タイヤは一体いつ交換するのが正しいのか?溝がどこまで減ったら換え時なの?あまり走らないので、いつまでも溝が残っているし、使い続けて良いの?などの声はよく聞きます。正しい交換のタイミングを知って、安全はもちろん損をしないようにしましょう。
残り溝からの交換目安
残り溝1.6mmになったタイヤの公道走行は法律で禁止されています。これは残り溝が1.6mmを切ったタイヤでは、濡れた路面での制動距離が急激に長くなるためで、必ずその前に交換しなければなりません。
確認方法
スリップサインと呼ばれる残り溝1.6mmを知らせる目印で確認できます。スリップサインが繋がったタイヤは公道使用禁止で、当然車検も通りません。一箇所でも繋がったら使用禁止なので画像3の場合も交換が必要です。
更に言えばBMWなどは上のようにスリップサインの約倍にあたる3.0mmの残溝でのタイヤ交換を推奨しています。3mmというと上のグラフでも80km/hで制動距離が伸び始めるところです。時速200kmで走るドイツならいざ知らず、日本でそこまでの必要はないように思いますが、ドイツ車ディーラー故でしょうか。
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使用開始から満3年経過
使用状況やお使いのタイヤなどにもよるので一概には言えませんが、一般にタイヤメーカーは使用から3年経過で交換の検討を推奨しています。そして、メーカーサイトを見ると「使用から5年以上経過したタイヤは直ちに点検してください。」といった強めの記述があり交換の必要性を強くにおわせます。ナビゲーターの経験上で言えば3年経過からウェットグリップの悪化、ノイズの増加が気になり、高速道路での不安感が出始めます。ナビゲーターは貧乏なので出来るだけ使いたいのですが、4年を超えると雨の日などで滑る感覚が顕著になるため、安全面での不安感に耐えられなくなります。
使用年数が不明の場合はタイヤに刻印されている製造年週がヒントになります。
使用年数が不明の場合はタイヤに刻印されている製造年週がヒントになります。
確認方法
タイヤ側面にある下の画像4のような刻印で確認できます。1か月は約4週であるので、画像4では、上は2015年の10月頃、下は2015年の5月頃に製造されたタイヤであることが分かります。製造して直ぐに販売されるわけではありませんが、製造からの経過年数が3年を大きく超えている場合は交換を検討する一つの指針になります。
※方向性指定のタイヤは車体に装着されている状態では片側は見るのが困難です。
※インサイドアウトサイドパターンのタイヤで中国メーカーなど一部でインサイド側に刻印があるタイヤは車体に装着されている状態では見ることは困難です。
その他の目安
タイヤ側面やトレッドにヒビが入ってきた
ヒビはゴムの劣化の分かりやすいサインです。路面との接地面であるトレッドのヒビはゴムの硬化によるグリップの低下を意味しており、交換時期の目安になります。しかし、それより怖いのは側面のヒビです。タイヤ側面は構造が薄く弱い為、バーストなど致命的な事態になりやすく心配な場合はタイヤショップなどに相談してみるのも良いでしょう。
音がうるさくなってきた
路面との接地面であるトレッドのゴムのしなやかさが失われているサインです。想像してみてください。ゴム製のハンマーで地面を叩いてもうるさくありませんが、それがプラスティックのハンマーであればカチャカチャとうるさいのが容易に想像できると思います。元々しなやかであったゴムがプラスティックのように硬くなっており、当然グリップ性能も落ちているのでタイヤからの交換サインであると言ってもいいでしょう。
高速道路の走行で違和感があった
高速道路を走行した際に「前と違う」といった違和感があった場合も重要な目安です。グリップ性能の低下はブレーキ性能だけでなく、高速走行時の不安定さを生みますし、車線変更などでのフラつきに繋がります。普段は気づきにくいような変化が高速走行時には顕著に感じ取られるため、違和感に繋がるケースが多くあります。