2016-2017年一番止まるスタッドレスタイヤを(勝手に)決めたった SUV編

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昨年もやりましたスタッドレス勝手に決めたったシリーズの第2弾。今回はSUV編です。

 

スタッドレスタイヤの性能は普段からタイヤを扱っている人間からしても分かりにくいのは昨年も申し上げたところ。長年タイヤに携わっているのでそれぞれの違い、特徴は把握しているのだけれど、本当のところ「どいつが一番止まるんだ?」、「効きの差は?」、「効きの持ちの差は?」などなど疑問がある。今回は「どいつが一番止まるんだ?」に主眼を置いた話をします。

 

氷の温度、氷の状態、気温、車、タイヤサイズ、空気圧、制動速度など全ての要素を揃えて検証するのは難しい。とはいえ転がり抵抗係数のような物理的な数値の算出してくれれば、各社のカタログ値も「何メートルで止まったぞ」という自画自賛に終わらないんですけどね。しかし、どうも他社との比較を良しとしないので(法的な問題もあります)難しいところですが公表値をまとめて考察するので参考にしてもらえたらと思います。
そうそう、こんな状況ですが今年も「あるメーカー」「またやってくれた」ので注目してみましょう。

 

公表されている氷上試験

以前からタイヤナビゲーターのサイトを見て頂いている方にはピンときた方もいるかも知れませんが、「どのメーカー」が何を「またやってくれた」のか見ていただきましょう。

 

ブリヂストン

タイヤ銘柄ブリザック
DMV2
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温7.8℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離12.26m

ヨコハマ

タイヤ銘柄iceGUARD
SUV G075
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温9.1℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離11.9m

ダンロップ

タイヤ銘柄WINTER MAXX
SJ8
車種ヴァンガード
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温-1〜-3℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.3m

グッドイヤー

タイヤ銘柄ICE NAVI
SUV
車種CX5
排気量1,997cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所岡山国際
スケートリンク
路面状況氷盤
気温-2.0℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離13.0m

ミシュラン

タイヤ銘柄LATITUDE
X-Ice XI2
車種プラド
排気量4,000cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ265/65R17 112T
タイヤ空気圧200kPa
場所データなし
路面状況氷盤
気温-2.7〜-3.0℃
路面温度-2.3〜-2.5℃
試験速度20km/h
制動距離9.95m

おわかりいただけただろうか

重要なデータが揃えられていない試験というのは何とも不快ですがSUV用は普通乗用車用に比べればかなりマシですね。制動速度は揃っているしミシュラン以外は中型SUVでタイヤサイズも225/65R17で揃えられている。しかし、ナビゲーターが最も重要と考えている路面温度がそろっていないこと。本来から言えば1℃違うだけでも結果が大きく変わってしまうであろう氷の温度(路面温度)にばらつきがあったり、公表されていないメーカーすらあるのは比較する大きな障害なんですが…

 

しかし、待って下さい。今回は分かりやすいのであなたも既に気付いていることでしょう。スタッドレスタイヤの最高峰といったイメージを持つ方も多く信頼性の高いブリザックと試験方法をガッツリぶつけてきたメーカーがあります。そうまたヨコハマです。

 

※なぜ氷の温度が大切かを簡単に説明すると「水膜」が関係しています。氷の温度が高ければタイヤが触れた瞬間にミクロの水膜が出来これが「滑る」大きな要因となります。故に各社何かしらの方法でスタッドレスタイヤによる水膜除去対策をしているのです。昔アイスガードのTVCMで「乾いた氷は滑らない」というキャッチコピーがありました。イメージしてください。乾いた鉄板の上でブレーキをかけた場合と、鉄板の上に薄く油を塗った場合、どちらが滑るかは今あなたの想像された通りです。氷点下の氷は乾いた鉄板のようなものですが、タイヤが触れた瞬間「溶けて」油を塗った鉄板のようになります。より水膜除去が得意なタイヤは温度の高い氷でも優秀な氷上性能を発揮します。一方、氷上が得意でないタイヤは氷の温度を低くしてあげれば「期待される効き」のデータが取れることになります。

 

