描いたラインでスムーズにスラロームが出来るかを確認しました。




感想

まずナビゲーターが走行した時点では、時間帯が遅かったためか氷の温度が高めになっており氷の表面に簡単に水膜が出来てしまうような状況でした。この為、吸水性能の高い発泡ゴム採用のVRXがかなり有利な状況でのテストになったと考えられます。その条件下での試走結果の感想です。

 

➀加速テスト

まず、自分が乗る前に他の方が試走している様子を横から観察していました。横から見ているとどのタイヤもかなり空転しており、滑りながら段々と加速していくのがよく分かりました。そんな中ではVRXが最も早く氷をとらえて前に進んでいきました。
実際に乗ってみても加速力が最も高かったのはVRXでフルブレーキ位置の手前で少し余裕を持って20km/hに到達していました。WM02もかなりしっかり路面に密着しているのを感じましたが若干VRXには劣る印象でした。WM02に乗った後に比較するとWM01は氷を掴むまでに時間がかかり中々加速していきにくく、ブレーキ位置で20km/hに到達するがやっとといったところでした。

 

➁制動テスト

全てのタイヤでしっかり氷を掴んでグググッっと効いてくれるのが分かりました。完全停止したところで壁の距離表示を見ると以下のようになりました。

WM01:
8.2mで停止
VRX :
7.0mで停止
WM02:
7.5mで停止

縦方向の効きはVRXが最も高い性能を発揮したもののWM02も十分な効きを発揮し大きな差は出ませんでした。
※速度計がデジタルで空転などでメーターが安定せず正確に20km/hでブレーキングできたかはあまり自信ないことをお詫びしておきます。30km/hと思ったら次の瞬間10km/hだったりまいりました。

 

➂自由走行

短距離で少し加速しアクセルを離しハンドルを目一杯切ってみるとVRXはインへ入り切れずコースアウトしエリアCの地点「X」でコーンに接触してしまいました。WM01はVRXよりインへ切り込めたもののVRXより加速が足りなかった印象。その点WM02はVRXと同等に加速された状態でも大きく振り出されることなく踏ん張ってコーナリングが出来た印象を受けました。コーンへの衝突はありませんでした。

 

➃スラローム

どのタイヤも無理なくスムーズにコーナリングでき、概ね思い描いたラインをとれました。但しWM01はステアリングの舵角調整が何度か必要だったのと「Y」方向へ膨らみましたが、VRXとWM02はほとんど舵角調整がありませんでした。敢えてWM02とVRXの差を挙げれば、VRXはコーナリング初動で少しタメがあってからグイッと食いつき曲がる感覚に対し、WM02はゆったりとした弧を描いて曲がっていける感覚でした。

 

座学で体験したこと

ゴムの劣化試験

wm02testrun014WM02になってから配合された「しなやか成分」の効果を体験しました。簡単に言えば、過熱して圧力をかけて変形を繰り返しオゾンなどにさらして加速劣化を促進させたゴムのサンプルを劣化前と硬さを比較しました。

➀しなやか成分なし:
明らかに硬化していた
試走タイヤ :
WINTER MAXX 02(以下WM02)
➁しなやか成分あり:
柔軟性にはほとんど差がなかった

 

ゴムの摩耗試験

発泡系のゴムとWM02の高密度ゴムをやすりで削り摩耗度の比較をしたところ、当然WM02のゴムの方が摩耗に強いという結果が出ました。以前DSX2で採用していたようなグラスピックなどの添加材を入れたゴムも別種の素材との接合面が弱く、そこから破壊が進むのでWM02のゴムより摩耗が早く進みます。




まとめ

試走で分かったこと

WM02の氷上制動性能は非常に高くカタログ通りWM01より1割ほど上がっていた。
縦方向の効きはVRXの方が僅かに良かった
コーナリング性能はWM02が優秀だった。

 

座学で分かったこと

ゴムの劣化がゆっくりになった。
摩耗に強い

 

何よりしっかりした乗り心地でフワフワしないのがナビゲーターの好みでした。乾燥路でも夏タイヤに近い安定感のある走行性能を発揮してくれるでしょう。

 

今回のテストでは分からなかったWINTER MAXX 02の特徴
乾燥路での走行でも高い走行性能高速性能

 

向いている方・車種

➀スタッドレスのフワフワ感が不快と感じる。
➁高速走行が多い。
➂沢山走る。
➃アクセルをグイグイ踏んじゃう。
➄重い車、パワーのある車に乗っている。
➅欧州車に乗っている。
➆ハイブリッドカーに乗っている。
➇ミニバンに乗っている。

 

詳しい性能はコチラ

 

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WINTER MAXX 01(ウィンターマックス01)の2016年-2017年ラベル変更

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2016年-2017年向けの「WINTER MAXX WM01」のラベルがプレミアム感のあるゴールドからブルーへ変更になりました。というのも今年2016年-2017年向け新商品としてWINTER MAXX(ウインターマックス)のニューモデル「WINTER MAXX 02 WM02」が発売になったためです。
プレミアムモデルをWM02に譲ったことでスタンダードな雰囲気のブルーへの変更ということでしょう。

 

SJ8書いていて思い出しましたがSUV用のウインターマックスと統一されましたね。WINTER MAXX SJ8

 

今年お勧めの一角

大幅に安くなった

昨シーズンまではプレミアムモデルであったため値段もプレミアム設定だったWM01ですが今シーズンからはかなりリーズナブルに購入できます。

 

性能も高い

氷上性能も高く、特にコーナリングでも膨らみにくいなど冬道性能も満足できます。そして乾燥路でも高速走行であっても安定して走りやすく、アスファルトでも摩耗に強いので、降雪地だけでなく非降雪地域でも使いやすい特徴を持ちます。

 

ブルーラベルなら2016年製?

残念ながらそうでもないようです。ナビゲーターのお店もでも今シーズン用に数千本入荷を完了しました。入荷されたタイヤの一部サイズで2015年製のWM01にもブルーのラベルが貼られていました。メーカーから出荷されるものは2015年製でもブルーラベルが貼られているようです。わざわざ貼り換えたのか出荷される段階までラベルが貼られない行程になっているのか、いずれにせよダンロップはこういうところキッチリしています。
というわけで製造年を気にする方はタイヤの刻印を見るか購入店に問い合わせるしかないようです。







まとめ

➀「WINTER MAXX 01 WM01」のラベルがゴールドからブルーへ変更された。
2015年製造でも新ブルーラベルが貼られている。
➂もしゴールドラベルのWM01があったら、そのお店の昨シーズンの売れ残り品と考えられます。保管状態は勿論ですが、プレミアムモデルであった昨年に高く仕入れた商品なので販売価格には注意しましょう。

 

因みに

WM01の225/60R17は、新型アルファードヴェルファイアの需要予想し昨シーズン沢山作ったのに全然売れなかったとのことで在庫が大量にあり今シーズンは生産計画がないようです。このサイズを購入される方は2015年製と考えた方が良いでしょう。
また、ハスラーの需要予想で作った165/60R15も同様に生産がないかもとの情報が入ってきています。
※昨年生産のスタッドレスタイヤに関しては今年生産品と、性能的に変わりないと考えて差し支えありません。安心して購入して大丈夫です。但し、それは適切な環境で保管されたものに限られますのでお店で持ち越したものについては注意が必要です。

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