「コラム」カテゴリーアーカイブ

・オートバックスのオリジナルスタッドレスの性能は?

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大手カー用品量販店「オートバックス」はオリジナルスタッドレスタイヤを販売しています。価格は国内メーカー品より大幅に安いのですが性能はどうなんでしょうか?

 

今年のタイヤは?

名前は?

ICE ESPORTE(アイス エスポルテ)

製造は?

ブリヂストン製です。ブリヂストンと言えば、そのスタッドレスブランド「ブリザック」は氷上での信頼性の最も高いメーカーで東北北海道では約半数がブリザックを履いているというデータもあるほどです。
因みに先代の「North Trek N3i(ノーストレックN3i)」はダンロップタイヤの住友ゴム製でした。

 

パターンは?

以前にブリヂストン系のお店で販売されていた「ICEPARTNER(アイスパートナー)」のパターンそのままです。コンパウンドも基本的には変わっていないとのことです。

位置づけは?


アイスパートナーとは2012年発売にされたタイヤです。その頃の最新モデルと言えば「BLIZZAK REVO GZ」で廉価モデルとして販売されていたのが「BLIZZAK REVO 2」でした。そしてアイスパートナーは他メーカーより商品が高額なブリヂストン系の販売店で他社商品に対抗するために発売された専売の最廉価品です。つまり2006年に発売された「REVO 2」より更に抑えた性能にされています。
そして今回の「ICE ESPORTE」はそれと同等のスペックと言って良い製品というわけです。つまり、ざっと10年前のスタッドレスタイヤと言い換えても間違いではないでしょう。

 

制動性能は?

➀REVO2より低い性能ということで仮にREVO1と同等と仮定します。
➁ブリヂストンの制動性能の向上のカタログ値を信用するとしてVRX2とREVO1を比較します。
➂VRX2 (対比10%)VRX(対比10%)REVO GZ(対比12%)REVO2(対比12%)REVO1
単純計算ですがVRX2の方が約37%も早く止まります。
VRX2が19mほどで止まる状況でICE ESPORTEでは止まるまでに30mかかることを意味します。改めてみると10年程でこれほど性能アップしたことに驚きます。

 

価格は?

サイズ195/65R15の価格はオートバックスのネット通販でホイール付き4本セット47,304円で売られています。
VRX2なら楽天で85,000円ほどで販売されており大きな価格差があります。
VRXなら楽天で65,000円ほどで販売されていますが価格差はまだ大きいです。
国内メーカーで安価で比較的信頼性の高いダンロップ WINTER MAXX 01 WM01なら53,000円ほどで価格差はそれほどありません。

 

オートバックスのタイヤ担当に聞いてみた

ナビゲーターの友人にオートバックスのタイヤ担当がいるので聞いてみたことがあります。
ナ:ナビゲーター、AB:オートバックス担当

 

ナ:
ぶっちゃけどうなの?
AB:
まぁ本当はあまり売りたくないんだよね
ナ:
やっぱり性能は微妙ってこと?
AB:
よくなって来たけどメーカー品に比べると落ちるね。それとメーカー品も販売ノルマがね
ナ:
メーカー品も良くなっていくしね。でも本部から割り当てで送られてくるんでしょ?
AB:
あれだわ。コンビニの恵方巻みたいな(笑)
ナ:
あーなるほど(笑)
AB:
売り切らないと残っても困るから売るんだけどクレームとか気を付けてる
ナ:
滑ったとか言われるわけだ
AB:
そうなんだよね。だから値段値段っていうお客さんにメーカー品より劣るって説明した上で売るようにしてる
ナ:
安いから武器でもあるけど大変だね
AB:
まぁでも今年はブリヂストン製だから売りやすいよ

 

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まとめ

・名前はICE ESPORTE(アイスエスポルテ)です。
・ブリヂストン製です。
・ブリヂストン系ショップで販売されていた廉価スタッドレスICEPARTNERの再販のようです。
・制動性能は10年前のスタッドレスタイヤと同程度と考えられます。
・最新のVRX2との制動性能の差は約37%もあります。
・現行のカタログモデルの廉価品より更に安い。
・山間部や雪国ではお勧めしません。

 

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・ミニバン専用タイヤのトランパスが再編か?

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トーヨータイヤの人気ミニバン専用タイヤ「トランパス(TRANPATH)シリーズ」が再編されるようです。

 

時期

不明・・・夏以降?

 

現在のラインナップ

プレミアム:
TRANPATH LuⅡ
ハイト系軽自動車用プレミアム:
TRANPATH LuK
ハイパフォーマンス:
TRANPATH ML
スタンダード:
TRANPATH mpZ

TRANPATH SU SPORTはややジャンル違いですし、既に生産終了なので除外

 

背景

ラインナップが多くなり過ぎていることと、どうやらトーヨーとしては思うように販売が伸ばせていないことが原因のようです。
2016年4月、ハイパフォーマンスの「TRANPATH ML」を発売し、拡販しようとしたものの2年経っても低価格帯の「TRANPATH mpZ」ばかりが売れてしまっているのが実情です。トーヨーが世に送り出し、稼ぎ頭の「ミニバン専用タイヤ」ですから、再度ユーザーの嗜好を見直した再編が必要でしょう。

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まとめ

・トーヨーのミニバン専用タイヤ「トランパス」が再編されるようです。
・ラインナップが乱立、拡販が上手くいっていないための再編のようです。
・一本化する話が出ていますが、主力と上位モデルはラインナップすると予想します。
・軽用は別枠でなく主力のサイズラインナップ追加になると予想します。

 

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・今年の売れてるハイト系コンパクト「タンク、ルーミー、トール」のスタッドレス選び

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ご家族連れに人気のミニバンやハイト系軽自動車、更にソリオから始まって最近流行してきているのがハイト系コンパクトです。そのハイト系コンパクトで2016年末に発売され人気となっているのがダイハツのトールとそのOEM車トヨタのタンク、ルーミーです。今季そのスタッドレスの需要が高く、タイヤによっては既にメーカーの在庫なくなり今季終了の報告が出ているものもあるので必要な方は急いだ方がよさそうです。

 

純正採用されているサイズ

➀15インチ採用車
➁14インチ採用車

 

タイヤサイズ

➀175/55R15
➁165/65R14

 

ホイールサイズ

ホイール幅J x インチ (インセット) ナット穴数 / PCD
➀5.0J x 15 (40) 4/100
➁5.0J x 14 (35) 4/100

 

装着可能サイズ

➀15インチ採用車は14インチまでインチダウンが可能です。
➁14インチ採用車はインチダウンできません。

 

