止まらないタイヤホイール値上げ、あなたはどうすべきか

Pocket

1.概要

2022年は多くのものが値上げラッシュの年になっています。春に値上げされたばかりなのにタイヤメーカー、ホイールメーカー各社が続々と更なる値上げを発表しています。
主な原因は原油やアルミインゴットなどの資源高騰と為替レートでしょう。特にホイールメーカーは為替の影響が大きいため1ドル100円が140円近くになり、各社設定していた見込みの為替レートを大幅に上回ってしまったことでしょう。しかも、原材料費高騰も為替レートは短期的に戻ることは考えづらい状態です。戻る見込みがないならメーカーも我慢はできずに値上げというところでしょう。

2.各社の値上げ日

2022年秋の各社の値上げ時期です。

タイヤ

夏用値上げ時期冬用値上げ時期値上げ幅
ブリヂストン9月1日9月1日3~8%
ダンロップ
ファルケン
9月1日9月1日2~8%
ヨコハマ10月1日10月1日最大8%
トーヨー 2023年1月1日2023年1月1日最大10%
グッドイヤー未発表未発表未発表
ミシュラン
BFグッドリッチ
10月1日10月1日最大8%
ピレリ未発表7月1日平均7%
コンチネンタル未発表未発表未発表

ホイール

値上げ時期値上げ幅
ビービーエス(BBS)未発表未発表
ウェッズ(weds)未発表未発表
レイズ(RAYS)7月1日受注分より未発表
ワーク(WORK)8月22日受注分より未発表
エンケイ(ENKEI)10月1日出荷分より未発表
ホットスタッフ(HOT STUFF)9月1日受注分より未発表
BBSとwedsについては噂は聞こえてくるので上がるのは間違いなさそうですが、時期などの公式発表はまだありません。

3.影響

必需品であるタイヤの値上げは非常につらいところです。主に嗜好品と言えるドレスアップホイールは春の値上げでは意外に売れ行きは落ちなかったようですが今回はどうでしょうか。しかし、あくまで嗜好品なので全ての人に影響が出るわけではありません。
これから最も大きな影響が出るのはスタッドレスタイヤホイールセットでしょう。タイヤの値上げはもちろんのこと、非常に高くなっているのはスタッドレス用の廉価アルミホイールです。ナビゲーターのお店では14インチでも去年より1本1,000円以上高い仕入れ価格で、こんなの20年以上もこの業界にいて初めてのことです。スタッドレスタイヤホイールセットはおそらく昨年の販売価格の2割高程度になりそうな気がします。ただでさえ高いのに、それが2割高って、ナビゲーターのような庶民には到底受け入れられません。が、そうなるでしょう。

広告

4.一部メーカーは先に動いている

一部のメーカーは値上げ前に買いませんか?と営業に回っています。ナビゲーターのお店でもスタッドレスもアルミホイールも先行で予約発注したり、昨年の生産品を先に仕入れて少しでも安いものを確保したりしています。
またアルミホイールに比べて影響が限定的なスチールホイールも確保しています。どうしてもスタッドレスタイヤが必要だけど、「そんな値段じゃ買えないよ」という人を少しでも減らす努力をするお店は多いでしょう。しかし、それでも昨年より高い値段で購入することになりそうです。

5.夏用タイヤの交換時期が迫っている方

値上げの直前まで粘らないでタイヤの予約だけでも早めに入れてしまった方が良いと考えられます。交換は1,2か月程度ならお店の迷惑にならなければ待ってもらえるでしょう(無理を言ってはダメですよ)。
今後も上がることはあっても戻ることはないでしょうし、直前になるとお店も幾らかは買いこむこともあり、品薄で入荷が値上げ後になることもあるからです。
また、この業界にいると値上げ前に欠品と言っていたものが値上げしたらすぐ入荷するなど過去何度も売り渋りがあったのではと疑われることを経験しています。それゆえ値上げ近くになると手に入らないなんてことにならないとも限りません。

