ブリヂストンの新ハイパフォーマンスSUV用タイヤ

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2017年2月ブリヂストンからハイパフォーマンスSUV用タイヤ「ALENZA 001(アレンザ ゼロゼロワン)」が発売予定です。
ALENZAといえば、2006年3月に発売された「DUELER H/L ALENZA」(デューラー エイチエル アレンザ)が思い出されます。旧ALENZAのSUV用タイヤにあって快適さを重視したコンセプトは他に例が少なく「日本人に好まれる良いタイヤ」だと考えていましたが、ニッチだったのか訴求力不足だったのか数年前に廃版となりました。ガソリンが高騰しSUVが好まれなかった時代を生き残れなかったのかも知れません。そして今回「ALENZA 001」として復活したわけです。

コンセプト

プレミアムSUVのスポーティーな運動性を高次元で引き出すために専用設計されています。
旧ALENZAは乗り心地の良さや静粛性などの快適性能をコンセプトとしたSUV用のREGNO(レグノ)といったイメージでした。今回のALENZA S001はそこから大きく舵を切って快適性能を持った走行性能重視のタイヤ、SUV用のPOTENZA S001(ポテンザ エスゼロゼロワン)といったイメージでしょう。

特徴

ハイパフォーマンスカーを想定したスポーツ志向らしく、高いドライ性能を備えながらウェットについてもラベリング’a’~’b’と高い性能を持つタイヤとなっています。それに加えて、低燃費性能もラベリング’A’~’B’と高い経済性も備えています。
SUV用タイヤとしては浅溝設計のため摩耗耐性はあまり高くありません。また浅溝設計に加えて横方向のラグ溝が狭いため全天候性は皆無に等しく浅雪やダート、ぬかるみなどは苦手です。

位置づけ

SUVタイヤ全体からの位置づけとしてはスポーツ志向が強いプレミアムタイヤです。

最もスポーツ性が高いオンロード重視のハイパフォーマンスSUV用タイヤです。因みに旧ALENZAを位置づけるとすれば右上の最もコンフォート性が高いオンロード重視のタイヤといったところでしょうか。

A/T001については別の機会に報告します。

まとめ

スポーツ志向の強さに、高い安全性能と快適性能を加えたハイパフォーマンスタイヤです。
➁SUV用タイヤでありながらそれなりの低燃費性能も持ち合わせています。
➂旧ALENZAとは大きく方向性は変わったがまた別の「良いタイヤ」に仕上がっている。
➃降雪地域であれば冬はスタッドレスタイヤを使用することが前提です。

似ているタイヤ

よく似ている

高いスポーツ志向にウェット性能や低燃費性能など普段使いの性能をプラスしたSUVタイヤ。
ミシュラン LATITUDE SPORT 3

比較的似ている

高いスポーツ志向のハイパフォーマンスSUVタイヤ
ダンロップ SP SPORT MAXX 050+ SUV
コンチネンタル ContiSportContact5P(5) SUV
ピレリ P ZERO SUV







タイヤサイズ

インチタイヤサイズkorogariTeiko26wetGrip26korogariTeiko26wetGrip26wetGrip26備考
21295/35R21 107YAaRAY1
295/40R21 111WAaRAY1
20315/35R20 110YAaRAY1
275/40R20 106YAaRAY1
275/45R20 110YAaRAY1
265/45R20 104YBaRAY
255/45R20 101WBaRAY
245/45R20 99VBbRAY
285/50R20 112VAaRAY
275/50R20 109WAaRAY
19265/50R20 111VAaRAY1
255/50R20 109VAaRAY1
235/55R20 102VAbRAY
285/45R19 111WAaRAY1
235/45R19 95WBbRAY
265/50R19 110YAaRAY1
255/50R19 107YAaRAY1
235/50R19 99VBbRAY
255/55R19 111WAbRAY1
235/55R19 101WAbRAY
235/50R18 97VBbRAY
255/55R18 109YAbRAY1
235/55R18 100VAbRAY
225/55R18 98VAbRAY
285/60R18 116VAbRAY
275/60R18 113VAbRAY
18265/60R18 110VAbRAY
235/60R18 103WAbRAY
235/65R18 106VAbRAY
235/55R17 99VAbRAY
225/55R17 97WAbRAY
225/60R17 99VAbRAY
215/60R17 96HAbRAY
235/65R17 108VAbRAY1
225/65R17 102HAbRAY
265/70R17 113HAbRAY
215/65R16 98HAbRAY
備考1.エクストラロードタイヤです。
扁平率50以下はリムガード付きタイヤです。
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ミシュラン満足保証プログラムにあのタイヤが追加

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グズグズ言わず結論からいきましょう。
ミシュランプログラムにミシュランのスタンダード低燃費タイヤ「エナジーセイバープラス(ENERGY SAVER PLUS)」が加わりました。ナビゲーターとしては正直言って「マジか?!」って感じです。

 

満足保証プログラムってなに?

