コンチネンタルの新スタッドレスVikingContact7(バイキングコンタクト7)発売決定

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先代のCVC6の発売から4年、コンチネンタルとしては比較的早いタイミングでの新スタッドレス「VikingContact7(バイキングコンタクト7)」のリリースとなりました。

 

製品名称

VikingContact7(バイキングコンタクト7)
最近のコンチネンタルの命名の流れで頭のContiは外れたようです。

 

時期

2018年9月1日より販売開始

 

技術的な特徴

新パターン

シリーズ初のディレクショナル(方向性)パターン「インテリジェント・パターン・デザイン」を採用しています。これにより高い排雪・排水性能を持ち氷雪、湿った雪、ウェットなどでも高いグリップ性能を発揮します。極限状況でもステアリング性能が向上しています。

 

新コンパウンド

最適化された「ノルディック・コンパウンド」を採用しています。配合されたシリカの効果により高い撥水性を持ち、低温の冬の路面でも高いグリップ性能を発揮します。
環境に配慮して菜種油を配合したコンパウンドは低温になっても柔軟性が保たれグリップ性能も保たれます。

 

バリアス・3Dサイプ

厚さの異なるサイプの採用で厚みのあるサイプには中に雪が入ることで雪柱せん断力が増大し、雪上路面でのトラクションとブレーキング性能を発揮します。

 

エフェクティブ・アイスエッジ

ブロックの倒れこみを防いでワイプ効果を維持し、ブロック外側に配置されている「エフェクティブ・アイスエッジ」により有効接地面積を増やすことで雪上性能を強化しています。

 

S-I ジョイント・コンポーネント、インターロック・ブリッジ

「S-I(ソリッド・リンケージ)ジョイント・コンポーネント(黄色部分)」により溝が倒れこみ潰れてしまうのを抑制することで排雪・排水性能を保ちます。
「インターロック・ブリッジ(青色部分)」ブロックの安定性を高めつつ柔軟性を保ちます。

 

デザイン


雪上での性能を担保するアルパインシンボルが刻印されています。雪の結晶と三角形を組み合わせたデザインが施されています。

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まとめ

・コンチネンタルのスタッドレスタイヤがモデルチェンジします。
・名称はVikingContact7(バイキングコンタクト7)です。
・発売は2018年9月予定で一部サイズは12月予定です。
・非対称パターンから方向性パターンへ変更されました。
・方向性パターンへの変更は高速走行での排水性を高めるためと考えられます。
・全サイズ速度レンジ’T’と国内メーカーの’Q’レンジより高い設計です。

 

サイズラインアップ

インチタイヤサイズ備考
20255/35R20 97T1
275/40R20 106T1
19235/35R19 91T1
255/40R19 100T1
245/40R19 98T1
235/40R19 96T1
255/50R19 107T1
235/50R19 103T1
235/55R19 105T1
18245/40R18 97T1
235/40R18 95T1,⑫
225/40R18 92T1,⑫
245/45R18 100T1
225/45R18 95T1
245/50R18 104T1
235/50R18 101T1
225/50R18 99T1
255/55R18 109T1
235/55R18 104T1
265/60R18 114T1,⑫
235/60R18 107T1
235/65R18 110T1
17245/45R17 99T1
235/45R17 97T1
225/45R17 94T1
215/45R17 91T1,⑫
225/50R17 98T1
215/50R17 95T1
205/50R17 93T1
235/55R17 103T1
225/55R17 101T1
215/55R17 98T1
235/60R17 106T1
225/60R17 103T1
215/60R17 100T1
245/65R17 111T1,⑫
235/65R17 108T1
225/65R17 106T1
16195/50R16 88T1
225/55R16 99T1
215/55R16 97T1
205/55R16 94T1
195/55R16 91T1,⑫
225/60R16 102T1
215/60R16 99T1
205/60R16 96T1
215/65R16 102T1
245/70R16 111T1
215/70R16 100T
15195/55R15 89T1,⑫
185/55R15 86T1,⑫
175/55R15 77T
195/60R15 92T1
185/60R15 88T1
205/65R15 99T1
195/65R15 95T1
185/65R15 92T1
175/65R15 88T1
145/65R15 72T
14175/65R14 86T1
備考1.エクストラロードタイヤです。
備考⑫.2018年12月発売予定
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・POTENZA S007A(ポテンザ エスゼロゼロナナエー)の横溝が気になる

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画像で見ていると意外と気が付かないけれど現物を見ると気になることが出てくることがあります。7月1日に発売されたブリヂストンのフラッグショップタイヤ「POTENZA S007A(ポテンザ エスゼロゼロナナエー)」にも気になることがあったので考察していきます。

 

百聞は一見に如かず

違和感を感じますか?