それでは一応並べてみましょう(既に並んでいましたね)。

タイヤ銘柄ブリザック
DMV2
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温7.8℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離12.26m
タイヤ銘柄iceGUARD
SUV G075
車種CR-V
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17 102Q
タイヤ空気圧210kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温9.1℃
路面温度-1.2℃
試験速度20km/h
制動距離11.9m

アイスガードがブリザックを超えている

車種やタイヤサイズ、制動試験の速度、試験場所など多くの点が共通しているのである。しかも、業界トップでスタッドレスタイヤで最も信頼の厚いブリザックを擁するブリヂストンのDM-V2より、iceGUARD SUV G075の方が1割ほど短い制動距離で止まっているのだ。普通乗用車用スタッドレスタイヤに続いてSUV用タイヤでも試験条件をぶつけてくるとは、ちょっとニヤニヤしちゃうよね。各社このくらい闘争心むき出しで競ってほしいものですね。

 

因みにヨコハマの担当営業に「試験条件ぶつけましたね」と話をしたところ「偶然ですよ(笑)」と確信犯の笑顔でとぼけていました。




その他の比較

縦方向はヨコハマとブリヂストンが強い

ブリヂストン、ヨコハマともに一般的に滑りやすく厳しいと考えられる高めの路面温度であって、20km/hという低速においてでも他メーカーにこれだけの差をつけた短い距離で止まっているのは流石。

 

ウインターマックスSJ8とアイスナビSUV

ここで少し車重を見てみます。排気量とグレードから考えるとCR-Vは約1,550kg、ヴァンガードは約1,600kg、CX-5は約1,500kg(CX-5に2Lの4WD設定がないので排気量基準)と考えられます。一般に軽い方が制動距離は短くなる(今回のケースでは重いとより大きな摩擦熱が発生し滑る要因の水膜が多くできる)ので、そういった意味ではブリヂストンとヨコハマは中程度の条件で試験をしていることになります。そしてグッドイヤーは最も軽い車で試験し、ダンロップは最も不利な条件で試験をしている。100kg(7%)ほどの重量差だがバカにならない。路面温度がないので今回のデータだけでは比較のしようがないが、実際にはデータ通りグッドイヤーの方が効くといった結果にはなりそうにないことだけは言っておきます。

ダンロップ

タイヤ銘柄WINTER MAXX
SJ8
車種ヴァンガード
排気量2,400cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所住友ゴム工業(株)
名寄タイヤ テストコース
路面状況氷盤
気温-1〜-3℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.3m

グッドイヤー

タイヤ銘柄ICE NAVI
SUV
車種CX5
排気量1,997cc
四輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ225/65R17
タイヤ空気圧220kPa
場所岡山国際
スケートリンク
路面状況氷盤
気温-2.0℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離13.0m

 

LATITUDE X-ICE XI-2

今回の趣旨では比較はまことに難しい。

 

まとめ

どいつが一番止まるんだ?

DM-V2は2014年発売なので、後発なので勝って当然と言われるかもしれませんが、2016-2017年シーズンでは最も止まるスタッドレスタイヤの称号ヨコハマ iceGUARD SUV G075に与えて良いでしょう。

 

当サイトでの勝手に氷上性能格付け

iceGUARD SUV G075BLIZAKK DM-V2LATITUDE X-ICE XI2WINTER MAXX SJ8ICE NAVI SUV

※今回の比較だけでは分からないけど、様々なタイヤの試乗、自家用車や社用車などでの使用、お客様からの声など様々な要素からナビゲーターが勝手に付けたものです。

 

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WINTER MAXX 02とBLIZZAK VRX乗り比べてきたので報告

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ダンロップさんに試走会に呼んで頂きまして新ウインターマックス「WINTER MAXX 02」履いてきました!!
素晴らしいスタッドレスタイヤだったのでご報告します。個人的には結構好みだったわけで、その良さだったり使用に向いている方などを書いていきます。

 

ちょっとウィンターマックスのお話が続きますが2016-2017年新商品なので良しとして下さい。
例によって写真NGであってナビゲーターはチキンなので折角招いてくれたメーカー様の顔を立てるため写真はなしでお送りします。(ぶっちゃけお店で使う用にこっそり撮ったんだけども自主規制)
そんなわけで試走会場をタイトル画像で雰囲気を表現しましたが車はシルバーとか白とか画像のようにカラフルではありません。