6.昨年以前の製造のものを購入

夏用タイヤは基本的に昨年製造であっても出荷価格は変わりません。しかし、スタッドレスタイヤについては昨シーズン用に生産したものが残っているお店やメーカーは安く仕入れたものや製造したものを持っていて、それを狙えば昨シーズンくらいの価格で購入することが出来るかもしれません。当然、数に限りがあるので早い者勝ちということになりますけど。
昨シーズン用に生産されたタイヤの劣化が気になるという方は以下の記事を読んでみると幸せになれるかもしれません。
未使用状態のタイヤの保管期間と性能低下についてハッキリさせようじゃないか
車種が変わってしまったのでホイールごと買い替えなければと考えている方はホイールだけでも使える可能性があるのでショップに相談してみると良いと思います。その際、1本だけで良いのでホイールをお店に持って行ってみてもらうと確実です。(ホイールの裏にサイズの打刻があるため)

7.オールシーズンという選択肢

東京のような準降雪地域でスタッドレスを使っている方の多くは実はオールシーズンタイヤで事足りるかもしれません。凍結を除けば冬道も概ね問題なく走れてしまうので一度試してみる手もあります。どこまでいっても夏は夏タイヤに勝てませんし、冬はスタッドレスタイヤにかないません。しかしともに逆なら勝てるわけで経済的も有利ですので一考してみてください。
オールシーズンタイヤのメリットとデメリット

8.まとめ

・またタイヤもホイールも上がります。
・原材料費高騰と為替の影響であり、戻る見込みはほぼない。
・値上げ幅は大きく特にスタッドレスタイヤホイールセットは深刻。
・夏タイヤはタイヤの予約だけでも早めにした方いい。
・スタッドレスタイヤは気にならない方は昨シーズン用に生産されたものも視野に。
・車種変更して買い替えの方はホイールだけでも使えないか確認する。
・この機にオールシーズンタイヤも検討されては?


Pocket

日本で欧州タイヤが買えなくなる日

Pocket

1.前置き

ちょっとセンセーショナルな記事名ですが、冗談で言っているわけではありません。
日本でもタイヤメーカー各社が続々と値上げをしたのはご存じの方も多いと思います。
値上げは分かるけど何で買えなくなるのよ?というところをお話していきます。

2.春の値上げの理由

まずおさらいですが、なんで春先の値上げが起こったのでしょう。
➀中国のような巨大国家が大量消費をはじめたことで、世界的に原材料の取り合いが始まった。
➁新型コロナウイルスに端を発し、生産そのものの絶対量が足りていない。
➂同じく、物流費が高騰している。 更に中国から出る船は賄賂をもらった荷から先に出るような状況との話まで耳にする。
※アメリカが中国への経済的対抗措置(嫌がらせ)でコンテナを返さないため、中国の輸出用コンテナが足りないとも言われている。
➃社会が正常化を始め、人は動き始めたけれど一度止まったものを元の速さに戻すには時間がかかる。消費が始まっても生産も物流も追いついていない。

3.解消するのか

前章の問題は短期的に解消するのでしょうか?
➀中国の大量消費は日本を含めた資本主義国家にとって物が売れるので望むところ。解消などしないでしょう。
➁生産量は徐々に回復していますが、全く絶対量が足りません。半導体不足などで今後製造機器にも影響が出て悪くなる可能性も残っています。
➂物流は正常化するだけでも少なくとも2~3年はかかると言われています。
つまり、簡単に解消しそうにないということになります。

4.更に悪いことが起きた

ここまででも十分悪い状況にあるのに悪いことというのは続くものです。
➀中国のゼロコロナ政策の継続
中国はいつまでもゼロコロナから舵を切りません。未だにロックダウンなどをしていれば生産や物流が正常化などするわけがありません。中国が生産している原料は不足し高騰しています。
➁ロシアのウクライナ侵攻
言わずと知れたことですがタイヤは石油製品ですので、世界的な原油価格の上昇はタイヤ価格高騰とイコールです。
圧倒的に中国のシェアが大きいもののカーボンブラックなどもロシア製のものが多くあり価格を押し上げています。
ヨコハマタイヤなどもそうですが、ロシアにあるタイヤ工場は相次いで操業停止しています。
➂円安
1ドル100円が130円になんて単純に日本が買うものの値段が3割上がるわけですから言わずもがな。アメリカは利上げ、日銀は金融緩和ですから更に円安が進んでもおかしくないでしょう。
➃投資会社・投資家
投資会社や投資家が悪いといっているわけではありません。儲かるなら買うのは金融としては当然なので、根本的にはモノ不足が悪いわけです。しかし、原材料費値上がりに拍車をかけているには違いありません。