ミシュラン満足保証プログラムとは、「もしあなたが購入した対象のタイヤに満足できなかったら全額返金します」という夢のような強気プログラムです。

 

対象のタイヤは?

現状は以下のタイヤが対象です。
Pilot Sport4
Pilot Sport3
Primacy3
LATITUDE Tour HP
LATITUDE SPORT 3
LATITUDE SPORT
・LATITUDE DIAMARIS
Premier LTX
※ランフラットタイヤは対象外です。

 
これに「エナジーセイバープラス(ENERGY SAVER PLUS)」が加わります。

 

利用方法は?

応募用紙に必要事項を記入して領収証を貼り付けて送付すれば登録完了です。保証書が送られてくるので紛失しないよう車検証などに挟んで保管しておきましょう。
応募用紙はこちら

 

期間は?

返金期間は購入から60日以内です。つまり1ヵ月以上十分に試して決められます。
プログラムの終了期間については未定で、近いうちに終わるようなことはなさそうです。

 

返金範囲は?

交換に伴って発生した工賃などの費用も返金されます。

 

メリットは?

タイヤは高額にもかかわらず、一般に試走も出来ず自分で確かめることなしに選ばなければなりません。しかし、このプログラムなら、しっかり自分の車で自分が気に入るか試すことが出来ます。万が一気に入らなければ全額返金されるので、「他社のタイヤを履く前に一度試してみる」なんてことも可能なのです。







エナジーセイバープラスの追加はいつから?

今のところ日程までははっきりしていませんが2017年2月後半から満足保証プログラムに追加される予定みたいです。

ここの下部にある対象商品に追加されたら開始です。

【2月22日追記】
ミシュラン公式HP上ではまだ更新されていないようですがお店にはセイバーシリーズが追加された応募用紙が配られましたし、対象となる旨のアナウンスもされました。

 

なぜ追加されたのか?

➀エンドユーザー及びショップからの声が多くあったようです。
➁シェアを伸ばすため、なんとか履いてもらいたい。
➂ミシュランとしては履いてもらえば満足してもらうだけの自信がある。

➀は名目で実は➁、➂が本音かもしれません。

 

どんなタイヤ?

➀バランスの良い低燃費タイヤ。
➁非常に摩耗に強いので沢山走れる。
欧州メーカーのタイヤらしくスタンダード低燃費タイヤながら走行性能が高く、高速性能も高い。エコ性能だけに傾倒せず安全性も走りも犠牲にしていないのが売りなのです。

詳しくはこちら

 

まとめ

・ミシュランのタイヤに興味があるけど試す勇気がなかった。
・満足保証プログラムは知っていて試してみたかったけどグレードの高いタイヤばかりしかなかった。
・この記事やエナジーセイバープラスの評価を見て試してみたいと思った。

これらの方は一度試してみるのも良いかも知れません。

 

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【新商品情報】ブリヂストン「ECOPIA NH100シリーズ」

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ECOPIA EX20(イーエックスニーマル)シリーズの後継モデルのスタンダードタイヤです。
因みにNHとは製品コンセプトであるウェット性能とその持続性や低燃費性能の高次元な調和ということでNew Harmony(ニューハーモニー)の略だそうです。ネーミングセンスについては( ^ω^)・・・ですがバランスを重視した低燃費スタンダードタイヤがコンセプトだということが分かります。

 

1.NH100シリーズの特徴

1-1.シリーズ全般の特徴

1-1-1.ウェット性能とその低下抑制

ウェット制動試験をベースグレードであるNEXTRY(ネクストリー)と比較
※50プリウスで時速80kmからABS作動での制動試験

 

➀新品時
NEXTRYが36.4mに対しECOPIA NH100は35.1mと車体2/3台分ほどNEXTRYより早く停車

 

➁20,000km走行後
NEXTRYが43.0mに対しECOPIA NH100は39.3mと車体1.5台分ほどNEXTRYより早く停車

 

新品時でも大きな差ですが、ある程度摩耗が進んだ場合の制動距離の差は更に顕著です。こんなときを想像してください。見通しの悪い雨の日、「子供が飛び出してきた」とか「前の車が急停止した」といった場合です。「はねてしまった」、「追突してしまった」なんて結末は想像するだけでゾッとします。僅か数メートルの差のように思えますが、その数メートルが止まれるかぶつかってしまうかの大きな差となるのです。