 

試走条件

使用車種  :
アクア(AT)
試走タイヤ :
WINTER MAXX 02(以下WM02)
比較タイヤ :
WINTER MAXX 01(以下WM01)、BLIZZAK VRX(以下VRX)
タイヤサイズ:
175/65R15
空気圧   :
自動車メーカー標準空気圧(前230kPa 後220kPa)
路面状況  :
氷盤(スケートリンク)
路面温度  :
-2℃~0℃

コース

wm02testrun-course

  :三角コーン

 

コースはざっとこんな感じで、試走順はWM01、VRX、WM02で各タイヤ2周ずつしました。
スケートリンクなのでツルツルだし加速するのも難しい広さしかなく制限された中で上手く試走をする必要があります。尚且つナビゲーターはテストドライバーのように同じ条件で走ることが出来ないので完璧なテストからは程遠いですが、若い頃から毎年何度も雪山に行っているので冬道には慣れています。

 

➀加速テスト

左下からスタートしてエリアAで20km/hまで加速します。
point02タイヤが氷を掴んでいるかを感じつつ20km/hまでの加速感を確かめる。

 

➁制動テスト

ブレーキ地点でフルブレーキ(ABSあり)します。
point02エリアBのどこで止まるか比較します。因みに壁にブレーキ位置からの距離がメートル表示されていました。

 

➂自由走行

短距離ですが自由に走行テスト
point02エリアCでは敢えて目一杯多少ハンドルを切ることで横方向に無理な負荷をかけてみました。

 

➃スラローム

エリアDで蛇行運転テスト(速度は自由)
point02思い描いたラインでスムーズにスラロームが出来るかを確認しました。




感想

まずナビゲーターが走行した時点では、時間帯が遅かったためか氷の温度が高めになっており氷の表面に簡単に水膜が出来てしまうような状況でした。この為、吸水性能の高い発泡ゴム採用のVRXがかなり有利な状況でのテストになったと考えられます。その条件下での試走結果の感想です。

 

➀加速テスト

まず、自分が乗る前に他の方が試走している様子を横から観察していました。横から見ているとどのタイヤもかなり空転しており、滑りながら段々と加速していくのがよく分かりました。そんな中ではVRXが最も早く氷をとらえて前に進んでいきました。
実際に乗ってみても加速力が最も高かったのはVRXでフルブレーキ位置の手前で少し余裕を持って20km/hに到達していました。WM02もかなりしっかり路面に密着しているのを感じましたが若干VRXには劣る印象でした。WM02に乗った後に比較するとWM01は氷を掴むまでに時間がかかり中々加速していきにくく、ブレーキ位置で20km/hに到達するがやっとといったところでした。

 

➁制動テスト

全てのタイヤでしっかり氷を掴んでグググッっと効いてくれるのが分かりました。完全停止したところで壁の距離表示を見ると以下のようになりました。

WM01:
8.2mで停止
VRX :
7.0mで停止
WM02:
7.5mで停止

縦方向の効きはVRXが最も高い性能を発揮したもののWM02も十分な効きを発揮し大きな差は出ませんでした。
※速度計がデジタルで空転などでメーターが安定せず正確に20km/hでブレーキングできたかはあまり自信ないことをお詫びしておきます。30km/hと思ったら次の瞬間10km/hだったりまいりました。

 

➂自由走行

短距離で少し加速しアクセルを離しハンドルを目一杯切ってみるとVRXはインへ入り切れずコースアウトしエリアCの地点「X」でコーンに接触してしまいました。WM01はVRXよりインへ切り込めたもののVRXより加速が足りなかった印象。その点WM02はVRXと同等に加速された状態でも大きく振り出されることなく踏ん張ってコーナリングが出来た印象を受けました。コーンへの衝突はありませんでした。

 