タイヤサイズ

➀15インチ車なら175/55R15を履くか、165/65R14を履くのがセオリーでしょう。
➁14インチ車は純正サイズである165/65R14を履くのがセオリーでしょう。

 

ホイールサイズ

ホイールメーカーやモデルにもよりますが凡そ以下のサイズの範囲なら装着が可能でフェンダーからのはみ出しもなく、一般的な販売も多いオーソドックスなサイズです。
※ホイールによってはみ出しやブレーキ干渉が発生する場合があるため、必ず販売店に確認してください。
➀15インチ
5.5J × 15 (42~45) 4/100
5.0J × 15 (35~38) 4/100

 

➁14インチ
5.5J x 14 (42~45) 4/100
5.0J x 14 (35~38) 4/100

 

純正サイズと適度なインチダウン

理想はノーマルタイヤと同じタイヤサイズですが、インチが大きい方が高額になります。
そこでナビゲーターは予算が許せばノーマルタイヤと同じサイズをお勧めしています。予算を抑えたい方には1インチダウンをお勧めしていますが、それ以上のインチダウンは氷上性能や走行性能の観点からお勧めしていません。
インチダウンについて詳しく知りたい方はインチダウンのメリットとデメリットを参考にしてください。

 

15インチに採用されているタイヤサイズは今まで三菱アイかスマートくらいでしか使われていなかったためレアサイズであり、扁平率55のタイヤは高額です。凍結の多い地域なら15インチを維持することで175の幅を維持するメリットもありますが、準降雪地域なら費用対効果が高くないので14インチにしてしまっても良いのではないかと考えます。多少の走行性能の低下などは冬のこととして我慢して予算を抑える方が賢明と言えそうです。

 

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どのタイヤを選ぶか

氷上性能重視

ブリヂストン BLIZZAK VRX2

最も高額な部類ではあるものの氷上性能は最高クラスであり、効きの持続性も最高クラスです。柔らかなトレッドですがケース剛性が高いのでハイト系のこの車であっても比較的高い安定感が得られます。
➀凍結の多い地域や坂の多い地域向き。
➁走行距離が1,000km/月以下で年数乗りたいあなたにお勧め。
➂トレッドは柔らかいもののケース剛性は高いので、走行性能も悪くない。

VRX2について詳しく

 

ヨコハマ iceGUARD6 iG60

それなりの値段はしますが氷上性能は最高クラスであり、効きの持続性も最高クラスです。
➀凍結の多い地域や坂の多い地域向き。
➁走行距離が1,000km/月以下で年数乗りたいあなたにお勧め。
➂ブリザックは高過ぎるので、氷に強く予算を抑えたタイヤをお探しのあなたにお勧め。
iceGUARD6 iG60について詳しく
 

価格重視

ヨコハマ iceGUARD5 Plus iG50

最も安価な部類でありながら、高い氷上性能を持ったタイヤです。
➀溝があれば3シーズンは雪国でも問題なく使える。
➁第一優先は価格だけど氷も怖いあなたにお勧め。
➂どちらかと言えば中型車程度の車重の重くない車にお勧め。
iceGUARD5 Plus iG50について詳しく
 

ダンロップ WINTER MAXX 01

最も安価な部類であり、氷上性能もそれなりにあり、しっかりした走行性能を持っています。車重が重めで背が高いので硬めのこのタイヤを選択すると走行に安定感があります。
➀摩耗に強いのでアスファルトの上を走ることが多い準降雪地域向き。
➁優先順位の上位は価格だけど万が一の雪には対応したいあなたにお勧め。
➂しっかりしたタイヤなので重い車でも安定。シーズン早めから履いても摩耗の心配が少ない。
WINTER MAXX 01について詳しく
 

まとめ

・15インチ採用車、14インチ採用車ともに「165/65R14」の装着で問題ないでしょう。
・15インチ採用車で走行性能を出来るだけ低下させたくない方や出来るだけ高い氷上性能を得たい方、スタイルにこだわる方は15インチを維持してください。
・比較的車重があり背の高いこの車の特性を考えると、ウィンターマックスのような硬めでしっかりしたタイヤが向います。
・一方でより柔らかいタイヤの方が氷上性能が髙い傾向にあるので、多少走行性能が落ちても氷上優先ならブリザックかアイスガードがお勧めです。

 

氷上性能優先なら、VRX2、iceGUARD6がお勧め。
比較的安価で氷に強いものを選ぶなら、iceGUARD5 Plusがお勧め。
比較的安価で雪に対応できるものを選ぶなら、WINTER MAXX 01がお勧め。
準降雪地域でたくさん走るなら、WINTER MAXX 01がお勧め。

 

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・2017年-2018年オススメのスタッドレスタイヤ4プラス1

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今期履くべき、あなたにお勧めのスタッドレスタイヤをご紹介します。

 

【2018年11月追記】
今シーズン追加されたスタッドレスタイヤはファルケン ESPIA W-ACEコンチネンタル VikingContact7です。ともにウェットを意識した設計になっているためウェット性能が気になる方は考慮に入れて頂いて良いと思いますが、ナビゲーターのオススメは昨年と変わりません。

 

1.ブリヂストン BLIZZAK VRX2
(ブリザック ヴイアールエックスツー)

オススメポイント

なんと言っても氷上性能です。北海道、北東北主要5都市では2台に1台がブリザックを履いていることからも凍結路面での信頼性がうかがえます。
効きの持ちが良いのも特徴で、使用環境や保管環境にもよりますが溝さえあれば4年は大丈夫。5年目でも効いてくれる可能性のある数少ないスタッドレスです。

 

ウィークポイント

やはり価格の高さでしょう。販売されているスタッドレスタイヤの中では最も高価な部類です。スポンジ状のゴムであるので摩耗にはあまり強くありません。常に雪がついているような地域では問題ありませんが、アスファルト上を走る機会の多い準降雪地域で走行距離の多い方には不向きかも知れません。骨格構造はしっかりしていますが効くためのゴムは軟らかいのでグイグイ走っていく方には不向きかも知れません。

 

こんなあなたにオススメ

凍結の多い地域の方であればブリザックを履いているときの心強さはよくご存じのはずです。他社のタイヤで登れない車がいる中ブリザックを履いていたので登っていけたというケースもあります。自宅前が日陰でよく凍るあなたや度々凍結する坂道なあなたには日々の安心感を与えてくれます。雪山レジャーに行く方もスキー宿や温泉街ではよくある道が狭くて坂がきついといった怖い環境でも安心感が違います。
準降雪地域であっても走行距離が年間10,000kmに満たないあなたは多くのシーズン使用できて逆にお得という考え方もあります。しかもその間、最上級の氷上安全性能が得られるのですから少々高い買い物をする価値もあります。