 

1-1-2.耐摩耗性能の向上

ベースモデルNEXTRYと比べて耐摩耗性能30%向上
前身となるECOPIA EX20からも向上

 

それに加えてコンパウンドの経年劣化もゆっくりなのでベースグレードタイヤより1年余分に走れるかも知れません。購入先にもよりますが1年あたりのコストで考えるとベースグレードタイヤと大差ないケースもあります。しかも安全性はNH100の方が断然上なんです。

 

1-1-3.燃費性能の向上

ベースモデルNEXTRYと比べて転がり抵抗係数5~16%向上
前身となるECOPIA EX20からはわずかに向上

 

低燃費性能を無視できない昨今の自動車事情から、新車装着タイヤもかなり低燃費性能の高いタイヤが装着されているケースが多くあります。新車装着タイヤについては転がり抵抗係数が公表されていませんが、例えばプリウスに装着されている新車装着タイヤはグレーディング’AA’程度だと言われています。NH100も’AA’と新車装着タイヤ程度の低燃費性能を有しており、タイヤ交換で燃費を落とす心配をしなくて済みます

 

1-2.NH100の特徴

1-2-1.直進安定性と操縦安定性

セダン・クーペ専用設計されたプロファイルで骨格構造を最適化し、剛性コントロールシートによってトレッド剛性を最適化することで直進安定性と操縦安定性を高めています。これによりセダン・クーペに求められる走りを楽しむ快適な走行性能が実現されています。

 

1-3.NH100RVの特徴

1-3-1.

ミニバン特有の偏摩耗を抑制しフラつきを抑えるのは勿論、車体が大きく下方視界が悪いミニバンの弱点をフォローするためサイドプロテクターが採用されています。これにより少しくらいなら路肩や縁石に擦っても大丈夫なように強化されています。当然、強い力がかかったり当たり方が悪かったりすれば破れないわけではないので注意は必要です。

 

1-4.NH100Cの特徴

1-4-1.

ショルダーブロックに高剛性素材を採用することで、コンパクトカーの特性である小回りがしやすく、停車したままでハンドルを切る所謂「据え切り」による偏摩耗に対しても強くなっています。
ベースグレードであるNEXTRYと比較して41%もの大幅な摩耗耐性が実験データとして示されていますが、ブリヂストンのこの手のデータには何度か騙されているのでウォッチしていきます。







2.価格

ECOPIA EX20シリーズより定価ベースでも2%ほど値上げされました。販売価格もわずかながら上がりそうです。

 

3.まとめ

・バランスの良い低燃費スタンダードタイヤです。
・摩耗しても雨の日の安心感が高いタイヤです。
・価格は僅かに高くなりそう。

 

4.タイヤサイズ

2017年2月発売予定サイズ

 

4-1.NH100

21サイズ
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4-2.NH100RV

19サイズ
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4-3.NH100C

27サイズ
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【新商品情報】ダンロップ「LE MANS V(ルマンファイブ)」

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ついに出ます。やっと出ます。ダンロップのミドルクラスコンフォートタイヤであるルマンの最新モデルLE MANS V(ルマンファイブ)です。ナビゲーター的には2年くらい前から、そろそろモデルチェンジしてもいいんじゃないの?って思っていたタイヤだったので本当に「やっと」かぁという感じです。2017年2月発売となっています。今のところまだ発注はできないのではっきりしませんが、一応現時点で発表されている全サイズが2月1日にヨーイドンで一斉に購入できる予定のようです。

 

LE MANS 4(ルマンフォー)からの改善

ルマン4の不満点

ルマン4はバランスのとれた良いタイヤだったと思いますがナビゲーターとしては明確な不満もありました。

 

➀期待ほどではなかった静粛性

静粛性をセールスポイントのひとつにしている割には期待するほどではありませんでした。確かに継ぎ目を乗り越す際のパカンというダンピング音は非常に効果的に消してくれますが、定常的に発生するロードノイズやパターンノイズが結構気になるレベルでした。
実際、購入されたお客様でも不満を口にされる方が一定の割合存在していたので「期待を下回ってしまっていた」と言えるでしょう。

 

➁突き上げ感が気になった

サイズラインナップが豊富であり、価格帯も値ごろ感があることからロープロファイルタイヤで選択されることが多いルマンですが、ロープロにありがちな突き上げ感の緩和が十分でなく不満を感じていました。ロープロではある程度は仕方がないと思いますが、それにしても少々不満に感じていました。

 

ルマンVでの改善点等

先項で述べた不満は解消されているでしょうか?それ以外の特徴についても見ていきます。

 

➀大幅に改善された静粛性能


 