➃スラローム

どのタイヤも無理なくスムーズにコーナリングでき、概ね思い描いたラインをとれました。但しWM01はステアリングの舵角調整が何度か必要だったのと「Y」方向へ膨らみましたが、VRXとWM02はほとんど舵角調整がありませんでした。敢えてWM02とVRXの差を挙げれば、VRXはコーナリング初動で少しタメがあってからグイッと食いつき曲がる感覚に対し、WM02はゆったりとした弧を描いて曲がっていける感覚でした。

 

座学で体験したこと

ゴムの劣化試験

wm02testrun014WM02になってから配合された「しなやか成分」の効果を体験しました。簡単に言えば、過熱して圧力をかけて変形を繰り返しオゾンなどにさらして加速劣化を促進させたゴムのサンプルを劣化前と硬さを比較しました。

➀しなやか成分なし:
明らかに硬化していた
試走タイヤ :
WINTER MAXX 02(以下WM02)
➁しなやか成分あり:
柔軟性にはほとんど差がなかった

 

ゴムの摩耗試験

発泡系のゴムとWM02の高密度ゴムをやすりで削り摩耗度の比較をしたところ、当然WM02のゴムの方が摩耗に強いという結果が出ました。以前DSX2で採用していたようなグラスピックなどの添加材を入れたゴムも別種の素材との接合面が弱く、そこから破壊が進むのでWM02のゴムより摩耗が早く進みます。




まとめ

試走で分かったこと

WM02の氷上制動性能は非常に高くカタログ通りWM01より1割ほど上がっていた。
縦方向の効きはVRXの方が僅かに良かった
コーナリング性能はWM02が優秀だった。

 

座学で分かったこと

ゴムの劣化がゆっくりになった。
摩耗に強い

 

何よりしっかりした乗り心地でフワフワしないのがナビゲーターの好みでした。乾燥路でも夏タイヤに近い安定感のある走行性能を発揮してくれるでしょう。

 

今回のテストでは分からなかったWINTER MAXX 02の特徴
乾燥路での走行でも高い走行性能高速性能

 

向いている方・車種

➀スタッドレスのフワフワ感が不快と感じる。
➁高速走行が多い。
➂沢山走る。
➃アクセルをグイグイ踏んじゃう。
➄重い車、パワーのある車に乗っている。
➅欧州車に乗っている。
➆ハイブリッドカーに乗っている。
➇ミニバンに乗っている。

 

詳しい性能はコチラ

 

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WINTER MAXX 01(ウィンターマックス01)の2016年-2017年ラベル変更

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2016年-2017年向けの「WINTER MAXX WM01」のラベルがプレミアム感のあるゴールドからブルーへ変更になりました。というのも今年2016年-2017年向け新商品としてWINTER MAXX(ウインターマックス)のニューモデル「WINTER MAXX 02 WM02」が発売になったためです。
プレミアムモデルをWM02に譲ったことでスタンダードな雰囲気のブルーへの変更ということでしょう。

 

SJ8書いていて思い出しましたがSUV用のウインターマックスと統一されましたね。WINTER MAXX SJ8

 

今年お勧めの一角

大幅に安くなった

昨シーズンまではプレミアムモデルであったため値段もプレミアム設定だったWM01ですが今シーズンからはかなりリーズナブルに購入できます。

 

性能も高い

氷上性能も高く、特にコーナリングでも膨らみにくいなど冬道性能も満足できます。そして乾燥路でも高速走行であっても安定して走りやすく、アスファルトでも摩耗に強いので、降雪地だけでなく非降雪地域でも使いやすい特徴を持ちます。

 

ブルーラベルなら2016年製?

残念ながらそうでもないようです。ナビゲーターのお店もでも今シーズン用に数千本入荷を完了しました。入荷されたタイヤの一部サイズで2015年製のWM01にもブルーのラベルが貼られていました。メーカーから出荷されるものは2015年製でもブルーラベルが貼られているようです。わざわざ貼り換えたのか出荷される段階までラベルが貼られない行程になっているのか、いずれにせよダンロップはこういうところキッチリしています。
というわけで製造年を気にする方はタイヤの刻印を見るか購入店に問い合わせるしかないようです。