 

BLIZZAK VRX2(ブリザック ヴイアールエックスツー)詳細と購入

 

2.ヨコハマ iceGUARD6 iG60
(アイスガード6)

オススメポイント

非常に高い氷上性能でありながらブリザックより大幅に安い価格で購入できます。ナビゲーターの価格調査では70~80%ほどの価格で購入できることが多いようで4本購入すれば何万円も安く上がります。効きの持ちも最新のブリザックVRX2レベルであり、使用環境や保管環境にもよりますが溝さえあれば4年はまず問題ないでしょう。

 

ウィークポイント

若干ケース剛性が弱いのか高速走行での飛ばす方は横剛性に不満を感じる可能性があります。常に雪がついているような地域では問題ありませんが、アスファルト上を走る機会の多い準降雪地域で走行距離の多い方にはやや不向きかも知れません。

 

こんなあなたにオススメ

凍結が多く高い氷上性能を必要とするけれど、最新のブリザックは少々高いと感じるあなたにはこのスタッドレスタイヤがお勧めです。ウィンタースポーツや温泉など雪山に出向く方は勿論、通勤で早朝や夜遅くに運転するあなたはこのタイヤを履いておいて良かったと感じられるでしょう。様々な凍結路に対応してくれるので日本の変化にとんだ雪道に安心感のある走りを提供してくれます。
雪国のあなたに良い選択の一つなのは勿論、準降雪地域であっても走行距離が年間10,000kmに満たないあなたは4シーズンは新品時に近い氷上性能が保たれ安心感を得られるでしょう。

 

iceGUARD 6(アイスガード シックス)詳細と購入

 

3.ミシュラン X-ICE3+
(エックスアイス3プラス)

オススメポイント

新たな技術Mチップの導入で氷上性能も大幅にアップさせながら夏タイヤ相当の速度レンジ(H,T)を保ち、非常に高い高速安定性も両立したスタッドレスタイヤです。スタッドレスタイヤとしては静粛性能も高いため走行音も気になりません。耐摩耗性能もスタッドレスタイヤの中でトップクラスです。今では数が減った方向性パターンは深い雪やベチャ雪でも排雪性が高く強いです。

 

ウィークポイント

発売サイズが少ない。来シーズン以降に順次サイズ追加されるでしょう。元々硬めのコンパウンド設定に加え、ブリヂストンやヨコハマに比べると硬化速度が速いので経年による性能低下は顕著で3年で若干の性能低下を感じ始め、4年目には明らかな低下を実感することでしょう。ブリヂストンやヨコハマの耐経年劣化性能が高いのであってミシュランは平均的なのですが上を見ると弱点と感じてしまいます。

 

こんなあなたにオススメ

準降雪地域でたくさん走るあなたに特に向いています。走行性能が髙いので走りにこだわるあなたにお勧めです。準降雪地域や非降雪地域にいてウィンタースポーツなどのために降雪地域に行くあなたは行き帰りの高速では安定した走行が出来て、現地でもしっかり氷に効いてくれる本タイヤの選択は最上の一つになるでしょう。

 

X-Ice3 plus(エックスアイス スリープラス)詳細と購入

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4.ヨコハマ iceGUARD5 Plus iG50
(アイスガード5プラス)

オススメポイント

昨年まで最新だったためプレミアムの位置づけだったスタッドレスタイヤがスタンダードモデルになって大幅に安くなっているためお勧めです。値段だけでなく氷上性能も高く、効きの持ちも良いためコストパフォーマンスが非常に高いお勧めスタッドレスタイヤです。

 

ウィークポイント

耐摩耗性能が髙くないので準降雪地域で年間走行距離が12,000kmを超える方には向かないかも知れません。今期は生産数が相当少ない上に市場の動きが早く、既にかなりのサイズでメーカーから今季終了の報告が来ているので購入を考えている方は急いだ方が良いでしょう。販売サイズ自体もかなり絞っているので今期の在庫限りで終了のサイズも多くありますので注意が必要です。

 

こんなあなたにオススメ

最新スタッドレスタイヤまでは必要ないが出来るだけ氷に強いモデルが欲しいあなたにはピッタリです。準降雪地域の備えには勿論、凍結の多い地域であっても十分な性能です。雪道に慣れているあなたなら問題は感じないでしょう。

 

iceGUARD 5 PLUS詳細と購入

 

プラス1.ダンロップ WINTER MAXX 01
(ウインターマックス01)

オススメポイント

有名メーカーのスタッドレスタイヤの中では今期最も安い部類でありながら氷上での効きも中々な庶民の味方なスタッドレスタイヤです。しっかりしたコンパウンドなのでスタッドレスタイヤにしては安定した走行性能を持っています。スタッドレスタイヤの中では高い耐摩耗性を持っています。

 

ウィークポイント

最上級とは言えない氷上性能ですが準降雪地域なら十分と言えるでしょう。効きの持続性は平均的で3年目までは問題ありませんが4年目からは性能低下を顕著に感じるでしょう。タイヤ自体がかなり重いのでスタッドレスタイヤであってもハンドリングを気にする方は別の選択をした方が良いのかも知れません。

 

こんなあなたにオススメ

乾燥路での走行性能を重視して、もしもの雪や凍結にも対応したいといった準降雪地域で主に通勤に車を使用しているあなたにピッタリです。価格を優先しながらも一定程度の信頼性は欲しいあなたには良い選択肢と言えます。

 

WINTER MAXX 01 WM01詳細と購入

 

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・VRXとiG50plusの氷上性能の矛盾を考察【1】

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2015年に比較したときはアイスガード5プラスが勝利した氷上制動性能。しかし、2017年に公表されたデータではブリザックVRXの圧勝と逆転してしまった。矛盾が出た以上なかったことにはできません。なんとかナビゲーターの出来る範囲で原因を考察してみましょう。

 


<目次>

2015年のおさらい

2017年のおさらい

VRX同士の大きな差

大きな差を生んだ原因考察

今回のまとめ

 

続きは考察中

 


 

2015年のおさらい

まずは2015年に公表されたデータを見てみましょう。

タイヤ銘柄ブリザック
ヴイアールエックス
BLIZZAK VRX
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温5.9℃
路面温度データなし
試験速度20km/h
制動距離14.7m
タイヤ銘柄アイスガード5プラス
ice Guard5 PLUS
iG50+
車種ノア
排気量2,000cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15
タイヤ空気圧240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ
路面状況氷盤
気温3.9~4.0℃
路面温度-1.6~-1.4℃
試験速度20km/h
制動距離13.0m

