5.低燃費タイヤの隠れたメリット
低燃費タイヤはその名前から燃費のことだけに目がいってしまいます。しかし、実は隠れたメリットが存在するのです。
5-1.発進が軽快になる
低燃費タイヤはよく転がるタイヤで抵抗が少ないと前述しました。つまり進もうとするのを邪魔する力が弱いということです。これにより例えば軽自動車などエンジンの力が制限された車でも抵抗少なく走り出しからスーッとスムーズに発進します。
5-2.ハンドルが軽くなる
これも抵抗が弱いことに起因しています。抵抗が少ないので地面との摩擦が少なくハンドルが簡単に切れるのです。欧州車などハンドルが重めに設定されている車では女性やご年配の方には少し辛く感じることもあるかも知れません。低燃費タイヤならハンドルが軽くなり車庫入れなどが楽になります。
5-3.ウェットグリップが高い
例えばウェットグリップ性能’c’と聞くと如何にもグリップが弱そうです。しかし実際には一昔前のタイヤでは’d’以下のものも多く、実は’c’はそれほど低くはないのです。最近はウェットグリップ性能’b’以上のものが多くなっており低燃費タイヤを履くと、ウェットグリップ性能も改善されるケースが多いのです。
6.低燃費タイヤを生かした運転をしよう
折角低燃費タイヤを履いても、それを生かした走りをしなければ十分な効果を発揮できません。十分な効果を発揮するために低燃費タイヤを生かした運転をご紹介します。
6-1.惰性を上手に使う
前方で信号が赤になったのを確認したら、アクセルを抜いてください。よく転がるタイヤなのでいつまでもアクセルを踏まなくても惰性で結構長く進んでくれます。常にこの惰性を意識し、上手く使ってあげることが最も大きなポイントです。
6-2.ブレーキを踏まない
前方に赤信号があるのにブレーキを踏まない。やめてください死んでしまいます。そういう意味ではありません。ブレーキを踏むということは折角前に進むために使ったエネルギーを捨てるということです。ブレーキを踏まない運転というのは無駄なアクセルを踏まない運転という意味です。無駄なアクセルを踏むから無駄にブレーキを踏む、ガソリンを捨てているのと同じです。そうならない為には、まず速度に合った車間距離をとることです。そして車間が詰まったらブレーキ操作でなくアクセルを抜いてあげることで車間調整をしましょう。こういった運転は早い反応が必要なので、スマホを見ながらの運転などは燃費を落とします。
6-3.2台前のブレーキランプを見る
前述のブレーキを踏まない運転に繋がっていますが、急激に車間が詰まればブレーキを踏まざるを得ないわけです。それを最小限にするためには、すぐ前だけでなくもう1台前まで見ておくと対応が早くアクセル操作である程度対処が出来てしまいます。
6-4.摩耗を抑制する
低燃費タイヤになって、全体的には摩耗に弱くなった傾向にあります。燃費を上げても、タイヤの交換スパンが早くなり、同じ期間でかかるタイヤの費用がそれより多くなれば意味がありません。摩耗を抑制して少しでも長く使うことで経済性が上がります。摩耗を抑制するために以下のことに注意しての運転をお勧めします。
タイヤに大きな力がかかれば当然摩耗が進むので、これを緩和するのが先に挙げた3点に注意して運転することです。これらに加えて急加速や急ハンドル、急ブレーキなど急と呼ばれる操作は避けられる限り避けるべきです。また車を動かさずにハンドルを切ってしまういわゆる「据え切り」は非常に片減りを進めるので少しでも車を動かしながらハンドルを動かしましょう。