まとめ

➀「WINTER MAXX 01 WM01」のラベルがゴールドからブルーへ変更された。
2015年製造でも新ブルーラベルが貼られている。
➂もしゴールドラベルのWM01があったら、そのお店の昨シーズンの売れ残り品と考えられます。保管状態は勿論ですが、プレミアムモデルであった昨年に高く仕入れた商品なので販売価格には注意しましょう。

 

因みに

WM01の225/60R17は、新型アルファードヴェルファイアの需要予想し昨シーズン沢山作ったのに全然売れなかったとのことで在庫が大量にあり今シーズンは生産計画がないようです。このサイズを購入される方は2015年製と考えた方が良いでしょう。
また、ハスラーの需要予想で作った165/60R15も同様に生産がないかもとの情報が入ってきています。
※昨年生産のスタッドレスタイヤに関しては今年生産品と、性能的に変わりないと考えて差し支えありません。安心して購入して大丈夫です。但し、それは適切な環境で保管されたものに限られますのでお店で持ち越したものについては注意が必要です。

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【新商品】トーヨーのクロカンタイヤ「OPEN COUNTRY R/T」

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2016年10月1日トーヨータイヤから「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリー アールティー)」が発売されました。

 

そもそもどんなタイヤ?

オープンカントリーは北米で販売されている人気モデルで、トーヨータイヤとしてはMTとATの間の性能という位置づけで提案しています。
北米では税制優遇などの理由からピックアップが好んで乗られています。しかし、スタッドレスタイヤが普及していないため、雪の降る地域ではATやMTで年中過ごす人が大多数です。そんな北米で人気のクロカンタイヤが「オープンカントリー」なのです。

 

特性は?

R/TはRugged Terrainの略だそうで「でこぼこのある」、「ごつごつした」、「起伏のある」地形や路面に特化して設計されています。しかし、悪路を走行する方でも大半は舗装路走行であるので、オンロードでの快適性能もある程度確保するよう設計されています。

 
サイドウォールもおしゃれ
oprt_box02_img01

 

性能は?

オフロード:
少々の悪路なら難なくこなしてくれます。
オンロード:
ゴロゴロ感はありますし、ある程度音もしますが思ったほどではありません。
雪道   :
氷でなければ滑りながらも走れるでしょう。
コーナー :
オーバースピードだと横方向へ階段状にガガガっと僅かずつ振り出されます。
燃費   :
新車装着タイヤとの比較で落ちます。

 

サイズラインナップは?

opencountru_hustler今回のリリースは軽自動車用2サイズのみ

165/60R15:
ハスラー、キャストアクティバ
185/85R16:
ジムニー

要望が多ければ、北米で展開されているサイズの発売もありそうです。

 

まとめ

オンロードでのある程度の快適性能も確保しながらオフロードの走破性も持ちます。
見た目もクロカンスタイルに出来、ジムニーは勿論ハスラーやキャストアクティバもクロカンぽさを大幅アップして注目度もアップできます。丸さの際立つキャストには少々見た目のエッジがきつ過ぎるかもしれません。
エンジンが運転席から近い軽自動車なのでエンジン音により走行音はそれほど気になりませんし、この手のタイヤとしては乗り心地のゴロゴロ感は少ないと思います。しかし、この手のタイヤですから快適を期待してはいけません。

 

ハスラーやキャストでこのタイヤを検討されていて、口コミを参考にするならラダーフレームのトヨタ系の四駆の方の意見は鵜呑みにしない方が良いと考えます。というのもナビゲーターもトヨタ四駆にマッドタイヤを履かせて乗っていたのですが、ラダーフレームは振動などを運転席に伝えにくいようで、「すごくウルサイ!」、「乗り心地最悪!」と言われているタイヤでもそれほど気になったことがなかったのです。車の骨格構造がモノコックフレームであるハスラーやキャストは全く違うと考えた方が無難です。

 

裏話

ナビゲーターのお客様でも、日本に正式上陸する前に並行輸入品でジムニーに履いて楽しんでいる方が何人かいらっしゃいます。雪深い地域に走って遊べる場所があるそうで、意図的に滑らせてみたり、しっかりトラクションするのを楽しんだりと遊んでいます。乗り心地や音もそれほど不快感がなくスタイルとしてもカッコイイので見た目だけで履くのもありだと思います。