氷上制動距離は「VRX」で14.7m、「iG50plus」で13.0mと確かにアイスガードが勝利しています。アイスガードの試験環境の方がやや気温が低いことから、氷盤路面の温度もアイスガードの方が低いことが予想されます。氷盤路面では水膜の出来やすさが氷上制動性能に大きく影響し、0℃付近では多くの場合少しでも温度が低い方が有利なようです。その点で言えばアイスガードの方が若干有利な条件で試験が行われているのかも知れません。

 

2017年のおさらい

次に2017年のデータを見ていきましょう。

タイヤ銘柄ブリザック
ヴイアールエックス
BLIZZAK VRX
車種50プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15 91Q
タイヤ空気圧F)250kPa R)240kPa
場所秋田県立スケート場
(室内)
路面状況氷盤
気温1.3℃
路面温度-2.3℃
試験速度20km/h
制動距離11.45m
タイヤ銘柄アイスガード5プラス
ice Guard5 PLUS
iG50+
車種50プリウス
排気量1,800cc
前輪駆動
ABS作動
2名乗車相当
タイヤサイズ195/65R15 91Q
タイヤ空気圧F)250kPa R)240kPa
場所軽井沢風越公園
アイスアリーナ(室内)
路面状況氷盤
気温6.7~7.2℃
路面温度-1.0℃
試験速度20km/h
制動距離14.2m

氷上制動距離は「VRX」で11.45m、「iG50plus」で14.2mとブリザックが圧勝しています。使用車種など試験条件はそれなりに近く、今回の氷盤温度の条件はブリザックがやや有利なようです。2015年時と違い、ブリザックとアイスガードで試験場所が異なることが少し気になります。

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VRX同士の大きな差

ブリザックとアイスガードの比較云々の前にスッと飲み込めないことがあります。2015年時の試験を基準に考えて約22%も制動距離が縮んでいるのです。同じサイズの同じタイヤなのにここまで氷上制動距離が違っていいのでしょうか?何か根本的に問題があるような気もしますが、試験の環境から原因となる要素を考えていきましょう。

 

➀温度差

氷盤路面の温度は2015年はデータが公表されていないので直接の比較は出来ませんが、2017年の方が気温が3.6℃も低いので2017年の方が多少はやさしい条件と言って良いでしょう。

 

➁空気圧

一般にタイヤは空気圧を下げる方がトラクションがかかりやすくなるため、わずかに2017年の方が厳しい条件と言えますが無視できる差でしょう。

 

➂車種の差

車種の差からくる車重の差は制動距離に大きな影響を及ぼし当然重い方が厳しい条件と言えます。つまりノア(約1,600kg)の方がプリウス(1,400kg)より厳しい条件なので2017年の方がかなりやさしい条件と言えます。

 

総合

➀~➂を総合すると2017年の条件の方が明らかにやさしく氷上制動距離が短いのも頷けます。しかし、それにしても制動距離に22%もの差が出たのは何故なんでしょうか?次項でもう少し突っ込んで考えてみましょう。

 

大きな差を生んだ原因考察

ブロックの倒れこみ

実はナビゲーターはこの数年VRXを見てきて気になっていることがあります。重い車に装着したときやアグレッシブな運転をする方では極端に摩耗が早いケースを散見するのです。

左の模式図を見てください。トレッド剛性が十分でないとブロックが倒れこみます。「VRX」を含め最新の多くのスタッドレスタイヤはサイプの間をギザギザにしてお互いを支えるようにしたり様々な方法でこれを防いでいます。しかし、それでもコンパウンドが軟らか過ぎたり倒れこみ方向に十分な厚みがなければ、制動時に模式図のような角が立ち過ぎた状態になります。そして点に負荷が集中すれば消しゴムの角を使った時のように顕著に減っていきます。これが「VRX」の早期摩耗の原因ではないかと考えられるのです。

 さて、氷上性能に話を戻しましょう。もし上の模式図の状態が起こっているとするならばタイヤと路面との接地面積は極端に小さくなっていることになります。左は線で路面をとらえているのに対し、右は面全体で路面をとらえており後者の方が効くのは当然であり仮説は理にかなっていると言えそうです。

 

もう1つの事実

ナビゲーターが実際に履いてみて感じたことはトレッド剛性が弱すぎるのではないかという疑いです。「VRX」を履いたことのある方の中には一定数同様の感想を持つ方がいるのではないでしょうか。ナビゲーターが「VRX」を使ってみて感じていた感覚として、時速50~60km程度の中速域以上でABSが作動するような高い負荷のかかるブレーキングをすると極端に制動距離が延びると感じていました。つまり極端に大きな負荷でなくともブロックが大きく倒れこみ、理想的な接地面を失う限界点が低いのではないかと考えていたのです。

 

今回立てた仮説と使用した感覚から考えられることが符合していることから仮説はより信憑性のあるものになったと考えられないでしょうか。そして、2015年の試験に使用された車種「ノア」は車重が重い割にタイヤが細く重心も高いため、狭い面積に大きな力がかかりブロックが大きく倒れこんだと考えられます。それに対し「50系プリウス」はかなりマイルドな条件と言え、ブロックの極端な倒れこみがなかったため大きな差を生んだと考えられます。

 

リンクの差

そしてもうひとつ。これは確かめようのない事実ですが、2015年と2017年の2つの試験は別の場所で行われており、リンクの氷の状態が大きく違う可能性がああります。
これを言うと全てをぶち壊す可能性がありますが敢えて言います。氷の状態で制動距離は大きく変わります。少し脱線しますが、長野オリンピックではスピードスケートのリンクを作成する際に「輪切りにした氷筍を敷き詰めてリンク」としました。これは氷筍はほぼ完全な単結晶でありよく滑るためです。このリンクは数々の新記録を生み出すだろうと予想され、予想通りスピードスケート10競技中4競技で世界新記録を樹立しました。話を戻しましょう。氷筍が敷き詰められているようなことはないでしょうが、別会場で行われた試験ではリンクの作り方や整備の仕方が違い環境が大きく違ったために、これが試験結果の大きな差を生み出すひとつの要因になったことも考えられます。

 

今回のまとめ

➀「VRX」の2つの試験の大きな差として考えられる最も大きな要因は車種による車重の差。
➁車重により大きな差が出たのは「VRX」のトレッド剛性の弱さの可能性がある。
➂本文では触れませんでしたが「REVO GZ」まではあった重量車専用チューニングがなくなったためケース剛性が落ち、負荷がかかった際の接地面形状が理想的でない可能性。

 