5.モノの値段はどう決まっているか

前章の問題は短期的なものでも解消に数年かかりそうですが、それでも解消しそうなものはまだマシと言えます。ここからお話することは解消しないどころか悪くなっていくばかりの問題です。
ここで中学生の社会の授業を・・・
それは皆さんには必要ないでしょうが、モノの値段って需要と供給で決まっていると教わりましたよね。正常系ならモノの値段って買ってもらえる値段で決まっているわけです。つまり製造物流コストなどに儲けを上乗せしてという風には決まっていません。コストが100円でも1000円で買ってくれる人には1000円で、200円でしか買ってくれない人には200円で売られます。変に思う方もいるかもしれませんが事実です。
例えば皆さんご存じ100円ショップのDAISO、平均年収が45万円ほどのベトナムホーチミンでは約200円ショップです。え?って思うかもしれませんが買う人がそれだけの値段を出しても良いと思えば、それが市場価格になるわけです。ビッグマックの値段で各国の経済状況をみるビッグマック指数はあまりにも有名ですよね。

広告

6.変化が起きている

先の章で正常系ならと前置きしましたが、通常の生産能力が十分な状態であれば、少しでも儲かるなら安くても様々な人に売ります。利益を上げるのが企業の根幹ですから利ザヤが薄いところでも採算が合えば売るわけです。
では現在のモノ不足の状態ではどうでしょう?全員にいきわたらせるには十分な量が用意できないのですから、「高く買ってくれる人にだけ売る」となります。そしてモノ不足は13億人の中国が大量消費社会の一員になった以上、これからも続くでしょう。
日本では長らく給与水準が上がらないのだから安値が常態化してしまっているのは仕方ないでしょう。しかし、世界的にモノ不足で物価が上がっているのに日本だけそのままというのは無理があります。

7.欧州タイヤの現状

欧州は2割から5割ほどタイヤの価格が上がっています。更に高いタイヤ、儲かるタイヤを中心に製造しています。極端に言えば、「言い値で買ってくれないなら買わなくて結構です」といったわけです。
そして、当然と言えば当然ですが、優先的にお膝元で消費しています。足りないのに「安くしか買ってくれない極東の島国に売ってる場合ではない」わけです。
それ故、タイトルの通り「日本で欧州タイヤが買えなくなる」につながります。

8.今後どうなるか

だいぶ脅かしましたが、幸いにしてトヨタ自動車など巨大自動車メーカーがあるため、新車付けタイヤなど完全に背を向けられることはないでしょう。しかし、市販向けタイヤは現状でも1000本リクエストして100本未満しか入らないような状況が続いているようですし、今後も十分な供給があると思うのは楽観的過ぎるでしょう。
また、今後は日本のタイヤメーカーでも同じようなことが起こる可能性はあります。現にトーヨータイヤは何年も前から北米を中心とした海外に軸足を移しているのは業界では周知の事実です。タイヤに限らず農産物、例えば果物だって一等品は海外に持って行ってしまっています。中国に持っていけば「青森りんご」が1個2500円で売られており、贈答品なら1個何万円で売られているものもあるわけですからね。円安ならなおのことです。