 







タイヤサイズ

日本販売サイズ
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北米販売サイズ-並行輸入品で買えるサイズもあります

インチタイヤサイズ備考
2237x12.50R22LT 123QE
35x12.50R22LT 117QE
37x13.50R22LT 123QE
2037x12.50R20LT 126QE
35x12.50R20LT 121QE
35x12.50R20LT 125QF
33x12.50R20LT 114QE
37x13.50R20LT 127QE
35x13.50R20LT 121QE
LT305/55R20 121/118QE
LT305/55R20 125/122QF
LT295/55R20 123/120QE
LT285/55R20 122/119QE
LT325/60R20 126/123QE
LT315/60R20 125/122QE
LT285/60R20 125/122QE
LT275/65R20 126/123QE
1835x12.50R18LT 123QE
33x12.50R18LT 118QE
37x13.50R18LT 124QD
LT285/60R18 122/119QE
LT285/65R18 125/122QE
LT275/70R18 125/122QE
LT285/75R18 129/126QE
1737x12.50R17LT 124QD
35x12.50R17LT 121QE
37x13.50R17LT 121QD
LT295/70R17 121/118QE
LT285/70R17 121/118QE
LT255/80R17 121/118QE
16LT305/70R16 124/121QE
LT315/75R16 127/124QE
LT285/75R16 126/123QE
LT265/75R16 123/120QE
1531x10.50R15LT 109QC
備考 C ~ F はロード ID
C : 6 プライ相当
D :8プライ相当
E : 10 プライ相当
F : 12 プライ相当

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2016-2017年シーズンスタッドレスが出揃ったので特徴をまとめておこう

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これだけ見ておとけば大丈夫。国内、海外有名メーカーのスタッドレス比較簡単まとめ。
新商品を出すところ出さないところ据え置くところ、各社様々な動きです。では、この冬のスタッドレスタイヤのラインアップと特徴をみていきます。

 

新商品

普通乗用車用

ダンロップから普通乗用車用スタッドレス「WINTER MAXX 02 WM02(ウィンターマックス ゼロツー)
摩耗に強く、アスファルトでもしっかり走れるWINTER MAXX WM01の後継モデル。先代のWINTER MAXX WM01はDSX2から飛躍的に氷上性能をアップさせましたが、効きの持続性が課題でした。そこで今回のWINTER MAXX 02の目玉は「氷上での効きの持続性アップ」です。効きが長持ちしてくれます。

 

SUV用

ヨコハマからSUV用スタッドレス「iceGUARD SUV G075(アイスガード エスユーヴィ ジーゼロナナゴ)
長らくSUV、四駆タイヤとして高いブランド力を発揮してきた「GEOLANDAR(ジオランダー)」の冠を捨て、アイスガードの冠にすげ替え。「SUVに、飛躍の氷上性能を」をテーマに氷上性能の向上に注力して開発されており、氷上制動性能を従来品(「GEOLANDAR I/T-S」)より23%向上させています。

 

ラインナップ

ブリヂストン

ブリザック:高吸水発砲ゴム採用、北海道・東北装着率No.1スタッドレスタイヤ

BLIZZAK VRX(ブリザック ヴイアールエックス)

氷上性能と効きの持続性は最も高いレベル
アスファルト上で使用すると摩耗が早い

 

BLIZZAK REVO GZ (ブリザック レボ ジーゼット)

氷上性能と効きの持続性はVRXやアイスガード5プラスに次ぐ高いレベル
アスファルト上で使用すると摩耗が早い、走行安定性がやや低い

 

BLIZZAK DM-V2 (ブリザック ディーエムブイツー)

SUV用としては氷上性能と効きの持続性は最も高いレベル
アスファルト上で使用すると摩耗が早い

 

ヨコハマ

アイスガード:スポンジ状の高吸水ゴム採用、温度対応スタッドレス

iceGUARD 5 PLUS (アイスガード5プラス)

氷上性能と効きの持続性は最も高いレベル
アスファルト上で使用すると摩耗が早い

 

iceGUARD TRIPLE PLUS iG30+(アイスガードトリプルプラス)