次回

長くなってしまったので続きは次回にします。次はアイスガード5プラスの試験の矛盾について触れていきます。

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・お出掛け前にこれだけはやっておこう

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レジャーや里帰りなど何かと長距離移動が多いこの時期、移動中のトラブルは絶対避けたいものです。レジャーへ行き道でトラブルが発生し遊べなかったなんてことになったら、準備不足なお父さんへの視線が刺さります。ましてパンクなどが原因で事故など起こしてしまったら家族や他人を巻き込む大惨事になってしまうかもしれません。

 

高速道路でのトラブル

高速道路における故障部位発生率はタイヤが最も多く、実に半数以上です。更に近年その割合は増加傾向にあり2014年53.4%であった割合が2015年には53.7%、2016年には55.3%まで増加しています。

 

なぜ高速道路でのタイヤ故障が増加しているのか

ガソリンスタンドのセルフ化

これにはガソリンスタンドのセルフ化が大きく影響していると言われています。セルフスタンドが普及する前は、(ガソリンスタンド側から見れば商売としての意味が強いにせよ)スタッフにの目が光っていたおかげで交換時期を迎えたタイヤが発見され注意が促され、適切に交換されていたケースが多くあったと考えられます。しかし、セルフ化されたことで注意深くタイヤを見る目が大きく減ってしまったのです。

 

ユーザー点検が十分でない

車検が義務付けられている日本はドライバーの自己メンテナンス意識が低く、国産車の故障のしにくさも影響してユーザーによる点検の目も十分ではないことが多いと言われています。このため元々タイヤ故障の割合が高かったことに加えて、前述のガソリンスタンドのセルフ化が高速道路でのタイヤ故障の割合の増加に拍車をかけてしまったと考えられます。

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長距離移動前にこれだけはやっておこう

普段からの点検が理想ですが長距離移動の前だけでもタイヤを点検しておきましょう。高速走行時のパンクは車両が制御不能に陥ることがあり非常に危険です。特に前輪のパンクは舵取りも出来ずブレーキをかければ車体が前に沈み込み横転など重大事故につながります。

 

1.空気圧点検

自動車メーカーの指定空気圧に合わせておくことが基本です。指定空気圧は以下の左図のようにドア横などに以下の右図のような記載があります。

詳しくは空気圧についてを参考にいただければと思いますが、概ね自動車メーカー指定空気圧にしておけば問題ないでしょう。この際に1本だけ空気圧が低いタイヤを見つけたら要注意です。パンクの可能性が非常に高いので異物が刺さっていないか点検しましょう。分からない場合はディーラーかタイヤ販売店に相談しましょう。
また、この時期の特に注意すべき点としては、出来るだけ気温の上がっていない朝にあまり走行せず点検することです。というのもタイヤ内の温度が上がれば1割~2割程度タイヤ空気圧が上がってしまい、タイヤが熱くなった状態で空気圧を調整すると温度が低くなった時にタイヤ内圧が低くなり過ぎてしまう場合があるためです。

 

2.タイヤ点検

トレッド面の点検

スリップサインが出ていたら完全にアウトです。公道走行が法律で禁止されているのは勿論、濡れた路面での制動距離が急激に伸びるためとても危険です。特に最近のゲリラ豪雨などで道路に水が溜まったところへ高速走行など自殺行為と言えます。
安全な場所でハンドルを目一杯切った状態でスリップサインが露出していないことを確認しましょう。その際に普通に車を停めている際には見えないタイヤの内側までしっかり確認してください。外から見て問題がなくても内減りが酷い場合があり、最悪の場合内部構造であるワイヤーが露出していることがあります。後輪はのぞき込む必要があるかもしれませんがしっかり確認しましょう。
タイヤの適切な交換時期についてへタイヤ交換目安を参考にいただければと思います。

 

タイヤ側面の点検

➀まず大きな傷がないか点検してください。傷があり内部のナイロン構造が露出している場合(白い糸が見えたらアウト)はタイヤ交換が必要です。
コブのような腫れ物があった場合は内部のナイロンコードが切れています。直ちにタイヤ交換が必要です。
図の赤線の間のように側面の文字や模様が消えている場合は、過去にパンクなどで空気圧が極端に低下した状態で走行しているため内部構造が破壊されている可能性が非常に高く危険なのでタイヤ交換が必要です。
※ナビゲーターも十分な点検がされずパンク修理がされているこの様なタイヤを年に何度も見掛けます。いつ爆発するか分からない時限爆弾をつけて走っているようなものです。

 

まとめ

以上いずれも点検は簡単ですが自分でやるのが面倒なあなたはディーラーやタイヤ販売店などにお願いすれば見てもらえます。小一時間もあれば終わります。スペアタイヤが装備されている車はスペアのエアチェックもお願いすると良いでしょう。パンク修理キット装備車で修理用の液剤を使ってしまっているあなたは必ず液剤を買い足しておきましょう。ナビゲータのおすすめ液剤はタイヤを洗って使用できるスライムスマートリペアです。コンプレッサーがある方は液剤のみの購入で十分です。
スライムスマートリペアについて詳しくはパンク現場で一人で出来る修理キット

1.旅先など馴れない場所では特にトラブルがないのが一番なので最低限の点検くらいはしておきましょう。
2.何かあったときの対策としてスペアタイヤやパンク修理キットの点検くらいはしておきましょう。
3.分からないことが出てきた場合を考えて車の取扱説明書は必ず車に積んでおきましょう。
4.自動車保険会社への連絡先とロードサービスの連絡先はスマホに登録しておきましょう。

 

それでは良き旅を

 

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BluEarth RV-02CKを装着してみたので印象をまとめてみる

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そろそろタイヤ交換の時期だった妻の車。折角なのでハイト系軽自動車やプチバンと呼ばれる背の高いコンパクトカー向けに開発されたヨコハマタイヤの新製品「BluEarth RV-02CK(ブルーアース ゼロツーシーケー)」を装着してみます。試乗などの短い時間では分からないインプレッションも記載していきます。

 

製品特徴をおさらい

偏摩耗を抑制しフラつきを抑えるよう設計されています。
➁ミニバン専用タイヤBluEarth RV02をベースにしています。
➂軽コンパクト向けでタイヤが細いため、それに合わせてパターンを最適化しています。
車重が軽く路面に押し付ける力が弱くてもグリップするようコンパウンド調整されています。
➄車輪が小さく沢山回るので➂と相反する耐摩耗性を落とさないようバランスされています。
 

タイヤ交換前

車やタイヤのスペック

いわゆるハイト系軽自動車
車種    :ホンダ N-BOX(エヌボックス)
タイヤ   :ブリヂストンNEXTRY(ネクストリー)
タイヤサイズ:145/80R13
ホイール  :純正スチール
使用年数  :3年
使用距離  :24,000km

 

