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ヨコハマのスタッドレスタイヤ「iceGUARD 5 PLUS(アイスガード5プラス)」は買いという理由

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今年発売されたヨコハマタイヤの最新スタッドレスタイヤ「iceGUARD 5 PLUS(アイスガード ファイブ プラス)」に試乗してきました。
その上で、結果から言えばコイツは「買いだ!」と感じたので、試乗した評価と感想を以下に述べていきます。

試乗環境

場 所:スケートリンク
路 面:まさにツルツルのミラーバーン
自動車:30プリウス
比 較:ブリヂストンBLIZZAK VRX(ブリザック ブイアールエックス)
    ヨコハマiceGUARD 3 PLUS(アイスガード トリプル プラス)
コース:スラローム、旋回2周、時速20kmからの制動
温 度:路面-0.5℃、気温2℃(共にヨコハマタイヤ営業担当の公表値)
その他:タイヤは全て新品
    空気圧は全車プリウスの標準空気圧(前230kPa、後220kPa)であることを代表者が確認

試乗しての評価と感想

走り出し

iceGUARD 5 PLUS

ゆっくりとアクセルを踏み込んでいくと、完全停止からの立ち上がりこそ若干空転した感覚はあったものの、動き出してからは非常にスムーズに増速しました。

VRX

iceGUARD 5 PLUSと同様の挙動で共に同点レベルでした。

iceGUARD 3 PLUS

かなり気を使って増速させてあげたものの、これ程過酷な路面状況なので仕方ないでしょう。むしろ前者2タイヤの実力が非常に高かったということです。

iceGUARD 5 PLUS VS VRX

明確な違いは感じられませんでした。双方ともに十分な性能でした。

スラローム

iceGUARD 5 PLUS

低速でのスラローム走行も案外思ったラインで走行できました。指示された速度より少し増速してみたら、やはり少し膨らみましたがこの路面状況なら致し方ないところです。
速度を戻しハンドルを切り直して立て直しました。

VRX

iceGUARD 5 PLUSと概ね同じ挙動でしたが、VRXの方が負荷がかかった状態でタイヤの変形が若干少なかったように感じました。おそらくはVRXの方が骨格がしっかりしていてコシが強いのではと考えられます。
指示された速度より少し増速してみたら、やはり少し膨らんだ為、速度を戻しハンドルを切り直して立て直しました。

iceGUARD 3 PLUS

前者2タイヤに比べ、膨らんでしまうため速度を落とさざるを得ませんでした。

iceGUARD 5 PLUS VS VRX

iceGUARD 5 PLUSとVRXはスラロームでの氷上性能は互角レベルでしたが、中高速時にはiceGUARD 5 PLUSのコシの弱さが出るかも知れません。

旋回2周

iceGUARD 5 PLUS

低速での旋回走行をしてみると膨らんでいきません。ほとんどハンドルを切り直す必要がありません。なるほど、ヨコハマはこれを体験させたかったのでしょう。
実はこの旋回は昨年の試乗会のコースにはありませんでした。正に横滑りに強くなったのが今回の目玉のひとつというわけでしょう。
横滑り防止装置の点灯は数回ありましたが、ハンドルの切り直しは舵角調整レベルでしっかり回れました。

VRX

旋回2周目に入ったあたりで外側においてあるコーンに車を接触させました。しかし、その瞬間速度メーターを見ると指示された速度をオーバーしていました。実は安心感があったため、調子に乗ってアクセルを踏み込んでしまったようです。
横滑り防止装置は常にパカパカと点いたり消えたりでしたが、やはり横方向への効きもよく流石の最新ブリザックといったところです。

iceGUARD 3 PLUS

明らかに滑っているので速度を上げるのも怖いし、細かくハンドルを切り直さねばならなかったためハンドルを握る手にも力が入り肩が凝りました。

iceGUARD 5 PLUS VS VRX

私が走った限りにおいては、横滑り防止装置の点灯は回数はiceGUARD 5 PLUSの方がVRXより少なく、且つiceGUARD 5 PLUSの方がコントロールがしやすいと感じました。というのも確かに滑ってはいるのですが滑り方が一定しているので舵角調整が最小限で済んだと感じられたからです。一方VRXは確かに効いていましたが、速度やハンドルの切れ角の僅かな差で効きが変わってしまうように感じられ、角調整の頻度が高かったように感じました。

時速20kmからの制動

iceGUARD 5 PLUS VS VRX とおまけ(iceGUARD 3 PLUS)