安価ながら比較的高い氷上性能と効きの持続性
アスファルト上で使用すると摩耗が早い、走行安定性がやや低い、雨に弱い

 

iceGUARD SUV G075 (アイスガード エスユーヴィ)

SUV用としては氷上性能と効きの持続性は最も高いレベル
摩耗に強くなったものの、それでも減りはやや早い

 

ダンロップ

ウィンターマックス:ナノフィットゴムによる密着スタッドレス

WINTER MAXX 02 WM02 (ウィンターマックス ゼロツー)

夏タイヤと遜色ない走行性能と摩耗耐性ながら高い氷上性能、効きの持続性も良
氷上性能、効きの持続性ともブリザックやアイスガードの最新モデルには及ばない

 

WINTER MAXX 01 WM01 (ウィンターマックス ゼロワン)

夏タイヤと遜色ない走行性能と摩耗耐性ながら高い氷上性能
効きの持続性がやや早い

 

WINTER MAXX SJ8 (ウィンターマックス エスジェイエイト)

夏タイヤと遜色ない走行性能と摩耗耐性ながら比較的高い氷上性能
効きの持続性がやや早い

 

トーヨー

ガリット:国内メーカースタッドレスタイヤとしては最も安価

GARIT GIZ(ガリット ギズ)

国内プレミアムモデルとしては最も安価なスタッドレスタイヤの一角
氷上性能も効きの持続性も今一つ

 

GARIT G5 (ガリット ジーファイブ)

国内メーカースタッドレスタイヤとしては最も安価な内の一つ
雪道はなんとか及第点、氷上での効きは残念

 

Winter TRANPATH MK4α
(ウィンター トランパス エムケーフォーアルファ)

唯一のミニバン専用スタッドレスタイヤでフラつきにくく偏摩耗しにくい
氷上性能も効きの持続性も今一つ

 

OBSERVE GSi-5 (オブザーブ ジーエスアイ ファイブ)

国内SUV用としては最も安価なスタッドレスタイヤの一角
氷上性能も効きの持続性も今一つ







 

グッドイヤー

アイスナビ:摩耗に強く、撥水シリカでの除水して効くスタッドレスタイヤ

 

ICE NAVI 6 (アイスナビ シックス)

十分な雪上性能、高い耐摩耗性能、中程度の氷上性能
ゴムの硬化が早目、ノイズが大きい、販売チャンネルが少ない

 

ICE NAVI ZEA2 (アイスナビ ゼア ツー)

しっかりした乗り味、高い耐摩耗性能、それなりの雪上性能
氷も雪も効きが今一つ、販売チャンネルが少ない

 

ICE NAVI SUV (アイスナビ エスユーブイ)

十分な雪上性能、高い耐摩耗性能、中程度の氷上性能
ゴムの硬化が早目、ノイズが大きい、販売チャンネルが少ない

 

ミシュラン

エックスアイス:全ての性能を妥協しないバランス型スタッドレスタイヤ

X-ICE XI3(エックスアイス エックスアイスリー)

夏タイヤと遜色ない走行性能、トップレベルの高速性能と耐摩耗性、高い氷上性能
氷上性能とゴムの硬化は最高レベルのスタッドレスには及ばない

 

LATITUDE X-ICE XI2
(ラティチュード エックスアイス エックスアイツー)

夏タイヤと同等の走行性能、高速性能を持ち、高荷重にも強い、且つ氷上性能も高い
氷上性能とゴムの硬化は最高レベルのスタッドレスには及ばない

 

ピレリ

アイスアシンメトリコ:欧州冬用タイヤの特徴を持ち日本向けに開発したスタッドレスタイヤ

 

ICE ASIMMETRICO (アイスアシンメトリコ) ※SUVも同じ

夏タイヤに近い走行性能、高い耐摩耗性、中程度の氷上性能
ゴムの硬化が早目、横溝が狭い為か深い新雪はやや苦手

 

コンチネンタル

コンチバイキングコンタクト:横滑り防止装置対応スタッドレスタイヤ

 

ContiVikingContact6
(コンチバイキングコンタクト シックス)
※SUVも同じ

高い高速性能、高い耐摩耗性、横滑り防止装置対応、ハイパワーマシンにも負けない
ゴムの硬化が早目、ノイズが大きい

 

