ミシュランのフラッグシップタイヤと言えば「Pilot Super Sport(パイロットスーパースポーツ)」ですが、その後継モデルとして2017年4月より順次リリースされるのが本「Pilot Sport 4S(パイロットスポーツ フォー エス)」です。
※名前も似ていますが2016年4月に発売されたPilotSport4(パイロットスポーツ4)の後継ではありません。その上位互換です。
技術的な特徴
バイ・コンパウンド・テクノロジー
インサイドアウトサイドで異なるコンパウンドを採用しています。アウトサイドにはドライでのコーナリング性能に優れたコンパウンドを、インサイドにはウェット路面でしっかり食いつくコンパウンドを採用することでハイパフォーマンスカーの性能を最大限に引き出します。
ウルトラ・リアクティブ・トレッドパターン
ウェットを犠牲にしない程度に溝の割合を抑え接地面積を増やし、また接地圧を最適化することで負荷を分散しコンパウンドの破壊を防ぎ超高速域でも路面をとらえ続けます。
ダイナミック・レスポンス・テクノロジー
高強度で耐熱性に優れたアラミドとナイロンの合成ベルトを採用することでケース変形を抑え、高速時でも接地面積を確保します。
パイロットスポーツ4との違い
幾らかタイヤについて調べている方はサムネイルの画像を見てパイロットスポーツ4と同じパターンだと気付いたかもしれません。パイロットスポーツ4がフォーミュラEレースタイヤの応用の完成されたパーンであることもあり、確かにパターンは共通しています。では具体的にどこが違うのか?技術的な側面とユーザーとして感じられる違いの両面で記載していきます。
コンパウンド
パイロットスポーツ4は全面同じコンパウンドですが、4Sはインサイドアウトサイドに異なるコンパウンドが配置されています。
これによりパイロットスポーツ4と比較し、ドライウェットグリップ性能とも若干上昇しています。またより高速域のコーナリングなど厳しい走行下でも高い性能を発揮し続けます。
ランド比
先にパターンが共通していることに触れましたが、実は基本的なパターンは同じですが排水用のストレートグルーブ(縦溝)の太さに大きな違いがあります。接地面と溝の比率を表すランド比が2.6%も増しています。これにより単位面積当たりにかかる負荷が軽減されドライグリップ性能が上がるため、ドライバーは高速域でもタイヤがしっかり路面をとらえてくれることを実感し安定感のあるドライビングが可能になります。通常はランド比を増すことは必然的に排水溝を減らすことになりウェットグリップ性能が低下することになりますが、バイコンパウンドでより柔軟でウェットに強いコンパウンドを配置したことでそれを防いでいます。
ベルト
パイロットスポーツ4と同様のアラミドナイロンベルトを使用しているようでいて、共通の素材を使用しながら新技術の新たな繊維の編み方でより高い剛性を獲得しています。これにより高速域で更に変形を抑え最適な接地面積を維持し続けるため高い高速安定性を実現しています。
位置づけ
プレミアムスポーツタイヤでありウルトラハイパフォーマンスタイヤです。サーキット走行を楽しむことも可能ではありますが本懐ではありません。
他メーカー同格製品
PS4Sと比較した場合の比較を記載。
ブリヂストン POTENZA S001
快適性は高い。高速域での走行性能はやや劣る。摩耗は早い。
コンチネンタル ContiSportContact6(5P)
走行性能はほぼ同等。ウェットやや弱い。乗り心地がより硬い。摩耗は早い。
グッドイヤー EAGLE F1 ASYMMETRIC 3
ウェットと耐摩耗性は同等レベル。ドライはやや劣る。
ミシュランの他製品
・主にサーキット走行を楽しみたい。
⇒ミシュラン Pilot Sport Cup2
・性能を落としてももう少し価格を抑えたい。18インチ以下。
⇒ミシュラン Pilot Sport4、ミシュラン Pilot Sport3
・快適性能を求める。
⇒ミシュラン Primacy3
まとめ
➀非常に高い走行性能を持ったスペシャルなタイヤです。
➁ハイパフォーマンスマシンで19インチ以上なら第一候補となるタイヤです。
➂超高速域では抜群の走行安定性能を発揮します。
➃他メーカー同格製品と比較しても高いパフォーマンスを持ちます。
➄価格は安くはないですが並行品を通販で買えばかなりリーズナブルでしょう。