ドンとブレーキを踏むと、ABSがしっかり働き完全停止しました。iceGUARD 5 PLUSもVRXほとんど一緒でした。 iceGUARD 3 PLUSは車体1つ分以上先へ行ってしまいました。

前後も含めたブツブツ

こういったイベントでは常ですが撮影は禁止でしたので画像がなく申し訳ありません。何枚か撮ってやろうと思っていたんですが、周囲に十数人の営業マンがいて滑りやすい足元の中で隠し撮りは、私がチキンハートでなくとも不可能だったでしょう。(決して私がチキンだったわけではないと信じたい)
タイヤに関わるものとして、ブログネタでなくとも撮影したかったのは「タイヤの側面」です。何故なら、スペシャルタイヤ(見た目で分からなくても側面の製造コードなどに違いがあると考えられる)があり得るからで、今回のタイヤはそれを疑いたくなるほど良かったからです。限られた関係者のみの試乗会でも、社に帰れば販売責任者であったり販売スタッフなわけですから、当然その店での販売本数に大きく影響します。また持って帰った感想が良ければ試乗をしていない販売スタッフも話を聞き販売が促進されます。つまり試乗者を味方につければお店を味方につけたと同じと言えるわけです。
そんなわけで、後ほど私のお店のエリアの営業所長に「先日はありがとうございました。良かったですよ」なんて話をしながら、「スペシャルですか?」なんて鎌をかけてみましたが「がっはっは、うちにはそんなのないですよ」とのことでした。信じて良い表情と返答だったと感じました。海千山千の所長職ですから私などコロリと騙されているのかも知れませんけれど…アイスガード5プラスがVRX超えたかもわからんね。

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スタッドレスよさようなら。ピレリからオールシーズンタイヤ発売

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日本で購入できる本格的なオールシーズンタイヤと言えばGOOD YEAR(グッドイヤー)のVector 4Season(ベクターフォーシーズン)くらいでした。
しかし、今年2015年、イタリアのタイヤメーカーでF1のオフィシャルサプライヤーであるPIRELLI(ピレリ)から本格的なオールシーズンタイヤが発売されました。本国では既に発売されていたCintuRato All Season(チントゥラート オールシーズン)が日本上陸したのです。


オールシーズンタイヤのメリット

一言で言えば1セットを履きっぱなしで、1年中済んでしまうってことです。年2回の面倒な履き替えも、タイヤの置き場も必要ないのです。
費用面でも夏用タイヤとスタッドレスタイヤ合わせて2セット用意する費用は大きく年2回の履き替え費用もバカになりません。これらがかからないのです。
豪雪地や凍結の多い地域ではスタッドレスタイヤは必須となるものの、準降雪地域であれば年に数回の雪の為にスタッドレスタイヤを用意するのは費用面でも場所や手間の面でもつらいものです。そんな煩わしさから解放してくれるのがオールシーズンタイヤです。


各タイヤの特性

allseason_performanceimage

オールシーズンタイヤは夏の暑い路面でも冬の雪の路面でもしっかり走れ、スタッドレスほど雨にも弱くありません。ドライやウェットはサマータイヤには敵いませんし、雪道や氷はスタッドレスには及びませんが、どちらにも対応できます。


CintuRato All Seasonの性能

cinturatoallseason_tech技術的には「コンパウンドの温度帯」、「横溝と方向性パターン」、「多サイプによるエッジ効果」によってオールシーズンタイヤとしての効果を発揮します。また一部サイズで「シールインサイド」も採用されています。


温度帯

コンパウンドには最適な温度帯、いわば適正温度があって、一般的なもので夏用タイヤは7℃~50℃程度、スタッドレスタイヤは-25℃~10℃程度、オールシーズンタイヤは-8℃~40℃程度と対応温度帯を広めにカバーしています。それ故、スタッドレスタイヤは夏の路面で走ってモリモリ減ってしまい、逆に夏用タイヤは冬季の冷えた路面を走行するとコンパウンドが硬化して、急激にグリップが落ちてしまうのです。こんな理由から降雪しない地域であっても冬はスタッドレスタイヤの装着を勧める方もいますが、雨に弱いスタッドレスタイヤを降りもしない雪の為に履く人なんてレアですし、個人的はお勧めしません。
そこでです!オールシーズンタイヤなわけです。オールシーズンタイヤは熱い路面でも摩耗に強く熱でタレてしまうこともなく、冷たい路面でも柔らかさを保つことで、先の問題を大きく緩和してくれるのです。四季があり、様々な環境に変わる日本の道路はタイヤには厳しいのです。