まとめ

・世界的な原材料の高騰、不足が起きている。
・需要に対する生産能力が追い付いていない。
・物流の回復もまだまだ時間がかかりそう。
・円安は今後も続きそう。
・世界標準より物価が安い日本にはタイヤが回ってこない可能性がある。
・手に入らないまではいかなくても更なる値上げの可能性は十分ある。
・円安のせいで、並行輸入品やアジア系の安いタイヤの値段も大幅に上がっている。
何年も前からタイヤに限らず、こういう日が来ることは分かっていました。それが「いつ来るのか?」が分からなかっただけです。そして、いま実際に起こってしまったわけです。冒頭にも述べましたが冗談抜きに欧州タイヤはかなり買いにくくなる可能性があります。現状でもメーカー欠品だらけです。
終始暗い話になってしまいました。しかし、日本には幸いなことにブリヂストンをはじめとした世界トップレベルのタイヤメーカーが幾つもありますから、そこまで悲観することはありません。今後もタイヤの値段は高くなるでしょうけれど、最悪の「手に入らない」とまではいかないでしょう。
当サイトでは今後もできる限り見て頂いている方が良いタイヤをお得に選ぶお手伝いを頑張っていきます。
本当は給料が上がるのが良いんですけどねぇ。そして「頑張れば欲しいものがちゃんと買える」これが一番です。ナビゲーターの会社も給料上げてくれないかなぁ・・・

Pocket

いつ?!タイヤ値上げの春

Pocket

1.概要

タイヤメーカー各社が続々と値上げを発表しています。
主な原因は原材料費の高騰と物流費の高騰です。
タイヤは石油製品ですから原油価格が高騰しているのはもちろんのこと、カーボンブラックやシリカなどの添加材料も軒並み高騰しており、タイヤ価格が上がるのは当然と言えます。
物流費についても世界中で船もコンテナも足りていない状況ですし、働き手も足りていません。また物流には燃料を使うわけですから、こちらも物流費を押し上げる原因になっています。
中国の台頭による消費の増加とそれに伴い、原料などが投機対象になっているのも一因です。
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響も非常に大きく物流が正常化するには数年かかると言われていますよね。
世界全体でいえば、給料は上がって物価は上昇しています。日本だけ給料も上がらず、物価も上がらずの状況に無理が出ているのもあるでしょう。タイヤは世界に同等のものが流通しているわけですから、いつまでも日本だけは安くというわけにはいかないでしょう。

2.各社の値上げ日

2022年の各社の値上げ時期です。トーヨーは既に上がっていますが、冬用タイヤの繁忙期明けでいきなり値上げは販売店のコンピューターや店内値札など対応できないとクレームが入っているようです。
他社と比べてもやや勇み足だったようで、一時据え置きしているようですが2月1日からは上がるお店が多そうです。

夏用オールシーズン冬用
ブリヂストン4月1日4月1日4月1日
ダンロップ
ファルケン
3月1日3月1日4月1日
ヨコハマ4月1日4月1日7月1日
トーヨー 1月1日1月1日1月1日
グッドイヤー2月1日2月1日2月1日
ミシュラン
BFグッドリッチ
4月1日4月1日8月1日
ピレリ2月1日2月1日2月1日
コンチネンタル4月1日4月1日4月1日

3.各社の値上げ幅

各社の乗用車及びライトトラックタイヤの値上げ幅
ブリヂストン 7%
ダンロップ・ファルケン 約10%
ヨコハマ 最大9%
トーヨー 最大10%
グッドイヤー 後ほど追記
ミシュラン・BFグッドリッチ 平均7%
ピレリ 平均5%
コンチネンタル 平均5%

広告

4.買うべき人と買わなくてもいい人

各社かなり大きな値上げ幅ですがタイヤは買いだめしておけるものではないので誰でも早く買った方が良いというわけではありません。
具体的には今から半年以内に交換が必要な方は買った方が得。
そうでないなら、時期が来てから出問題ありません。
何故なら多くの方のタイヤの交換スパンは3~5年であり、間をとって4年の48か月としましょう。
値上げ幅はおよそ8%です
48か月×8%=約4か月
少し余裕を持って半年以内なら交換した方がお得でしょう。
勿論、走行距離などで人によって交換スパンは違いますから、上記を参考にご自身が交換した方が良いか判断してみてください。

6.まとめ

・全てのメーカーが春までに値上げするため必要な方は早めに購入すると良いでしょう。
・原材料費高騰や物流費高騰が大きな原因で、今後も上がる可能性があります。
・値上げ幅は結構大きいので買い遅れないように注意してください。
・半年以内に交換が必要そうな方は値上げ前の購入をお勧めします。


Pocket