NEXTRYのインプレッション

ついでなのでNEXTRYについての使用感を書いておきます。経済性に重きを置かれた軽自動車では私がNEXTRYを選択したようにエコノミータイヤを選択される方も多いのではないでしょうか?だとするとあなたも同じような不満を感じているかも知れません。
摩耗  :早い。特に前輪外側の偏摩耗が顕著。
右左折時:外に振り出される感じが顕著。明らかに大きくロールが出ている。
車線変更:フラフラするし、収まるのも遅い。

 

仕方ない部分もあるけど、うちの妻の運転のタイヤに厳しいところ

△チョイ乗りが多くスーパーなどの狭い駐車場で切り返しも多いので、すえ切りしがち。
✕右左折時に十分な減速をせず突っ込んで曲がる。
✕惰性を使って運転せず大体アクセルかブレーキのどちらかを踏んでいる。

 

こんなことも手伝ってるんだと思いますが摩耗は早い。更に安定感に乏しいので安心感も乏しい。自分でも何度も運転してみましたが、確かにしっかり減速してハンドルを切ってあげれば先の問題は緩和されますが解決はしません。全体的にはやっぱり不満が残るタイヤでした。安く大量に仕入れたので使ってみたタイヤなので仕方ないけどね。

 

さぁ交換だ!

気を取り直して今回はポジティブな理由で使ってみたいタイヤへ交換。写真撮るの忘れて放してしまったけどNEXTRYの外肩の摩耗はひどいもんでした。ローテーションしながら使ってあげたんですが偏摩耗は顕著でした。
因みに交換するタイヤにはユニフォミティ―がマーキングされていましたが、ホイールになかったのでバルブと軽点合わせで組みました。実は間違い?タイヤの黄色い点(軽点)とバルブ位置の組み付け関係

バランスも真円性もまぁまぁこんなもんですね。ホイールへ組み付けてる感覚としてはNEXTRYとさほど変わらず、最近の低燃費タイヤらしい柔らかいタイヤです。こんな柔らかくて大丈夫か?と思いつつ、サイズが145/80R13だからこんなもんだと思い直す。しかしエアーを張ってみると左右に体重かけても当然ながらしっかりしました。

 

インプレッション

まずはファーストインプレッション

おー静か~♪駐車場は屋根付きで日が当たらないとはいえ3年経って劣化したNEXTRYとの比較なので、その差は歴然です。元々静かなRV-02ベースなので当然と言えば当然です。そして滑らか~♪何となくしっとりとしていて掛かる力が分散されている感じです。タイヤから伝わってくる音や振動は明らかに少なくなりました。エンジンの音が近い軽自動車なら十分以上のレベルです。グリップは粘りつく感覚がありしっかり路面をとらえてくれます。一方で低燃費タイヤらしくスーッと走っていきます。ただ劣化して硬くなったNEXTRYの方が伸びていく感じはしました(硬い方がグリップが悪い分、転がりは伸びやすいので当然か)。

 

トータル200kmほど運転してみて

フラつきの改善は明らかで特に右左折や車線変更の際の安定感には歴然と差が出ました。にわか雨の中を走る機会もありましたが排水がしっかりされることに加えて粘りつくグリップ感で雨の日のカーブでも安心感は絶大でした。ウェットグリップ性能のラベリングは’b’ですが、結構’a’に近い’b’なのかな?という印象です。担当営業を通して開発に問い合わせてもらったところやはり’a’を目指して開発し、どうしてもあと一歩及ばなかったそうです。まだ十分な期間走ったわけではないですが、経験上ヨコハマはコンパウンドの劣化もゆっくりめなので性能の持続性にも期待が持てます

 

予想される難点

粘りつくコンパウンドはグリップが良い分摩耗はやや早そうです。偏摩耗はある程度抑制してくれるためエコノミータイヤと比較すれば持ちは2割から5割ほど良さそうですが、年間1万km以上走る方にはまだ頼りないかも知れません。







まとめ

軽自動車は経済性に重きを置いて設計された車であり、購入して使用する我々の多くもそれを重視して選択します。しかし、最近の軽自動車は様々な安全装備を備えていたり快適な空間を備えていたりと単に経済性のみを追求するだけでなく、それ以上の車になっています。そして、その最たる車がハイト系軽自動車です。高機能化に伴い車体価格も上がり新車装着タイヤも高性能になっており、多くの場合各タイヤメーカーの中上級品が装着されています。それ故、タイヤ交換の際も中級品以上をつけてあげると違和感も少なく燃費の低下なども抑えられます。そこでどうせ中上級品を付けるならハイト系に特化して設計されたRV-02CKは有力な選択肢のひとつといえます。

 

このことを踏まえて今回のBluEarth RV-02CK(ブルーアース ゼロツーシーケー)の総評は85点といったところです。

 

良かった点

➀フラつきを抑制

ハイト系特有のフラつきを抑えて安定感のある走りができる。

➁ウェットグリップが良い

ラベリング以上にしっかりグッと止まる感覚があり安心できる。

➂静かで滑らかな乗り心地

タイヤから伝わる音や振動は大きく軽減される。

 

悪かった点

➀耐摩耗性

まだ未知数な部分を評価するべきではないのかも知れませんが、摩耗はやや早そうなので更なる改良が加えられることを期待したい。

➁低燃費性

悪いというほどではないけれど普通なのでもう少し伸びたらうれしい。

 

他の選択肢

年間1万km以上走る方はダンロップ ENASAVE RV504の方がいいかもしれません。但しRV-02CKの方がやや雨に強く快適性も高い。
トーヨーTRANPATH LuKも安いながら中々良い。近いうちにハイト系軽自動車やプチバン向けのタイヤをまとめてみます。

 

安全性に大きく配慮された設計なので、お子様の送り迎えなどにもよく使われる特性の車にはピッタリです。今まで背が高い車だから仕方ないと思っていた不満を緩和し安心感に換えてくれるタイヤです。

 

リリースされているタイヤサイズ

BluEarth RV02CK

korogariTeiko26:転がり抵抗係数 wetGrip26:ウェットグリップ性能
対象のタイヤサイズをクリックするとネット購入できます。
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GWのお出かけ前に空気圧点検をしましょう

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タイヤトラブルは増えている

タイヤトラブルの最も多い原因は空気圧不足に起因しています。2015年は約36万件ものJAF出動件数があり、実は10年前より17%ほど増加しているというJAFの調査の調査もあります。

 

考えられる増加の原因

➀セルフ型ガソリンスタンドの増加

ガソリンスタンドは長らくタイヤ点検の重要の役割を果たしてきました。しかし、セルフスタンドの増加により点検される機会が減り空気圧不足に気付かないケースが増えているようです。日本には法定車検があるために自分でする習慣がない方が多いと言われており人任せにしてしまう傾向があります。その結果タイヤの空気圧点検など定期的に必要なメンテナンスを怠ってしまう傾向にあるため注意が必要です。

