2015年一番止まるスタッドレスタイヤを(勝手に)決めたった

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実際のところスタッドレスタイヤの性能は、普段からタイヤを扱っている人間からしてもよくわからんのです。
確かにそれぞれ違いがあって、その違いも把握しているのだけれど、本当のところ「どいつが一番止まるんだ?」、「効きの差は?」、「効きの持ちの差は?」などなど疑問がある。
なぜ「実際のところ分からん」かというと、メーカー各社が同じ物差しで測定してくれないからだ。本来は低燃費タイヤの規格のように規格を統一し、物理的な値を同条件で測定して表記すべきなのだ。
しかし、条件は多く、氷の温度、氷の状態、気温、車、タイヤサイズ、空気圧、制動速度など様々なわけである。そして、転がり抵抗係数のような物理的な数値の算出でなく、極端に言えば各社が得意な条件で「何メートルで止まったぞ」と自画自賛しているに過ぎない。それをタイヤ公正取引協議会に届けカタログやWEBなどで公表するわけだ。そりゃ本当のことも分かるわけがないし、比較も出来ない。そんな中、今年は少し面白いことがあったので投稿してみる。


公表されている氷上試験

まずザックリ見て頂きたい。見ながら何が面白いのか考えて欲しい。


ブリヂストン

タイヤ銘柄ブリザック
ヴイアールエックス
BLIZZAK VRX
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温5.9℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.7m
タイヤ銘柄ブリザック

REVO GZ
車種マークエックス
排気量2,500cc
後輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ215/60R16
タイヤ空気圧230kPa
場所ブリヂストン北海道
プルービンググラウンド
路面状況氷盤
気温−1.2〜−1.1℃
路面温度−1.9℃
試験速度30km/h
制動距離24.4m

ヨコハマ

タイヤ銘柄アイスガード5プラス
ice Guard5 PLUS
iG50+
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温3.9~4.0℃
路面温度-1.6~-1.4℃
試験速度20km/h
制動距離13.0m
タイヤ銘柄アイスガード
トリプル プラス
iG30+
車種マークエックス
排気量2,500cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ215/60R16
タイヤ空気圧230kPa
場所T * MARY
氷上制動試験路
路面状況氷盤
気温-2.4 ~ 2.1℃
路面温度ー1.7 ~ー1.2℃
試験速度40km/h
制動距離69.3m

ダンロップ

タイヤ銘柄ウインターマックス
WM01
車種プレミオ
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧200kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温−6 〜 −11℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離29.6m
タイヤ銘柄DSX2
_
車種プレミオ
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧200kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温−6 〜 −11℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離33.3m

トーヨー

タイヤ銘柄ガリット ギズ
GARIT GIZ
車種カローラアクシオ
排気量1,500cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧210kPa
場所東洋ゴム
サロマ テストコース
路面状況データなし
気温−6℃
路面温度−7.6℃
試験速度40km/h
制動距離42.3m
タイヤ銘柄ガリット G5
GARIT G5
車種カローラアクシオ
排気量1,500cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧210kPa
場所東洋ゴム
サロマ テストコース
路面状況データなし
気温−6℃
路面温度−7.6℃
試験速度40km/h
制動距離46.8m

グッドイヤー

タイヤ銘柄アイスナビ
車種プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧前230kPa 後220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温ー3.7℃~ー5.1℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離42.5m
タイヤ銘柄アイスナビ
ZEAⅡ
車種プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧前230kPa 後220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温ー3.7℃~ー5.1℃
路面温度データなし
試験速度30km/h
制動距離46.9m

ミシュラン

タイヤ銘柄エックスアイス
XI3
車種シビック
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
?名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所士別寒冷地技術研究会
自動車試験場
路面状況氷盤
気温−2.2 〜 −4.9℃
路面温度−2.4 〜 −4.1℃
試験速度20km/h
制動距離9.58m
タイヤ銘柄エックスアイス
XI2
車種シビック
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
?名乗車相当
タイヤサイズ205/55R16
タイヤ空気圧220kPa
場所士別寒冷地技術研究会
自動車試験場
路面状況氷盤
気温−2.2 〜 −4.9℃
路面温度−2.4 〜 −4.1℃
試験速度20km/h
制動距離10.45m

おわかりいただけただろうか

ここまで見る気をなくす表を見て頂き、ありがとうございました。なんともバラバラで酷いデータ群だ。まったくもってけしからん。車種はおろか制動試験の速度すら合っていない。まるでメーカー各社が他社と比べられないようにしているようだ。
しかし、面白いと書いたのは、いつもバラバラのデータにある程度の共通点があったためだ。既に気が付いた方もいるかも知れない。あまりに見る気が失せる統一感のないデータのため気付かなかった方もいるかも知れない。

それでは並べてみましょう。

タイヤ銘柄ブリザック
ヴイアールエックス
BLIZZAK VRX
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温5.9℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.7m
タイヤ銘柄アイスガード5プラス
ice Guard5 PLUS
iG50+
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温3.9~4.0℃
路面温度-1.6~-1.4℃
試験速度20km/h
制動距離13.0m

アイスガード5プラスがブリザックVRXを超えている

おわかりいただけだろう。車種やタイヤサイズ、制動試験の速度、試験場所など多くの点が共通しているのである。しかも、業界トップでスタッドレスタイヤで最も信頼の厚いブリザックを擁するブリヂストンの最新タイヤVRXより、アイスガード5プラスの方が短い制動距離で止まっているのだ。今年ヨコハマはアイスガード5のパターンはそのままにコンパウンドを変更するマイナーチェンジを施した。実は関係者の話からヨコハマはかねてよりブリヂストンが新製品を出した次の年ないしは、その次の年に新製品をリリースしようと調整している節がある。「後出しでも良いのでトップを超えたデータを出したい」と考えているのかもしれない。故に2013年にブリヂストンによりテストされた条件にぶつけてきたと考えられる。細かい条件はお互い自社の得意な条件で行ったとしても、興味深い結果でVRXを超えたからこそ比較できる条件のデータを公表したともとれる強気なデータだ。

そう言えば、今年ヨコハマタイヤに呼ばれて行ったアイスガード5プラスの試乗会の結果でも「ある意味VRX超えたかもわからんね」なんてことをまとめに書いたけど、その裏付けがデータでも示されたと言っても良いのかな?というわけで、当サイトの見解としては、2015年時点で一番止まるスタッドレスタイヤはアイスガード5プラスだ。


ヨコハマ iceGUARD 5 PLUS詳細

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