少し近づいて撮影してみましたが気になるところはあるでしょうか?更に拡大した画像が下です。(ともに画像クリックで拡大できます)

 

更に拡大

ナビゲーターが違和感を感じたのはここです。赤くマーキングした横溝と青くマーキングした横溝に注目してください。青のマーキングの横溝は深く切られており、これはよく見る普通の溝です。一方で赤のマーキングの横溝(?)は1mmあるかないかのごく浅いもので通常見られません。

 

横溝の役割

ここでタイヤの横溝の役割をおさらいします。
夏タイヤにおける横溝には主に2つの役割があります。

 

Ⓐトレッドの硬さを調整することで接地圧を調整します。またブロックを細かく仕切ることでパターンノイズを抑えて静かにします。リブに配置されている横溝は主にこの役割を担います。
Ⓑ縦方向の主溝による排水をサポートする役割があり、カーブなどで遠心力がかかった際に大きな効果を発揮します。ショルダー部分に配置されている横溝は主にこの役割を担います。

 

今回の注目している横溝はⒶの接地圧を均一化する役割を担っています。タイヤには常に大きな車重がかかり続けており、この力により水平方向へタイヤを伸ばすような力が働きます。一般に横溝は主にこの伸びを緩和することで接地圧を均一化するために切られています。

 

今回の浅い横溝は?

前置きが長くなりましたが、今回注目している溝が浅いのはなぜなのでしょう?
ナビゲーターの考えはこうです。新品の溝の深い状態のとき、即ちリブ山が高いときにには変形も大きく接地圧の均一化をするためには横溝が必要であるけれども、摩耗が進みリブ山が低くなれば変形が少なくなり横溝が必要なくなるのではないかと考えます。実は溝を切らなくても変形に対応できるならば、その方がタイヤが常に路面をとらえ続けるため運動性能としては有利です。そのためスポーツタイヤでは度々センターリブに溝を切らないパターンが存在し、先代のS001(左図)もセンターリブに若干の刻みはあるものの横溝はありません。今回発売された「S007A」はドライグリップの大幅な向上を目指したため可能な限り横溝を抑えて、初期の変形が大きく接地圧が均一化しにくい初期のみ浅溝を配しているのではないかと考察します。

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実際に聞いてみた

考察はしてみたもののナビゲーターの仮説にすぎないことは否めません。そこで実際にブリヂストンに聞いてみました。最初からそうしろという声もあるかと思いますがそれではあまりにも芸がないのでご容赦願います。
ナビ・・・タイヤナビゲーター、BS・・・ブリヂストン担当者

 

ナビ:
今回発売された「ポテンザの新商品S007A」について教えてください。
BS:
はい、どういったご質問でしょうか?
ナビ:
まず、基本的なところから確認させてください。リブにある横溝は主に接地圧を均一にする役割ということで理解に間違いないでしょうか?
BS:
その通りです。横溝はリブの変形により接地圧にバラつきが出来ないようにするのが主な役割です。
ナビ:
それを踏まえてセンターリブの浅溝(上図➁)とセカンドリブの浅溝(上図➀)についてです
BS:
はい
ナビ:
他のタイヤでは摩耗初期に消えてしまうような浅い溝は見受けられませんね?
BS:
はい
ナビ:
連続的に路面をとらえることを目指したため横溝を最小限にし、初期はリブの変形が多いため接地圧を均一にするために浅溝を配置したと考えましたがどうでしょうか?
BS:
セカンドリブについてはその通りです。ドライに重点を置いたので出来る限り接地を増やしましたが初期のリブ山が高い際はどうしても変形による接地圧のバラツキが出るため配置されています。
ナビ:
なるほど。センターリブについては違うわけですか?
BS:
はい。実はセンターリブの浅溝についてはデザインです。
ナビ:
機能的な意味はないと?
BS:
はい。センターリブはほとんど周方向の力のみのため接地圧にバラつきが出にくく、今回の設計では横溝は必要ありませんでした。しかし、見た目としてセンターリブに溝がないのは少々さみしいですから(笑)
ナビ:
なるほど。購入される方からの見た目を意識したわけですね。ありがとうございました。
BS:
ありがとうございました。

 

このようなインタビュー結果になりました。つまりナビゲーターの仮説は半分は正解、半分は不正解ということでした。

 

まとめ

・センターリブ、セカンドリブの浅い横溝の意味は何か考察、インタービューした。
・S007Aはドライグリップを最大限に発揮するためリブの横溝を最小限とした。
・セカンドリブの浅溝はリブ山が高く大きな変形が出る初期において、変形による接地圧バラつきを抑えるために配置した。
・センターリブの浅溝はデザインであり機能的な意味はない。

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