 

このデータが示す通りロードノイズ、パターンノイズともに大幅に改善されています。
下図をちょっと見て頂きましょう。左が従来モデルであるルマン4、右が今回発売されるルマンVです。

まず左右対称だったパターンがインサイドアウトサイドのあるパターンに変更されていることでコーナリング時のグリップ力などを高めています。しかし、ここで注目したいのはパターンの複雑化です。パターンノイズはタイヤが路面に接地したり、横溝の部分で地面から瞬間的に離れたりすることで発生します。
 

接地⇒離れる⇒接地⇒離れるを繰り返すと地面をゴムで叩いているようなものなのです。つまり横溝が広くブロックが大きいとパターンノイズは大きくなりがちです。そこをいくとルマンVはブロックも細かく、横溝も完全に横方向でなく斜めにすることで瞬間的に路面から離れることも少なくすることでパターンノイズを減らしています。

 

更にしなやかさを増したコンパウンドへ変更をすることで路面から拾う振動や音を最小限にし、ダンロップのコンフォートタイヤの特徴である特殊吸音スポンジで発生した音を吸収することでロードノイズの大幅な低減に成功しています。

➁やや緩和された突き上げ感


タイヤの骨格構造を最適化し、サイドウォールとトレッドのクッション性を向上させることでルマン4で不満だった突き上げ感やゴロゴロ感がある程度緩和されています。但し、単純に柔らかくなったわけではなくルマン特有のスポーティーさをしっかり残しています。

 

➂耐偏摩耗


スクエアショルダーからラウンドショルダーへ変更されたためか耐偏摩耗性が向上しています。キャンバーつけて片側使ったら裏返していた方はインアウトパターンになったので、それがかなわなくなってしまいました。







価格

若干上がりそうです。まだはっきりしませんが5%程の値上げがありそうです。

 

まとめ

ルマンと言えばコンフォートタイヤながら、走行性も高さも併せ持つバランス型のタイヤとして評価されています。今回のモデルチェンジによって、やや不満だった快適性能がしっかり向上し、スポーツコンフォートと言える素晴らしいタイヤになったと考えます。

 

発売サイズ

2017年2月発売予定サイズ
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ダンロップ DIREZZA ZIII 新発売

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ダンロップよりリアルスポーツタイヤ「ディレッツァ ズィースリー(DIREZZA ZIII)」が2017年2月より順次発売予定です。

 

1.コンパウンド

新グリップ向上剤とハイスチレンポリマーの採用で早い周回から効率的に発熱しグリップします。他方で高分子ポリマーを採用し耐摩耗性能を向上させています。
ZⅡスタースペック(以下Z2SS)でも早期から効率よくタイヤが温まり早い周回からタイムが出やすいタイヤでしたが、その傾向が更に向上しています。一方でZ2SSにあった少々熱ダレしやすい傾向は、ZⅢでも残ってしまっています。

 

2.パターン

2-1.最適化

一見代わり映えのしないパターンですが実は負荷が集中しないよう最適化されています。またZ2SSで一部分断されていたパターンが改良され連続的なパターンになり、剛性が増したと同時に路面を離さず食いつき続けるようになりました。

 

2-2.シーランド比

シー(SEA)とは溝、ランド(LAND)とは接地面のことで、一般にランドが増えれば接地面積が上がるのでグリップが良くなります。また負荷が分散するためコンパウンドの破壊が起きにくくなり摩耗に強くなります。反面、排水性能にとっては一般に不利に働くためハイドロプレーニング性能は若干ながら落ちていますが、コンパウンドの改良でウェットグリップはやや上がっています。
ZⅢではランド比を5%増やすことで負荷を分散し、接地圧を均一化することで安定したドライグリップと耐摩耗性を強化しています。

 

3.ショルダー形状


ZⅡSSは機敏な応答性を重視して肩の張ったスクエアショルダーを採用していました。ZⅢでは肩の丸いラウンドショルダーに変更され、旋回時の接地圧を均一化することでコーナリングの安定性を重視しています。形状通りZⅡSSと比べてややダルいハンドリングになった感がありますが、その分許容範囲が広くなりラインをとりやすくなったように感じられます。リカバリーの連続となるサーキット走行では取れるラインの幅が広いことは走りやすさに繋がり概ねタイムに繋がります。よりシビアなライン取りが出来る方にはクイックさが損なわれたと感じるかも知れません。

 

4.ラップタイム


この手のタイヤを履く一番の理由は何よりサーキットで誰よりも速く走るためです。グリップ性能とコントロール性能のアップによりラップタイムも短縮されています。







5.発売予定サイズ

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しかしまぁ似ているよね。

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