※下表はスマホ利用の方は横向きが見やすいと思います。

乗用車用
最新モデル
乗用車用
前モデル(現行)
SUV用バン用
ブリヂ
ストン
BLIZAKK
VRX
BLIZAKK
REVO GZ
BLIZAKK
DM-V2
BLIZAKK
VL1
ヨコハマiceGUARD
iG50 plus
iceGUARD
iG30 plus
iceGUARD
SUV G075
SY01V
ヨコハマ軽積載
iceGUARD
iG91
ダンロップWINTER
MAXX
02
WINTER
MAXX
01
WINTER
MAXX
SJ8
WINTER
MAXX
SV01
トーヨーOBSERVE
GARIT
GIZ
GARIT
G5
OBSERVE
GSi-5
DELVEX
934
トーヨーミニバン専用
Winter
TRANPATH
MK4α
グッド
イヤー
ICE NAVI
6
ICE NAVI
ZEA Ⅱ
ICE NAVI
SUV
ICE NAVI
CARGO
ミシュランX-ICE
XI3
-LATITUDE
X-ICE
XI2
-
ピレリICE
ASIMMETRICO
-ICE
ASIMMETRICO
SUV
-
コンチ
ネンタル
Conti
VikingContact
6
-Conti
VikingContact
6 FOR SUV
-






 

まとめ

今年のオススメ

➀「WINTER MAXX 01」:性能上々、昨年までの最新モデルが今年格安
➁「昨年モノ BLIZZAK VRX」:氷上最強、2015年製が安く出回っている模様
➂「iceGUARD 5 PLUS」:昨年各社のデータをまとめた結果、当サイトでは氷上最強に輝いた

 

氷上優先

➀「BLIZZAK VRX」、「BLIZZAK REVO GZ」、「iceGUARD 5 PLUS
➁「WINTER MAXX 02」、「iceGUARD TRIPLE PLUS

 

年間走行距離が少ないので年数持たせたい

➀「BLIZZAK VRX」、「BLIZZAK REVO GZ」、「iceGUARD 5 PLUS
➁「WINTER MAXX 02」、「iceGUARD TRIPLE PLUS

 

夏タイヤのような走行性で高速走行なども快適

➀「X-ICE XI3」、「ContiVikingContact6
➁「WINTER MAXX 02」、「WINTER MAXX 01」、「ICE ASIMMETRICO

 

走行距離が多い方向きな摩耗に強いもの

➀「X-ICE XI3」、「ContiVikingContact6」、「ICE NAVI6
➁「WINTER MAXX 02」、「WINTER MAXX 01」、「ICE ASIMMETRICO

 

静か

➀「X-ICE XI3
➁「BLIZZAK VRX」、「iceGUARD 5 PLUS

 

最後に

新商品が乗用車用とSUV用が1つずつと少し寂しいですが、性能もだいぶん頭打ちで、各社次の一手に苦しんでいるようです。だけど、氷上性能を上げるのが難しくなってきたって言ったって、「燃費」だったり「静かさ」だったり(まぁそれも大事なんだけど)なんてところにあまりに力を入れるのも「まだ」違うんじゃないかと思うんです。

 

ナビゲーターとしては、試乗会なんかでスケートリンクを走行した際には「まだまだ滑るな」と感じるわけです。そうそう出会うこともないのかも知れないけれど、もしスケートリンクほど過酷な条件に遭遇したら最新のスタッドレスでも「全然まだまだ」と感じるわけです。

 

そこでナビゲーターは声を大にしてお願いしたい!夏タイヤで乾燥路を走っているように氷上を走れるスタッドレスタイヤを目指して!と。
無理を言っているのは重々承知ですが、やはりタイヤはどこまで行っても機能性部品であり安全を守るのが最重要事項です。となれば現状のスタッドレスタイヤはまだ十分とは言えないのではないかと考えてしまうわけです。乾燥路と同じは言い過ぎとしてもね。

 

とは言え一昔前のスタッドレスタイヤからしたら飛躍的に性能アップして、安心できるものになっているんですけどね。

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