 

➁扁平タイヤの増加

近年は大口径のホイールに低扁平率のロープロタイヤが装着されているケースも増えました。このようなタイヤは空気圧が不足していても見た目では分かりにくく、空気の入る容積も少ないので空気圧が自然低下しやすい特徴があります。また空気圧が不足していても走行感に表れにくい場合もあるので走っても気付かないケースもあります。

 

➁扁平タイヤの増加

安全装備などで全体的に車が重くなっていることも原因の一つに挙げられるかもしれません。

 

空気圧不足の問題点

➀思わぬ事故につながる

空気圧不足で高速走行や長時間走行を行うとタイヤが異常過熱し最悪の場合バーストします。それが前輪であった場合はコントロールを失い大事故になる可能性が高くなります。

 

もう一つの思わぬ事故としてスペアタイヤへの交換中やパンクして車外へ降りていたことで後続車にはねられるなどの事故にあうケースです。高速道路上などは特に注意が必要で、安全を確保してくれる人員が必須です。一人での作業は絶対にやめましょう。少しでも不安があるならロードサービスへ連絡するのが一番です。時間はかかりますが命には代えられません。第一に事故の可能性を減らすため、トラブル防止の点検をしてから出かけましょう。

 

➁燃費低下

タイヤの無駄な変形は発熱を生み運動エネルギーを熱エネルギーにして捨ててしまうことになるので大きな損失となり、空気圧を自動車メーカー指定空気圧の半分ほどにすると燃費は15%~20%ほど下がると言われています。

 

➂コントロール性能の低下

特に前輪はハンドルの重さやレスポンスの低下を引き起こすため、事故につながらないまでも運転で疲れを感じやすくなります。







点検方法

見た目で判断するのは危険です。必ず空気圧ゲージを使用して点検しましょう。

 

スペアタイヤが装備されていない最近の車ではトランクの床下などにコンプレッサーが装備されている場合があり、それを使えば自宅でも点検は可能です。

 

自動車メーカー指定空気圧は国産車なら以下の写真の場所にシールが貼ってあることが大半です。輸入車では燃料タンクのフタの裏などにある場合もあります。

 

タイヤ空気圧について詳しく知りたい方はコチラ

 

やはり最も手っ取り早いのはガソリンスタンドやタイヤショップなどで点検してもらう方法でこれが一番楽ですね。お出掛け前にガソリンスタンドに寄って点検してもらえば手間もないでしょう。

まとめ

こんな簡単なことでお出掛け中のトラブルの芽を摘めるならやらない手はないでしょう?

 

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タイヤの静粛性能アップの新たな流行?

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近年、欧州のタイヤメーカーでタイヤ内部にポリウレタンを貼り付けて静粛性能の上昇を図る技術が流行ってきている(ような気がする)。

 

欧州タイヤメーカー各社の技術名称

ピレリノイズキャンセリングシステム(PNCS)

 欧州メーカーで始めにこの技術を採用したのはピレリだったろうか?ピレリノイズキャンセリングシステム(PNCS)の名で一部のタイヤのごく僅かなサイズにではあるが広がりつつある。

 

コンチサイレント(ContiSilent)

コンチネンタルではコンチサイレント(ContiSilent)の名でこちらも一部のタイヤのごく僅かなサイズに採用されている。

 

アコースティックテクノロジー(ACOUSTIC TECHNOLOGY)

そしてこの春からのミシュランのカタログにもミシュランアコースティックテクノロジーの名で掲載されホームページでも詳しい技術が公開されています。

 

技術要素

タイヤは主に2つの構造から形成されています。1つは靴底に当たるトレッド、そしてもう1つは空気を入れるケースです。タイヤは接地する際にケース内の空気の一部が瞬間的に圧縮されます。この圧力変化が空気を振動させ響いて大きな音になります。これは空洞共鳴音の呼ばれる音で、太鼓を叩けば中の空気が振動して大きな音が出る仕組みと同じです。

 

なんらかの方法でこの空気の振動を弱めることが出来れば発生する音や振動を抑えることが出来ます。そこで考えられたのがタイヤ内部にポリウレタンスポンジを貼り付けて空気の振動を吸収する技術です。更にどこのメーカーサイトにも書かれていませんが微細な孔(あな)は音のエネルギーを減衰させる効果があることが知られており、これにより更に音を減衰する効果も狙えるかもしれません。

 

初めて採用したのはダンロップ


ご存知の方も多いかもしれませんが、この技術の先駆者と言えば我が国の住友ゴム(タイヤ販売はダンロップのブランド名で展開)です。2006年「LE MANS LM703」に世界で初めて採用され、現在も進化しながらVEURO VE303LE MANS Vや一部純正タイヤなどに採用され、ダンロップタイヤのノイズ低減に貢献しています。これと同様の技術が今ヨーロッパで広がりを見せているわけです。

 

なぜ流行しているのか

これらはナビゲーターの推測ですが以下のようなことが考えられます。

 

欧州の社外騒音規制

日本でも将来採用が検討されていますが欧州では車が車外に出す音に法的な規制が設けられています。そのため基準をクリアしないタイヤは販売することが出来ません。こうしたこともあり社外騒音規制は一般にも広く浸透しているため、法令より高い基準での静粛性能が追及され本技術が採用されていると考えられます。

 

自動車メーカーからの要請

現状、自動車メーカー純正タイヤのみの展開で高級車を中心に採用されていることから、自動車メーカーによる高い要求に応えるため必要に迫られて採用されてたと推測されます。

 

特許

特許については素人ですので、これは完全な推測ですが、ダンロップのがサイレントコアを採用してから10年以上が経ちました。特許権の存続期間は日本では「出願」から20年(欧州でも20年のようです)出願公告から15年なので、もしかしたら特許切れなんてことも関係しているのかも知れません。

 

日本国内では

今のところダンロップタイヤ以外で本技術を採用したタイヤを発売しているメーカーは確認できていません。国内でも社外騒音規制が法律として定められれば採用するメーカーが出てくるかもしれません。

 

この技術の実力は?