横溝と方向性パターン

広い横溝が冬季の雪道で雪を押し固め後方へ掻き出すことで駆動力を生み出します。これにより雪道であっても安定した走行ができます。
夏季も広い縦溝と矢印状の方向性パターンで効率よく水を逃がすことで、昨今の日本の異常な雨でも安心して走行できます。


エッジ効果

レンガ積みの壁のようなパターンの細かいサイプが切られており、前後左右にエッジ効果を発揮します。スタッドレスタイヤほど細かいものではなく、直線的なものなのでエッジ効果としてはやや弱く、いわゆるスノータイヤのようなパターンです。
浅雪、積雪や圧雪路面のような状況であれば十分に走れます。但し、凍結した路面では滑ると考えた方が無難です。


シールインサイド

オールシーズンタイヤの性能とは関係がないので、本来ここで触れる内容ではなく導入程度にしておきます。
釘など異物が刺さってもタイヤ内面に貼られた粘性膜によって空気漏れを防ぐ技術で、フォルクスワーゲンパサートなど一部車種の純正タイヤに採用されています。
シールタイヤ(コンチシール)について








印象と評価

見て触れてカタログを読み担当営業の説明を聞き、長くタイヤに触れてきたものとしては…なんやかんやで意外と良さそうだなぁという印象は受けました。乾燥路での試乗走行は可も不可もなく問題なく走れました。音が若干気になることと、多少ゴツゴツと硬めの乗り心地なので扁平タイヤで硬いタイヤが嫌いな方には向いてないかも知れません。ピレリのオールシーズンタイヤと聞いて、どこぞの量販店で見かけるオールシーズンタイヤを思い出す方もいるかも知れません。しかし、あの書いてあるだけで雪上性能などないも同然の古臭~いなんちゃってオールシーズンタイヤとは全く違ううことだけは確かです。とはいえ、上陸したてなので実際の性能は未知数な部分もあり、雪上性能などはこれから確認して追加報告します。


気になる高速道路の冬用タイヤ規制ですが、現状ではまだグレーですが販売促進の為にも各署に申請をしているようです。因みにグッドイヤーのベクターフォーシーズンは申請をクリアしたようで公式サイトで確認できます。


私のお店でも取り扱いを始めましたが、まだまだ入荷がマチマチでサイズが揃わない状態なので、今のところネットでも購入が難しいサイズが多いようです。(2015年10月18日現在)

 

因みに生産国ですが、手元にあって確認できるものでは175/65R15、185/65R15、195/65R15はトルコ、215/65R16はルーマニアでした。

 

2016年1月24日追記

先日の雪は各地に混乱を招きましたが、それによりチントゥラートオールシーズンの感想がいくつか聞けましたのでご報告します。

 

感想を教えてくれた方々の車のスペックなど

ケース1
地域:東京都
車両:VOXY
感想:雪に慣れていないので多少ビビりながら速度を抑えて走行したが、雪上は問題なく走れた。大通りから裏道へ入ったところで少しテールが流れて滑った感じがあったものの、それ以上流れることはなく直ぐに立て直せた。信号での停止も安心感があり横のスタッドレスタイヤを装着していた車に遜色なく止まった。乾燥路での走行はちょっとうるさいと感じるがタイヤホイールを1セット保管しておくスペースもないので多少のことは我慢ですね。

 

ケース2
地域:神奈川
車両:プリウスα
感想:早朝に通勤なので多少凍結していて走行できるか心配だったが出社できた。車間距離は十分にとっていたので圧雪され凍結がひどかった信号でも問題なく停車できた。しかし、赤信号で停止したまではよかったが発進時かなり空転した感覚があった。長い上り坂では立ち往生している車を横目に見ながら悠遊登り切りましたが、途中で止まっていたらどうかなという心配は残った。

 

今回のご報告はこれだけ、またお客さんから話が聞けたり、自分で乗る機会を得られたら報告します。

 

タイヤサイズ

現在販売されているタイヤサイズはこちら

インチタイヤサイズkorogariTeiko26wetGrip26備考
17225/45R17 94W--1
225/50R17 98W--1
205/50R17 93W--1
16215/55R16 97V--1
205/55R16 91V--
205/55R16 91H--
195/55R16 87V--
195/55R16 87H--
185/55R16 83V--
205/60R16 92V--
215/65R16 98H--
15185/55R15 82H--
185/60R15 88H--1
165/60R15 77H--
195/65R15 91H--
195/65R15 91V--
185/65R15 88H--
175/65R15 84H--
14175/65R14 82T--
165/70R14 81T--
備考1.エクストラロードタイヤです。
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