ダンロップさんに試走会に呼んで頂きまして新ウインターマックス「WINTER MAXX 02」履いてきました!!
素晴らしいスタッドレスタイヤだったのでご報告します。個人的には結構好みだったわけで、その良さだったり使用に向いている方などを書いていきます。
ちょっとウィンターマックスのお話が続きますが2016-2017年新商品なので良しとして下さい。
例によって写真NGであってナビゲーターはチキンなので折角招いてくれたメーカー様の顔を立てるため写真はなしでお送りします。(ぶっちゃけお店で使う用にこっそり撮ったんだけども自主規制)
そんなわけで試走会場をタイトル画像で雰囲気を表現しましたが車はシルバーとか白とか画像のようにカラフルではありません。
試走条件
- 使用車種 :
- アクア(AT)
- 試走タイヤ :
- WINTER MAXX 02(以下WM02)
- 比較タイヤ :
- WINTER MAXX 01(以下WM01)、BLIZZAK VRX(以下VRX)
- タイヤサイズ:
- 175/65R15
- 空気圧 :
- 自動車メーカー標準空気圧(前230kPa 後220kPa)
- 路面状況 :
- 氷盤(スケートリンク)
- 路面温度 :
- -2℃~0℃
コース
●:三角コーン
コースはざっとこんな感じで、試走順はWM01、VRX、WM02で各タイヤ2周ずつしました。
スケートリンクなのでツルツルだし加速するのも難しい広さしかなく制限された中で上手く試走をする必要があります。尚且つナビゲーターはテストドライバーのように同じ条件で走ることが出来ないので完璧なテストからは程遠いですが、若い頃から毎年何度も雪山に行っているので冬道には慣れています。
➀加速テスト
左下からスタートしてエリアAで20km/hまで加速します。
タイヤが氷を掴んでいるかを感じつつ20km/hまでの加速感を確かめる。
➁制動テスト
ブレーキ地点でフルブレーキ(ABSあり)します。
エリアBのどこで止まるか比較します。因みに壁にブレーキ位置からの距離がメートル表示されていました。
➂自由走行
短距離ですが自由に走行テスト
エリアCでは敢えて目一杯多少ハンドルを切ることで横方向に無理な負荷をかけてみました。
➃スラローム
エリアDで蛇行運転テスト(速度は自由)
思い描いたラインでスムーズにスラロームが出来るかを確認しました。
感想
まずナビゲーターが走行した時点では、時間帯が遅かったためか氷の温度が高めになっており氷の表面に簡単に水膜が出来てしまうような状況でした。この為、吸水性能の高い発泡ゴム採用のVRXがかなり有利な状況でのテストになったと考えられます。その条件下での試走結果の感想です。
➀加速テスト
まず、自分が乗る前に他の方が試走している様子を横から観察していました。横から見ているとどのタイヤもかなり空転しており、滑りながら段々と加速していくのがよく分かりました。そんな中ではVRXが最も早く氷をとらえて前に進んでいきました。
実際に乗ってみても加速力が最も高かったのはVRXでフルブレーキ位置の手前で少し余裕を持って20km/hに到達していました。WM02もかなりしっかり路面に密着しているのを感じましたが若干VRXには劣る印象でした。WM02に乗った後に比較するとWM01は氷を掴むまでに時間がかかり中々加速していきにくく、ブレーキ位置で20km/hに到達するがやっとといったところでした。
➁制動テスト
全てのタイヤでしっかり氷を掴んでグググッっと効いてくれるのが分かりました。完全停止したところで壁の距離表示を見ると以下のようになりました。
- WM01:
- 8.2mで停止
- VRX :
- 7.0mで停止
- WM02:
- 7.5mで停止
縦方向の効きはVRXが最も高い性能を発揮したもののWM02も十分な効きを発揮し大きな差は出ませんでした。
※速度計がデジタルで空転などでメーターが安定せず正確に20km/hでブレーキングできたかはあまり自信ないことをお詫びしておきます。30km/hと思ったら次の瞬間10km/hだったりまいりました。
➂自由走行
短距離で少し加速しアクセルを離しハンドルを目一杯切ってみるとVRXはインへ入り切れずコースアウトしエリアCの地点「X」でコーンに接触してしまいました。WM01はVRXよりインへ切り込めたもののVRXより加速が足りなかった印象。その点WM02はVRXと同等に加速された状態でも大きく振り出されることなく踏ん張ってコーナリングが出来た印象を受けました。コーンへの衝突はありませんでした。
➃スラローム
どのタイヤも無理なくスムーズにコーナリングでき、概ね思い描いたラインをとれました。但しWM01はステアリングの舵角調整が何度か必要だったのと「Y」方向へ膨らみましたが、VRXとWM02はほとんど舵角調整がありませんでした。敢えてWM02とVRXの差を挙げれば、VRXはコーナリング初動で少しタメがあってからグイッと食いつき曲がる感覚に対し、WM02はゆったりとした弧を描いて曲がっていける感覚でした。
座学で体験したこと
ゴムの劣化試験
WM02になってから配合された「しなやか成分」の効果を体験しました。簡単に言えば、過熱して圧力をかけて変形を繰り返しオゾンなどにさらして加速劣化を促進させたゴムのサンプルを劣化前と硬さを比較しました。
- ➀しなやか成分なし:
- 明らかに硬化していた
- 試走タイヤ :
- WINTER MAXX 02(以下WM02)
- ➁しなやか成分あり:
- 柔軟性にはほとんど差がなかった
ゴムの摩耗試験
発泡系のゴムとWM02の高密度ゴムをやすりで削り摩耗度の比較をしたところ、当然WM02のゴムの方が摩耗に強いという結果が出ました。以前DSX2で採用していたようなグラスピックなどの添加材を入れたゴムも別種の素材との接合面が弱く、そこから破壊が進むのでWM02のゴムより摩耗が早く進みます。
まとめ
試走で分かったこと
➀WM02の氷上制動性能は非常に高くカタログ通りWM01より1割ほど上がっていた。
➁縦方向の効きはVRXの方が僅かに良かった。
➂コーナリング性能はWM02が優秀だった。
座学で分かったこと
➃ゴムの劣化がゆっくりになった。
➄摩耗に強い。
何よりしっかりした乗り心地でフワフワしないのがナビゲーターの好みでした。乾燥路でも夏タイヤに近い安定感のある走行性能を発揮してくれるでしょう。
今回のテストでは分からなかったWINTER MAXX 02の特徴
➅乾燥路での走行でも高い走行性能と高速性能。
向いている方・車種
➀スタッドレスのフワフワ感が不快と感じる。
➁高速走行が多い。
➂沢山走る。
➃アクセルをグイグイ踏んじゃう。
➄重い車、パワーのある車に乗っている。
➅欧州車に乗っている。
➆ハイブリッドカーに乗っている。
➇ミニバンに乗っている。
タイヤは結構な出費なのに試用出来ないからいつも選択に困ってました。なのでこちらのサイトは大変参考になりました。