道路の継ぎ目を乗り越す音(ダンピング音)は非常によく消してくれます。欧州は国によっては道が悪かったり石畳を走らなければならないなど日本よりノイズが出やすいため大きな効果が見込めます。日本は道がきれいなので効果は限定的かもしれません。
というのも勿論すべての音を消してくれるわけではなく、個人的にはきれいな道を走っている際のロードノイズの低減効果は大きくないように感じます。







注意点

パンクの際のみ2点注意点があります。

 

パンク修理剤の使用が出来ない

最近では標準装備にスペアタイヤが装備されておらず、代わりにパンクの際に液剤を注入して応急処置をするパンク修理キットが標準装備されている車が増えてきました。しかし、この技術が採用されたタイヤはウレタンスポンジがあるため、パンク修理剤が効果的に漏洩箇所に届かず空気漏れが止まらないため液剤の使用が出来ません。またこれを知らず間違えて使ってしまうと修理して再使用できるはずのタイヤも使用不能になってしまうので注意が必要です。

 

対処方法

➀スペアタイヤが装備されている車はタイヤ交換をして修理工場などへ向かう。
➁パンク修理剤しかない場合はロードサービスなどへ連絡し積車で修理工場などへ向かう。
➂パンク修理剤しかない場合はパンクしたタイヤのみを外し修理工場などへ持っていく。
これらの方法を使えば、修理して再使用できるタイヤを使用不能にすることはありません。
※但し、純正採用されているパンク修理液剤は、使用した場合タイヤが再使用できないと記述されているものがほとんどです。そのため修理剤を使用した場合スポンジ採用タイヤでなくとも再使用不能になる場合が多くあります。

タイヤが再使用できるパンク修理剤

 

パンク修理の手順が多い

修理そのものは業者に任せればいい為ためユーザーは何も気にする必要はありませんが費用に多少の差があることがあります。ガソリンスタンドなどで修理として行われる表からの打ち込み応急処置なら手順は変わりませんから費用も変わらないはずです。しかしタイヤの裏側から貼り付け修理を行う場合、貼り付けられたウレタンスポンジの一部を切り取る工程が発生するため修理費用が通常より500~1,000円ほど高い場合があります。小さな小さな注意点ですけどね。

 

まとめ

・欧州でタイヤ内部にポリウレタンスポンジを貼り付けてノイズを低減する技術が僅かながら広がっている。
・空洞共鳴音を低減する効果がある。
・広がりを見せているのは欧州の社外騒音規制などの影響があると考えられる。
・世界で初めて採用したのは住友ゴム工業(ダンロップタイヤ)である。
・欧州メーカーでは今のところ純正タイヤのみの採用にとどまっている。
・国内メーカーではダンロップタイヤが採用するのみ。
・タイヤに強い衝撃が加わって発生する音は大きく低減される。
・全ての音を消してくれるわけではない。

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今年の流行サイズ185/60R15の安い変換サイズ

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いやぁ冬本番ですね。
11月なのに東京でも雪が降ちゃったりしてマジかぁって感じです。
こうなると我々タイヤに携わる者はみんな俄然忙しくなります。
ナビゲーターも御多分に漏れず貧乏暇なし、忙しくしてます。
若いとは言えない年齢なので体ギシギシです。中々記事もアップできなくて申し訳ありません。

さて本題です。
今年のコンパクトカーの流行サイズと言っても良いこのサイズ

185/60R15

しかし、このサイズ大きさの割に意外と高いんです。そんな問題を緩和、解決していきましょう。

 

185/60R15を採用している車種

まずは代表的な車種を列挙してみましょう。
カローラフィールダー
シエンタ
・ヴィッツ
・インサイト
グレイス
シャトル
・フィット
・フィットシャトルハイブリッド
スイフト

ね。発売されて間もない車や流行の車が沢山でしょう?

 

値段を見てみましょう

冬道では絶対的な信頼を獲得しているブリザックの最新モデルVRXのタイヤ1本のみとホイール付き1本の値段を例に見ていきます。

結構、良い値段しますね。ブリザックVRXだから高いってだけじゃないんです。例えばワンサイズ大きい185/65R15だとこんな感じ。

大きいのにこっちの方が安いっておかしいでしょ?でもこれがタイヤ業界の常識なんです。多少なりと大きくても扁平率が大きい方が安い傾向にあります。じゃあこっちのサイズを付ければ良いじゃんて思うかもしれませんがそうはいきません。
185/60R15は理論外径で606mmほど
185/65R15は理論外径で625mmほど
と大きくボディーへの干渉リスクは勿論、速度メーターの誤差や僅かながら車検が通らないリスクも出てきます。




安い適合変換サイズ

インチダウンという方法

175/70R14を装着するのがその方法です。
175/40R14の理論外径は603mmほどと適正なので、185/65R15で挙げたようなリスクはありません。

 

discbrake但し、車種によっては14インチへのインチダウンが不可能な場合があります。主にブレーキの大きさによるものでホイールを小さくしようとしてもブレーキに当たればインチダウンすることが出来ません。主に問題になるのは左図で示した前輪のディスクブレーキですが、プリウスαなど一部車種では後輪のドラムブレーキが干渉してインチダウンが出来ない場合もあります。

 

その他のリスク

物理的な形状の問題がなくインチダウンが可能であっても以下のような問題はあります。

 

➁タイヤが細くなる

理論値で185mmから175mmへ10mmと5%ほど幅が狭くなります。一般に幅が狭くなると氷の上でのブレーキには不利です。

 

➂インチダウンに伴うリスク

inchdown
インチダウンをするということは上図のようにホイールの部分が減りタイヤの部分が増えるということです。これは乗り心地が柔らかくなってハンドル操作をしたときのレスポンスが遅くなります。具体的にどうなるかというとグニャグニャとした乗り心地になり、右左折やカーブ、車線変更などをした際にフラフラしやすくなります。そもそもスタッドレスタイヤは概ね夏タイヤより構成される部材が柔らかい為、それだけで前述のような乗り心地や走行性能の問題が出ます。インチダウンはそれを更に加速する方向なので悪い方向の相乗効果を生み出してしまいます。

 

これらのリスクを理解した上でインチダウンするのは一つの選択肢です。何より安いですからね。同じ条件で比較してこれだけの価格差があります。予算がないときは冬時期だけなのでと我慢するのも手ですかね。

 

インチダウンしない方法

上述のリスクを避けたいけれど185/60R15の価格については何とかならないでしょうか?

インチダウンしない変換サイズ

何とかなります。
ズバリ175/65R15です。
理論外径は608mmほどとほぼ同外径で、実は一部車種では同車種で185/60R15がついてる車と175/65R15がついている車が存在するなど自動車メーカーの純正でも変換されるサイズなのです。

 

先に触れたタイヤが細くなることによるリスクはありますが、それ以外は185/60R15とほぼ同じなわけですから非常に低リスクです。しかも価格は同条件で以下のように大きな差があります。1本でこの差ですから4本で17,000円ほどと大きな金額です。

 

結論

175/65R15なら安く買えてリスクも少ない。

 

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